- 英国議会内ブロックチェーン公聴会でリップル批判
- 「価格が短期間に大きく変化するリップルのような通貨は信頼度が低く、金融部門に仮想通貨を持ち込むことは非常にリスクが高い」と批判されました。
- 一方でオマーンの銀行がRippleNetに参加
- このような議論が行われている中、オマーンの銀行であるBankDhofarはリップルのブロックチェーン技術は消費者の支払いにかかる時間やお金を節約することに繋がると考えています。
英国議会内ブロックチェーン公聴会でリップル批判
英国議会で執り行われた仮想通貨やブロックチェーンについての公聴会は仮想通貨の懐疑論者で埋め尽くされました。
世間の非難を浴びたのは仮想通貨リップルとブロックチェーンプラットフォームでした。
これは、非営利団体Centre for Evidence Based Managementのディレクターであり、R3の元商品開発者であるMartin Walker氏(以下 Walker氏)がテクノロジーでは金融部門の非能率的な面を改善することはできないだろうと述べ、特にリップルの今の商品を批判したことが発端です。
ちなみにR3は、Ripple社に対しXRP購入オプション契約に関して提訴したことでも知られています。
Regulatory RelationsのディレクターであるRyan Zagone氏(以下 Zagone氏)の証言の中で彼は、お金の移動を追跡する能力は会社の技術の最大の利益であると述べました。
しかし、支払い履歴を追跡することの難しい部分は記録を更新する支払いに人々が参加することであり、単にブロックチェーンを採用しただけでは支払いがなされたという記録を更新することはないとWalker氏は主張しています。
このように、リップルの先駆的なプロジェクトをWalker氏は批判しました。
そのプロジェクト内容は、今まで米国ドルが行なっていた機能である、国際的な取引を行う際に2つの通貨を使う代わりにリップルを用いることを奨めるというものです。
Walker氏はさらに以下のように続けました。
「あなたは流動性を失った状態を打開するという性質をリップルなどの通貨は持っているとお考えのようですが、ある通貨からリップルへの交換、リップルから他の通貨への交換を行う際の流動性を持たせるためには人の手が必要になるのです。
それに加え、価格が短期間に大きく変化するリップルのような通貨は信頼度が低いのです。
つまり、金融部門に仮想通貨を持ち込むことは非常にリスクの高いことなのです。」
また、Stewart Hosie議員は次のようにコメントをしました。
「人々が金融資産であるリップルを買うと、法定通貨に戻す権利を失ってしまい、現金に戻すことができなくなってしまいます。」
しかし、Zagone氏はこれらの主張に対し「それはよくある誤解です。」と述べ、以下のように続けました。
「リップルはオープンソースですので会社によって作られるわけではありません。
つまり、オープンソーステクノロジーとして存在しているのです。
現代に沿った支払い方法に関心を持ち、オープンソーステクノロジーを使い始めた会社を設立しました。
つまり、私たちはリップルを生み出してはいないのです。大量のリップルを保有していますが、これはオープンソース開発者から贈与されるのです。
なので、リップルの会社と仮想通貨に直接的なつながりはありません。」
Zagone氏はリップルは個人消費者ではなく機関投資家にしか売られず、会社もリップルを使うことは滅多にないと強く主張しています。
そしてR3の元商品開発者であるWalker氏は、委員会に対し、ブロックチェーン技術と仮想通貨について批判的に考えるように勧告しました。
一方でオマーンの銀行がRippleNetに参加
このような議論が行われている一方で、リップルは自身のブロックチェーンネットワークに、オマーンの金融機関の一つであるBankDhofarを迎え入れました。
BankDhofarはリップルのブロックチェーン技術は消費者の支払いにかかる時間やお金を節約することに繋がると考えています。
BankdhofarのDr.Tariq Taha氏は次のように述べました。
「ブロックチェーン技術により、私たちは摩擦がなく、安全に国境を超えたお金の取引をわずか数秒で行うことができます。またこれらの取引は最初から最後まで可視化されているのです。」
イギリスではリップルの賛否について意見が対立している中で、中東のオマーンでは積極的にリップルのブロックチェーン技術を取り入れようとしているのです。