- 国内取引所の取引状況についてのデータが提出される
- 国内仮想通貨交換業17社共同のデータ資料です。国内のデータが取引所協力のもとまとめられたのは初めてのことです。
- 2017年の大躍進ぶりが伺える
- 平成28年度→29年度にかけて、仮想通貨の現物取引は約8倍、証拠金等取引は約28倍の規模になっています。特に、2017年12月は、1ヶ月で取引所17社への合計入金額が1兆円を越しています。
金融庁にて開催された、「第一回仮想通貨交換業等に関する研究会」にCoinPost編集部も参加しました。
今回の「第一回仮想通貨交換業等に関する研究会」の注目すべきは、仮想通貨交換業者17社が共同で初めてデータ資料をまとめあげた事です。
以下、注目を集めた「国内取引所の取引状況について」です。
注目資料:国内取引所の取引状況
今回の国内仮想通貨取引状況のデータは、以下の17社のデータを元に資料が作られているとのことです。
- 株式会社マネーパートナーズ
- QUOINE株式会社
- SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社
- ビットバンク株式会社
- GMOコイン株式会社
- ビットトレード株式会社
- BTCボックス株式会社
- 株式会社ビットポイントジャパン
- 株式会社DMM Bitcoin
- 株式会社ビットアルゴ取引所東京
- エフ・ティ・ティ株式会社
- 株式会社フィスコ仮想通貨取引所
- テックビューロ株式会社
- 株式会社Xtheta
- コインチェック株式会社
- バイクリメンツ株式会社
- 株式会社 CAMPFIRE
国内の仮想通貨取引量
国内の仮想通貨取引量の正確なデータが明らかになりました。
仮想通貨取引量①
途方も無いペースで取引量が増加していることが分かります。
平成28年度→29年度にかけては、現物取引は約8倍、証拠金等取引は約28倍にもなっています。
仮想通貨取引量②
8割が証拠金等取引で構成されており、ビットコインFX価格がBTC価格を牽引する状況です。
特に、bitFlyer FXでの取引量が多いと予想されます。
仮想通貨取引量③
BTC証拠金等取引量だけでみても、約28倍もの上昇を記録しており、ビットコインFXの需要の高さが伺えます。
また、XRPの現物取引量が平成28年度→29年度にかけて、約180倍もの上昇を記録しており、国内でのXRPの成長度とコミニュティの強さが感じられます。
年代別の顧客層
現物取引は全体の約90%が20代〜40代までとなっています。
仮想通貨取引は30代が中心となっていることが分かりますが、証拠金などの取引に関しては40代・50代も多いようです。
顧客の資産額(仮想通貨含む)
77.16%が10万円未満であり、全体の利用者の95%は、100万円未満とのことです。
顧客層の年代が若い傾向にあることから、資産額も低くなっている可能性が高いです。
また、1億円以上は268口座となっていますが、この数百口座の動きだけで仮想通貨市場に大きな影響を与えていることが考えられます。
入出金額
平成28年度→29年度にかけて、入金額は約37倍となっており、「仮想通貨元年」と言われた2017年の大躍進ぶりが伺えます。
こちらは平成29年度の詳細ですが、12月の入金額が異常な数値を示しています。
この時期は、ビットコイン価格が最高値を更新し続けて、またbitFlyerやコインチェックのTV CMによる新規顧客流入も影響したと思われます。
スプレッド
販売所のスプレッドに関しては、0.1~5%と非常に幅が広い状況です。
販売所の手数料は運営元が独自で設定しており、このスプレッドに関しては投資家から批判されることも多い要素です。
今後はこのスプレットを小さくすることで、取引所間で競争が生まれる可能性もあります。
まとめ
設立まもない一般社団法人日本仮想通貨交換業協会による今回の資料の発表は、各方面で高く評価されています。
取引量などのデータはおおよその数字でしか計れていない状況でした。
今回の資料(全文はこちら)でも、グローバルな数字については、政府や取引所との協力をしている訳ではない、coinmarketcapの数値が引用されています。
しかし、今回で日本国内の状況については最新かつ正確なものが確認出来るようになりました。
これは業界の透明性の向上にも繋がります。
また、12月の数値の異常性も再確認出来ましたが、それだけ新規顧客など多額の入金、参入が発生する余地がある、ということでもあります。
今後仮想通貨やブロックチェーンの発展を促しつつ、規制ルールを整えていき、健全な業界イメージを確立することで、市場ボリュームは大きくなっていく期待が持てるのではないでしょうか。