- 上場採掘企業の大半はAIへ転換
- ハッシュレートは前年末に1.3ZH/sに到達
ハッシュ弱気相場に
テザー系ビットコイン保有会社トゥエンティワン・キャピタルの最高経営責任者を務めるラファ・ザグリー氏は先週、香港で開催されたカンファレンス「ビットコインアジア2026」で講演した。同氏は、ビットコイン(BTC)が史上初となる「ハッシュレート弱気相場」に入っていると指摘した。
ハッシュレートとは、ビットコインネットワーク全体の採掘(マイニング)に投じられている計算能力の総量を示す指標だ。ザグリー氏によると、ネットワークのハッシュレートは前年末に約1.3ZH/s(ゼタハッシュ毎秒)に達した後、緩やかな下落局面が続いており、過去最高値からの回復に要する期間としては最長になっているという。

出典:blockchain.com
同氏は、今回の局面は2021年の中国政府による採掘禁止後の下落とは異なると話した。当時は稼働停止で急激にハッシュレートが落ち込んだ後、採掘設備が他地域へ移転され比較的速やかに回復したのに対し、現在はAI・HPC(高性能演算基盤)向けという新たな電力配分の選択肢が登場している点が大きな分岐点となっているという。
関連記事:米マイニング大手Hut8、1GWのAIデータセンターの完全商業化 15年間98億ドルの追加契約締結
米Hut8がテキサスのAIデータセンターで15年98億ドルの追加契約を締結し、1GW全容量の商業化を達成した。IRENも28億ドル契約で2026年ARR目標を40億ドル超に上方修正した。
採掘大手のAI転換
こうした状況を踏まえ、ザグリー氏は上場する採掘企業の大半が大規模なビットコイン採掘専業から脱却し、AI事業へ軸足を移していると述べた。採掘専業を続ける上場企業はほとんど見当たらなくなった。
背景には、メガワットあたりの経済性で、採掘企業がAI事業者に電力設備を貸し出す契約の単価が、採掘の現行ハッシュ価格を大きく上回る点がある。
転換には1メガワットあたり800万〜1,500万ドル規模の設備投資(冷却システム等)を要するが、上場採掘企業各社が発表したAI・HPC関連契約の累計額は2026年9月時点で700億ドル超に達した。
採掘向けに整備した変電設備や送電網は、コアウィーブやマイクロソフト、アンソロピックといった大手クラウド事業者・AI企業への電力供給インフラとして転用されている。
コア・サイエンティフィックやテラウルフではデータセンター賃貸によるAI関連収益が既存の採掘収益を上回り、旧ビットファームズのキール・インフラストラクチャーは米国内の採掘拠点を全廃した。一方、ライオット・プラットフォームズやクリーンスパーク、マラ・ホールディングス、ビットディアなどは採掘事業を継続しながら、AI・HPC向け電力契約の締結や施設転換を進めている。



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