仮想通貨トロン(TRX)は、2017年に設立された分散型プラットフォームのネイティブトークンです。
当初はエンターテインメント分野のデジタルコンテンツ配信に特化していましたが、現在は分散型金融(DeFi)、ステーブルコイン発行、現実資産トークン化(RWA)など、多角的な展開を見せています。
時価総額は約216億ドル(約3.2兆円)で、スマートコントラクトセクターで7位に位置しています。
2024年に入ってからは、米大統領選挙後の仮想通貨市場の活況や、トランプ大統領の一族が中心となって進めるプロジェクトである「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)」とのパートナーシップ強化により、さらなる注目を集めています。
トロンとは
トロンは、2017年にジャスティン・サン氏によって設立されたブロックチェーンプラットフォームです。最初はイーサリアムのERC-20トークンとしてスタートし、2018年5月に独自のメインネットを立ち上げました。
2021年にTRON DAOへ移行し、27のスーパー代表ノードによるコミュニティガバナンス体制を確立しました。これにより、プラットフォームの運営が完全に分散化され、コミュニティメンバーが投票を通じて重要な意思決定に参加できるようになりました。
また、DPoS(Delegated Proof of Stake)というコンセンサスメカニズムを採用しており、これにより高速で低コストな取引を実現しています。
2025年1月22日時点でのトロンの価格は0.25ドル(約37円)で、過去1年で約130%の上昇を記録しています。
特筆すべきは、2021年4月以降、ステーブルコインUSDT(テザー)の流通量でイーサリアムに次ぐ規模を維持し、世界最大級のステーブルコインプラットフォームとしての地位を確立。
さらに2022年10月には、ドミニカ国で法定通貨として採用されるなど、国際的な実用化も進んでいます。
ジャスティン・サンとは
ジャスティン・サン氏は、中国出身の著名な仮想通貨業界のリーダーです。
北京大学とペンシルバニア大学で学んだ後、SNSアプリ「Peiwo」を立ち上げ、その功績によりフォーブス中国の「30 Under 30」に選出されました。
リップル社での経験を経て、独自の仮想通貨プロジェクト「トロン(TRON)」を創設し、主要開発者およびCEOとしてプロジェクトを成功に導きました。
2021年12月には、トロン財団を解散してCEO職を退き、プロジェクトをコミュニティ主導型のTRON DAOへと移行させました。
その後、グレナダ政府の世界貿易機関(WTO)常駐代表および特命全権大使に就任。
2022年秋には、香港の投資ファンド「About Capital」によるHuobi買収の際にアドバイザーとして参画するなど、仮想通貨業界での影響力を維持しながら、外交や企業アドバイザーとしても活躍しています。
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トークンの発行と分配状況
トロンの初期発行量は約860億TRXで、トロンのICOは、2017年の8月から9月に行われ、1TRX=0.0019ドルで合計400億TRXが販売されました。
約860億TRXの初期発行分はICOに約40%が割かれた他、約15%がプライベートセールで売られている。
残りはトロン財団に34%、サン氏が所有する企業Peiwo Huanleという企業に10%を配分。
バイナンスコイン(BNB)などと同様、定期的にバーン(焼却)される仕組みが導入されていて、市場供給量が減少することでその希少性を担保しています。メインネットローンチ時には総供給量の1%(10億TRX)がバーンされています。
トロンの特徴
トロンの特徴としては次のようなものが挙げられます。
高いスケーラビリティ
優れた処理性能とスケーラビリティも特徴の1つです。ネットワークは1秒あたり2,000件以上のトランザクションを処理でき、これはイーサリアムの処理速度(15件/秒)と比較して大幅に優れています。
この高速な処理能力により、ユーザーは低コストで迅速な取引を実現できます。
2024年8月には過去90日間のネットワーク報酬においてイーサリアムを上回る成果を達成し、トロンのネットワークが実用的なレベルで広く活用されていることを示しています。
2025年に向けては、並列処理とARMアーキテクチャ対応を推進し、6秒以下という高速なファイナリティの実現を目指しています。
エンタメ特化の経済モデル
トロンは、デジタルコンテンツ配信に特化したブロックチェーンプラットフォームとして注目を集めています。
クリエイターが中間業者を介さずに直接ユーザーとつながることができる環境を提供し、動画・音楽配信、ゲームプラットフォームなど幅広いサービスを展開しています。
この仕組みにより、従来の配信プラットフォームと比較してコストを大幅に削減し、クリエイターとユーザー双方にメリットをもたらしています。
特に「TRON Metaverse」プロジェクトでは、仮想土地NFTの取引プラットフォームを開発し、新しいデジタルエンターテインメントの可能性を切り開いています。
戦略的なパートナーシップ
世界的な企業や機関との提携を積極的に進めています。サムスンとの提携によりブロックチェーンアプリ開発を推進し、2022年10月にはドミニカ国で国家ブロックチェーンとして正式に承認されました。
さらに2025年1月には、トランプ一族が主導する分散型金融(DeFi)プロジェクト「WLFI」との戦略的協力を強化し、TRON側は7,500万ドルをWLFIに投資。
We are thrilled to invest $30 million in World Liberty Financial @worldlibertyfi as its largest investor. The U.S. is becoming the blockchain hub, and Bitcoin owes it to @realDonaldTrump! TRON is committed to making America great again and leading innovation. Let's go! pic.twitter.com/cISTsVYP1f
