テレグラムでToncoin(TON)を送信
分散型ブロックチェーンプロジェクトのThe Open Networkは26日、人気プライバシートークアプリ「テレグラム」のチャット上でユーザー間で暗号資産(仮想通貨)Toncoin(TON)を送信できる機能を発表した。
You can now send #Toncoin directly within Telegram chats!
— TON (@ton_blockchain) April 26, 2022
It’s a new way to send Toncoin without transaction fees to any Telegram user. With this service, you’ll no longer need to enter long wallet addresses and wait for confirmations.
Watch the video and test the new feature! pic.twitter.com/EtXSMFtJj6
発表によると、新たなボット機能「@Wallet」はテレグラムユーザーであれば誰でも利用可能。仮想通貨特有のウォレットアドレスを必要とせず、ユーザー名をタップするだけで簡単かつ手数料無料でToncoin(TON)を送ることができる。またボット上でクレジットカードを使ってビットコイン(BTC)を購入し、TONに交換できる。
テレグラムの月間アクティブユーザー数は5億5000万人を超えており、取引プロセスを簡略化できる新機能には仮想通貨の普及に向けた期待度も大きい。反面、TONプロジェクトには開発状況や出資元、ユーザーベースといった点で不透明な部分も残されている。
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The Open Networkの開発動向
ブロックチェーン「The Open Network」は、20年5月にテレグラム社による開発計画が完全に中止された経緯がある。同社は18年に実施した仮想通貨GramのICO(イニシャル・コイン・オファリング)で約1822億円(17億ドル)を調達したが、米証券法違反で提訴されて投資家に約1275億円(計11.9億ドル)を返金していた。
その後、The Open Networkの開発リソースや当時までに形成されたエコシステムは全て、オープンソースコミュニティである「TON Foundation」に引き継がれた。しかし、21年5月に以前の「テストネット」が「メインネット」に名称変更される形でネットワークが公開されて以来、ロードマップはほとんど更新されていない。
公式サイトによると、現在163本のバリデータが高性能なTONブロックチェーンに貢献しており、ウォレットのダウンロード数は48万件強に上るという。TONエコシステムにはDeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)プロジェクトが複数存在し、イーサリアム(ETH)やBNBチェーンとのトークンブリッジ機能もデプロイされている。
バリデータとは
バリデータとは、ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。主にPoS(プルーフオブステーク)を採用しているブロックチェーンで使用される。役割を果たすと仮想通貨で報酬が与えられる一方、稼働が不安定になるとペナルティとして保有量が削減されるケースがある。
▶️仮想通貨用語集
現在、The Open NetworkのネイティブトークンはGramの代わりに仮想通貨Toncoin(TON)が使用されている。市場データサイトCoinmarketcapによると仮想通貨TONは時価総額35億円で205位にランクしている。