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日本円建てステーブルコイン「JPYC」1周年、累計発行額は120億円超

この記事のポイント
  • 150以上の事業者が導入、4つのブロックチェーンで展開
  • 流通額の増加が課題

「JPYC」発行開始から1年

日本円と連動するステーブルコイン「JPYC」は27日、発行開始から1年を迎えた。発行元はフィンテック企業のJPYC株式会社で、累計発行額は120億円、流通額は約30億円を超え、口座開設数は28,000件以上となった。

また、実店舗やECサイトなど150以上の事業者がJPYC決済を導入し、イーサリアム(ETH)、アバランチ(AVAX)、ポリゴン(POL)、カイア(KAIA)の4ブロックチェーンで展開している。

LINE NEXTのWeb3ウォレット「Unifi」が5月に取り扱いを始め、LINE上でJPYCを使える国内初の事例となった。さらに、9月にはau PAYアプリ内のウォレットで、PontaポイントからのJPYC交換や、au PAY残高へのチャージによる支払いが可能になった。今月6日にはマイナウォレットがアプリ内でのJPYC発行・償還への対応を発表している。

提携先には大手が並ぶ。ソニー銀行とは3月に業務提携の基本合意を結び、口座から直接チャージできる仕組みなどを検討する。アステリアとは資本業務提携を結び、TISI(旧TIS)も年内に決済支援サービスを始める計画だ。

店頭決済では8月、ローソンの高輪ゲートウェイシティ店で実証が行われた。HashPortのウォレットに表示したバーコードをPOSレジで読み取る方式で、コンビニのPOSレジを通じたステーブルコイン決済の成功は国内初の事例とされる。対象は関係者に限られた。

関連記事:ローソンのレジでJPYCが動いた日 決済実証の4社が語る商用化の壁

ローソンの実店舗で実施された円建てステーブルコインJPYCの決済実証について、ローソン、キャナルペイメントサービス、JPYC、HashPortの4社が議論。決済速度や返金対応など商用化の課題と、普及への道筋を探った。

さらに、物流大手のAZ-COM丸和ホールディングスは、トラック運転手ら個人事業主を含む協力会社約2,300社への委託費の支払いにJPYCを導入する方針だ。手数料を抑えつつ支払い頻度を高める狙いがある。

関連記事:物流大手AZ-COM丸和ホールディングス、JPYC導入へ 企業による大規模採用事例に

物流大手AZ-COM丸和ホールディングスが、協力会社約2,300社への支払いに日本円建てステーブルコイン「JPYC」を導入する。国内企業による大規模採用の初事例となる見通しだ。

流通額を増やすことが課題

一方、日経新聞によると、JPYCの岡部典孝代表取締役は「現状は赤字」だとしており、黒字転換のためには流通額を500億円〜1000億円に増やすことが必要との認識を示した。

JPYCは、ステーブルコイン準備金として預金や短期国債を保有している。今後は国債の割合を増やすことで準備金からの利回り収入を増やす方針だ。

JPYC株式会社は8月、シリーズBラウンドの累計調達額が約60億円に達したと報告。4月時点では今後の展望の一つとして「AI(人工知能)時代」のM2M決済インフラとしてJPYCを位置付けているとも述べていた。

「AIエージェント同士が自律的に価値を交換する時代」の決済インフラとなることを見据え、今年4月の「AI・人工知能 EXPO」では、日本円ステーブルコインによるAI決済の実演デモも行っている。

また、今年の「免税リファンド新制度」を見据え、株式会社日本免税と共同でJPYCを活用した次世代インバウンド決済網の構築も始めた。多様なサービスや事業をつなぐ決済・資金移動の手段として利用される機会を増やしているところだ。

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