- アメリカでの仮想通貨に対する税金
- 米国で最も使用使用されている税金申告用のプラットフォーム「Credit karma tax」を運営する、Credit karma社が同社のサービスを使った、仮想通貨関連の調査データを明らかにしました。
税金の申告比率
調査によれば、昨年の仮想通貨市場の急騰に対して、税収の申告があまりに少ないことが明らかになっています。
確定申告期間で集まった仮想通貨関連の申告はわずか100件未満となり、Credit karmaは2018年1月19日より始まった米国の確定申告期間が終わる4月17日を前に、自社のサービスを使って行った調査結果を明らかにしました。
それによると、Credit karma taxのプラットフォームに寄せられた仮想通貨関連の申告書Form8949、250,000通のうち、仮想通貨関連の税収を正しく報告していたのはわずか100件未満でした。
この数値は大きな問題を示しています。
昨年の仮想通貨市場の急騰により現在仮想通貨市場の規模は5900億ドル(日本円約60兆円)ほどの規模にまで急速に成長を遂げているのです。
そしてアメリカでは、仮想通貨取引が進んでいる日本や韓国を抑え、現状最も大きな市場規模を誇っています。
そうした中で、ニューヨークに拠点を置くリサーチプロバイダーのFundstrat Global AdvisorsのTom Lee氏が行った調査によれば、本来であればアメリカは2017年に行われた仮想通貨関連の取引によって、250億ドルもの税収を獲得しているはずなのです。
しかし、Credit karma taxが行った調査はそれがうまくいっていないことを示しています。
これはただ単に、仮想通貨の投資家が税収報告を避けているだけではありません。
IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)が設定した、仮想通貨の税収報告に関するガイドラインの複雑さも影響しています。
IRSは、仮想通貨に関しては、単純に取引による収益だけでなく、損益、あるいは仮想通貨を利用した物品の購入までも税収として報告しなくてはならないとしています。
ボラティティが高い現在の仮想通貨市場を考えれば、こうした税収報告を行うことは非常に手間がかかります。
また正確に数値を確認することも難しいでしょう。
IRSは税収獲得に向けて動き出しており、こうした中でCredit karma taxのGMであるJagjit Chawla氏はこの調査結果を好意的にとらえています。
彼は、
「仮想通貨関連の税収報告が非常に複雑なものであるという認識が広まることはいいチャンスだと思っています。 我々はユーザーにこうした問題に対応できる解決策を提示する用意があります。」
と語りました。
現状仮想通貨市場の規模は小さく、アメリカ政府はまだそこから得られる収益に大きな期待を寄せているわけではありません。
しかし、CCNが行った調査によれば、2017年以外にも仮想通貨取引が活発になりだした時の、何千件もの投資家の取引の記録をIRSは獲得しています。
Credit karma taxのようなサービスの登場、今後の市場規模の拡大によってはIRSが本格的に税収獲得に向けて動き出す可能性があるでしょう。