- スティーブ・バノン氏「仮想通貨は中央銀行から権力を取り戻すための反体制ツールである」と主張
- 同氏の反体制的な政治的立場からの主張に、仮想通貨界隈では賛否両論の声が上がっています。また、この発言により、仮想通貨とブロックチェーンにより一層の関心が集まっています。
スティーブ・バノン氏の持論に賛否両論の声
スティーブ・バノン氏(以下、バノン氏)は仮想通貨について持論を述べ、仮想通貨市場における自身の存在感を強めています。
バノン氏はスイス・チューリッヒでの講演の中で、仮想通貨は「中央銀行から権力を取り戻す」ための反体制ツールである、と言及しました。
同氏は、法定通貨の中央集権化や一定のデフレは奴隷制度の一形態であり、それによって一般市民は常に歯車を回す役をさせられている、と述べました。
「中央銀行は皆さんの通貨価値を下げる仕事をしているのです」
以上のように聴衆に述べ、これに対抗する方法の一つとして仮想通貨を提示しました。
中央銀行は仮想通貨を規制できないために、仮想通貨は反体制運動の核心となり、一般市民や企業、政府に力を与えるものだ、とバノン氏は説明しています。
仮想通貨は人々が法定通貨という中央銀行の支配から逃れる一つの方法であると言及されましたが、バノン氏はまた、情報の中央集権化も大きな問題であると述べています。
この点については明らかにしていませんが、バノン氏は、分散型ブロックチェーン技術が情報を人々の手に取り戻す可能性を秘めている、ということを理解しているようです。
スティーブ・バノン氏について
バノン氏はトランプ米大統領政権の初期にホワイトハウス最高戦略責任者として従事していたことはよく知られていますが、同氏はまた、ゴールドマンサックスの投資銀行家として働いていた経験も持っています。
バノン氏は金融システムの専門家であり、「株主価値を高める」というような、当時毎日刷り込まれた用語を繰り返しました。
同氏のコメントは強力な反体制派としての政治的立場から述べられています。
仮想通貨市場では、バノン氏の主張を受け入れる人もいれば、全く受け入れない人もいます。
同氏は過激なナショナリストであり、かなり右翼的な政治的立場であるため、仮想通貨が国境を越える国際的な自由主義運動だと考えている多くの人々と真っ向から対立します。
バノン氏は右翼派の出版物であるBreitbartを共同設立し、移民の削減と国境の強化の点で非常に声高な人物です。
また同氏は、バーチャル通貨についても初心者ではなく、2017年に世界的人気オンラインゲームのWorld of Warcraftの課金通貨に6000万ドル(約64億円)を費やしたことが報道されています。
ゴールドファーミングと呼ばれる、ゲーム内通貨を稼ぎそれをリアルマネーで売ったり、ゲーム内アカウントのスキルとレベルを強化し第三者に売る方法で、簡単に大儲けするためだったといいます。
バノン氏が仮想通貨を持っているのか、特定のプロジェクトを支援しているのかについての情報は今のところ一切ありません。
バノン氏の政治的立場への賛否はどうであれ、世間の目を引く同氏のコメントによって、仮想通貨やブロックチェーン技術はより一層注目されるのは間違いないでしょう。
Cryptocurrency Will Take Power Away from Central Banks: Ex Trump Aide Steve Bannon
Mar.9 , 2018, by Lewis Gray
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