- イタリア経済とビットコイン価格の関係性
- イタリアの政局混乱からユーロやイタリア国債を売る動きが強まっている中、5月29日から30日にかけてビットコインの買いが増し、価格は急激な上昇を見せました。法定通貨のような中央銀行を持たない分散型の仮想通貨の強みが買われたのです。
- 有事のビットコイン買い
- 以前、ベネズエラで、ハイパーインフレ、食糧危機、政府の機能不全により、国内の通貨の価格が暴落した際に、ビットコインが大量に買われました。今までは、有事の際には日本円などの安定した通貨が買われましたが、現在、ビットコインが買いの対象になっています。
イタリア経済とビットコイン価格の関係性
5月29日から30日にかけての仮想通貨の価格が急激に回復した要因を探っていると、中央集権化政府の機能が深く関わっていることがわかります。
最近、ギリシャに続きイタリアの経済危機が懸念され始めました。
2009年頃にギリシャの財政赤字の隠蔽が発覚し、ギリシャは経済破綻の瀬戸際まで追い込まれてしまいました。
これに続き、イタリアやスペインの政局混乱が止まらなくなっています。
金融市場では、ユーロやイタリア国債を売る動きが広がってきていました。
ユーロは、一時、ドルに対して10ヶ月ぶりの安値をつけ、1ユーロ=1.151ドルまで落ち込みました。
それに伴い、リスク回避により円の価格はG10の中で最大の上昇を見せました。
「有事の円買い」が行われたのです。
ギリシャの10倍の経済規模を持つイタリアの経済への影響力はギリシャの比になりません。
このように世界の金融市場が影響を受ける中、ビットコインの価格は上昇を見せています。
市場分析家の一人は5月29日から30日にかけてのビットコインの価格の急激な回復はイタリアの政局の混乱が金融市場を襲った時と同時に起こったと指摘しています。
ユーロにとっての潜在的脅威がビットコインのような仮想通貨の利点を際立たせてくれているのかもしれません。
ベネズエラでも以前同じようなことが起きました。
ベネズエラで、ハイパーインフレーションが起き、食糧危機、そして政府が機能しなくなった時、最終的に通貨の価値が暴落しました。
結果的に、ベネズエラの通貨は記録的速度でビットコインに交換されました。
毎日1億円以上の通貨がビットコインへと変えられていきました。
今回の価格上昇はビットコインのみならず、イーサリアム、リップル、ビットコインキャッシュ、ライトコインは2-4%の上昇、カルダノは10%近くの上昇を見せました。
中央銀行ではなく民衆によってコントロールされる仮想通貨の利点が再認識されました。
これからは、「有事のビットコイン買い」が進んでいくかもしれません。