— H.E. Justin Sun 🍌 (@justinsuntron) November 25, 2024
同時にWLFIは1.1億ドル規模の暗号資産購入(うち470万ドル分がTRX)を通じて相互連携を深化させ、米国市場での影響力拡大を図っています
ドミニカ国での事例
2022年10月、TRONはドミニカ国で国家ブロックチェーンとして正式に承認され、同国初の法定デジタル通貨「ドミニカコイン(DMC)」の発行を実現しました。
さらに、TRXを含む7種類のトークンが法定通貨として認可され、税金や決済に利用可能な枠組みを確立。国家レベルでのブロックチェーン採用事例として注目されています。
関連:ドミニカ国、トロン(TRX)など国家通貨として承認 ビットコイン以外では初
ステーブルコインでの展開
トロンは現在、世界のステーブルコイン供給量の約3分の1を占める主要プラットフォームとして確固たる地位を築いています。
特に、USDT(テザー)の流通量については、2021年4月以降イーサリアムに次ぐ規模を維持し、取引所間送金やDeFiサービスでの担保として広く利用されています。
独自開発のステーブルコインUSDDは、120%の過剰担保によって価値の安定性を確保し、現在約7.5億ドルの流通量を維持。さらに、2025年1月にはTRON DAOが26億ドルの準備金を活用した新たなステーブルコインUSDD 2.0を発表しています。
また、TRON-Peg USDコインの導入により、イーサリアムとトロン間でのUSDCのシームレスな転送を可能にし、クロスチェーン取引の効率化を実現しました。これにより、複数のブロックチェーン間での資産移動がより円滑になっています。
さらにSolana、Nervos、Celoなど複数のブロックチェーンと提携し、マルチチェーン戦略でエコシステムの拡大を推進しています。
トロンの将来性
トロンは複数の要因から将来性が期待できます。ここではトロンの将来性について、解説していきます。
政治的・戦略的展開
トロンは政治的な追い風と戦略的なパートナーシップにより、さらなる成長が期待されています。
2025年1月には、WLFIとの1.7億ドル規模の相互投資を実現し、米国市場でのプレゼンス向上を図っています。
関連:トランプ一族のWLFI、170億円規模の仮想通貨購入 トロンとの提携も強化
特にトランプ政権下での仮想通貨フレンドリーな規制環境の整備への期待が高まっており、これによる市場拡大の可能性が注目されています。
2024年の仮想通貨市場では、ビットコインETFの承認をはじめとする規制環境の整備が進み、機関投資家の参入も加速しています。
このような市場環境の変化は、こうした環境変化は、DeFi・ステーブルコイン・クロスチェーン技術に強みを持つトロンにとって、2025年の手数料ゼロ化など取引効率改善計画と相まって大きな成長機会を創出しています。
技術開発の継続
2025年のロードマップでは、画期的な技術革新が計画されています。
55億ドル規模の流動性を接続するBitcoinレイヤー2ソリューションの開発を中心に、アカウント抽象化によるスマートコントラクト機能の拡張を進めています。
さらに、将来の量子コンピュータ時代を見据えた量子耐性アルゴリズムの研究や、並列処理技術の導入によるスケーラビリティの向上にも注力しています。
これらの技術開発により、より安全で効率的なブロックチェーンプラットフォームの実現を目指しています。
エンターテインメント産業での成長
エンターテインメント分野での基盤を活かし、より広範なデジタルエコノミーの創出を目指しています。
特にDeFiとエンターテインメントの融合により、新しい形の収益モデルやユーザー体験の開発を進めています。
ゲーム開発分野では、2024年8月に90日間のネットワーク報酬でイーサリアムを上回る成果を達成し、プラットフォームとしての競争力を示しました。
さらに、HackaTRONシーズン6では65万ドルの開発助成金を提供し、次世代のエンターテインメントサービス開発を積極的に支援しています。
これらの取り組みを通じて、Web3時代における新しいエンターテインメント産業のスタンダードを確立することを目指しています。
トロンの取扱いのある取引所
仮想通貨を取引する場合は「取引所」での売買が一般的です。そこでトロンが対応している取引所について紹介します。
トロン取引所の特徴比較・早見表
取引所 | ポイント | アプリの特徴 | 取引所手数料 | 最低取引単位 | 入金手数料 | 出金手数料 | 出庫手数料 | 備考 |
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全暗号資産取引所中 取引量 国内No.1 |
アプリストア 国内No.1 | 無料 | 販売所:0.000001 TRX 取引所:0.0001 TRX |
無料 | 550円(3万円未満)/ 770円(3万円以上) |
3 TRX | ※21年2月14日 CoinMarketCap調べ | |
販売所・取引所 購入・売却 |
収益の分析機能があり 週単位や月単位で振り返り可 |
全通貨ペア 手数料無料 |
販売所:10 TRX 取引所:1 TRX かつ 2 JPY |
クイック入金:無料(ペイジー入金を除く) 振込入金/ペイジー入金/コンビニ入金:振込手数料お客様負担 |
330円(税込) | TRX 1 | ‐ | |
現物取引、貸して増やす つみたてでTRXを取り扱う |
資産推移チャート 資産内訳円グラフ提供 |
無料 | 販売所:0.000001TRX 取引所:0.01TRX |
無料 (振込手数料はお客様負担) |
月1回無料 (月2回目以降は330円/回) |
無料 | ‐ |
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