TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

【確定申告特集2】課税の対象となる利益はいつ発生する?損益発生のタイミングについて|Aerial Partners寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
※このページには広告・PRが含まれます

課税の対象となる利益はいつ発生する?損益発生のタイミングについて

ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の課税の対象となる利益はいつ発生するのか?という点について、Aerial Partnersの税理士が解説します。

導入

仮想通貨には税金がかかり、一定以上の利益が出た場合には確定申告が必要になることはよく知られていますが、様々な取引の種類がある仮想通貨投資において、タイミングで利益が発生するのかをしっかりと理解している人は少ないかと思います。

気づかないうちに多額の利益が出ていて、実は確定申告が必要だったといった事態にならないように、各取引における利益が発生するタイミング確認しておきましょう。

仮想通貨取引における損益発生のタイミング

仮想通貨取引は、通貨を買って売るといったシンプルなものから、通貨を貸し出すレンディングやマイニングなど様々な種類があります。

それぞれの取引によって利益・または損失(以下、「損益」と言います)が発生するタイミングが異なります。

これから代表的な取引において損益が発生するタイミングを解説していきます。

仮想通貨を売却した時

まずは、仮想通貨の売却時についてです。多くの方が理解していると思いますが、仮想通貨を売却したタイミングで課税対象となる損益が発生します。通貨の取得価額※と売却した時の価格との差額が損益額になります。

計算例)100万円で購入したBTC(ビットコイン)を120万円で売却

120万円(売却金額)ー100万円(購入金額)=20万円(利益額)

※取得価額:仮想通貨を取得するために要した金額(手数料なども含む)

仮想通貨同士の交換をした時

仮想通貨を日本円などの法定通貨に換金しなければ、課税はされないと勘違いしている方も多いのですが、国内取引所で購入したBTCを海外の取引所に送金して、BTCでアルトコインを購入するといった仮想通貨で別の仮想通貨を購入する際も損益が発生するので注意が必要です。

計算例)100万円で購入したBTCが150万円に値上がりした。そのタイミングで150万円分のアルトコインを購入した。

150万円(アルトコインの価格)ー100万円(BTCの購入金額)=50万円(利益額)

ボーナスなどで無償で仮想通貨を取得した時

仮想通貨取引所を利用していると、ログインボーナスや入金ボーナスなどで仮想通貨が付与されることがあります。こういった無償で仮想通貨を取得したタイミングでも損益が発生します。

ボーナスなど、無償で仮想通貨を入手した際は以下の2つの場合で扱いが異なります。

  • 入手した通貨に市場価値がついている場合(取引所に上場している通貨)
    入手した時点の時価が利益となり、その金額が取得価額となります。
  • 通貨に市場価値がついていない場合(未上場の通貨など)
    通貨に市場価値がついていないため、利益は発生しません。ただし、その通貨を売却した場合には、売却金額がそのまま利益額となります。

マイニングによって通貨を取得した時

マイニングでは、報酬として通貨を受け取った際に利益が発生します。マイニングの際にかかった費用は経費として計上されます。そのため、報酬として受け取った際の時価とマイニングにかかった経費との差額が損益額となります。

ステーキングによって通貨を取得した時

仮想通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、その対価として報酬を得るステーキングですが、こちらは、報酬として通貨を受け取った時点の時価が利益額となります。また、通貨を受け取った際の時価が取得価額となります。

ハードフォークによって新たな通貨を取得した時

ブロックチェーンの分岐によって新たな通貨が付与されるハードフォークですが、通貨を取得した時点では損益は発生しません。これは、誕生したばかりの仮想通貨には取引相場が存在していないためです。

その通貨の取得価額は0円となり、売却する際に損益が発生します。

レンディングによって報酬を受け取った時

仮想通貨を貸し出すことで報酬を受け取った時に、その時点での時価が利益額となります。

レンディングの報酬として受け取った仮想通貨の取得価額は、報酬を受け取った時点での時価となることが考えられます。

詐欺などに遭い仮想通貨を喪失した場合は損失にできる?

詐欺などで、仮想通貨を送金したものの、対価となる通貨などを受けることができなかったようなケースでは、失った通貨を損失として扱うことが難しいと考えられます。

これは、詐欺の被害は雑損控除※の対象にはならないためです。そのため、取引所などを介さない送金や相対取引などは詐欺に遭わないよう細心の注意払いましょう。

※雑損控除

自然災害や盗難、横領など、資産について損害を受けた場合には、損害の一部を所得から差し引ける制度です。詐欺による損害は対象外とされています。

保有している通貨が値上がりした場合は?

保有している仮想通貨が購入時よりも値上がりしている場合(含み益)でも、上で解説したように、売却などをせず保有しているだけならば損益は発生しません。

まとめ

今回解説した仮想通貨取引での損益の発生タイミングは、確定申告を行う上で重要な知識ですので少なくとも自身が行っている取引の損益発生タイミングは把握しておきましょう。

仮想通貨の損益計算をするためには

仮想通貨の損益が発生するタイミングは取引の種類によって異なるため、様々な種類の取引を行っている方は、損益計算がかなり複雑になります。Gtaxのような仮想通貨の損益計算サービスを使うと取引履歴をアップロードするだけで自動計算が可能になるので、興味のある方は活用してみてください。

寄稿者:藤村 大生

公認会計士・税理士

株式会社Aerial partners ビジネス開発部長

監査法人でデューデリジェンス、原価計算導入コンサルなどの業務を中心に従事。 また、証券会社の監査チームの主査として、分別管理に関する検証業務も行う。暗号資産事業者に対する経理支援を行っており、暗号資産会計・税務の知見に明るい。

企業情報

企業名:株式会社Aerial Partners

設立:2016年12月27日

代表者名:沼澤 健人

グループ会社:Aerial法律事務所/Atlas Accounting/税理士法人堀口会計

運営サービス:Gtax(ジータックス)、Guardian(ガーディアン)

事業概要:仮想通貨損益の自動計算ソフト『Gtax』、税理士紹介&仮想通貨取引の損益計算サービス『Guardian』などの開発

本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