- BCHのアップグレードでスケーリングとスマートコントラクトが導入される
- BCHのハードフォークが5月に控えています。ビットコイン開発者は長らくスケーリングに否定的でしたが、ビットコインキャッシュ開発者は、安全性には疑念の余地がないとしています。スマートコントラクトに関しては、最近ビットコインコア派の間でも注目が集まっています。
- 大半のユーザーが支持する中、BCHのハードフォークに懐疑的な声も
- BCHのコード変更はコミュニティ全体の投票による決定ではないとして、一部のユーザーからガバナンスの問題を指摘されています。しかし、現時点では、ソフトウェアのアップグレードに対して、BCHのユーザーから大きな反発はみられません。
ビットコインキャッシュの次のソフトウェアアップグレードは、ビットコインからハードフォークした時以上に野心的なものになるかもしれません。
2017年11月に発表され、5月15日にフォークが実施される予定であるアップデートの最も重要な点は、コインのブロックサイズを8MBから32MBの4倍にすることでしょう。
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BCHのアップグレード:スケーリング
ビットコインの開発者は、ブロックサイズを拡張することは、17兆円以上の時価総額を誇るネットワークを危険に晒す可能性があると主張してきました。
しかし、2017年の秋には一部の開発者がこの主張に反発してビットコインキャッシュを立ち上げ、現在時価総額2.7兆円にも及ぶネットワークを作り上げました。
ビットコイン・キャッシュ・プロトコルの主なソフトウェア実装BitcoinABCに貢献しているJoshua Yabut氏(以下、Yabut氏)は、次のように語っています。
ブロックサイズの増加は現時点では議論の余地がありませんが、オンチェーンのスケーリングが行われるのはさらにいいことです。
BCHのアップグレード:スマートコントラクト
ビットコインキャッシュの開発者は、ビットコインの創始者であるサトシ・ナカモト氏が早い段階でビットコインプロトコルから取り除いていた機能も追加しました。
ここで最も注目すべき点は、スマートコントラクトを取り入れたオペコードです。
攻撃の余地を与えてしまうと考えたサトシ・ナカモト氏はこの機能を無効化しましたが、ビットコインキャッシュの開発者は、彼らが攻撃をブロックするのに十分な時間があると信じています。
2018年2月には、ビットコイン開発者のJohnson Lau氏が、ビットコインにこのスマートコントラクトを再度追加することを提案していました。
したがって、ビットコインキャッシュがこのような機能を本格的に展開することは注目に値します。
Yabut氏は以下のように語っています。
ビットコインの立ち上げから7年が過ぎ、これらのオペコードのエッジケースがはっきりと理解されています。
ビットコインキャッシュの開発者らは現在、エッジケースに対処する十分な時間を確保しています。
プロトコルにスマートコントラクトを導入することは、イーサリアムと競合するための第一歩となるでしょう。
BCHのアップグレードに対する反発は?
ビットコインキャッシュコミュニティの大半はこの決定を支持していますが、少数のユーザーは懸念を示しています。
これらの懸念は、ビットコインキャッシュの根本的な変更がコード化される前に、コミュニティ全体で投票が行われなかったという事実に由来しています。
それでも、コードの変更によってビットコインキャッシュがネットワーク分裂のような危険に晒されること可能性が低いことについてはそれほど議論の余地がないようです。
bitcoin ABC、bitcoin unlimited、bitcoin classicは、ビットコインキャッシュのソフトウェアアップグレードに合意しています。
また、この変更のためにソフトウェアをアップグレードする必要があるマイナー、ノード、取引所、ウォレットなどからも大きな反発は出ていません。
さらに、ビットコインキャッシュ開発者が論争的な機能をいくつか取り除いたことは、多くのユーザーから好意的に受け止められています。
その一方で、ソーシャルネットワークのMemoなど、一部のコミュニティはビットコインキャッシュがブロックサイズを大きくする必要性について疑問を抱いています。
したがって、ビットコインキャッシュはブロックサイズ拡張の必要性を強調していく必要があるでしょう。
また、2017年12月に発表済みのロードマップでは、11月にもアップグレードが実施されると述べられています。