二つの施設をマラソンが運営へ
米ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Hut8は2日、テキサス州グランベリーとネブラスカ州カーニーの施設の運営管理を第2四半期(4~6月)に終了すると述べた。
北米のビットコイン(BTC)マイニング最大手マラソン・デジタル・ホールディングスがこれらの施設を受け継ぐことになる。マラソンは、契約解除料約20億円(約1,350万ドル)をHut8に支払うことに同意した。なお、マラソンの株価は前日比2.15%安となった。
マラソン社は、4月30日までにHut8に代わって施設の運営者となる予定で、それまでの間、Hut8は管理サービスの提供とセルフマイニング活動を継続する。Hut8のアッシャー・ジェヌート社長は次のように説明した。
今後数か月以内に、業務の移行が円滑に行われる予定であり、将来の計画について、可能な時に最新情報を提供していきたい。
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マイニング施設の背景
今回マラソンに引き継がれる二つの施設は、もともと2022年に破産申請したCompute Northが開発したものだ。同社の破綻後、金融業者ジェネレート・キャピタルに譲渡されていた。
さらに、米マイニング企業US Bitcoin Corp(USBTC)が2022年11月、2つの施設を5年間管理する権利を落札。Hut8は2023年、USBTCと合併してこの権利も継承していた形だ。
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Hut8の契約期間はまだ4年以上残っており、TheMinerMagによれば、二つの施設から月に約1.8億円(120万ドル)程度の収益が上がると見込まれていた。
一方で、マラソンは1月16日、ジェネレート・キャピタルとの間で、施設の所有権を約265億円(1億7,860万ドル)で購入する契約を締結した。しかし、Hut8の運営管理権は残っており、これを解除するためHut8に約20億円(約1,350万ドル)を支払うことになった格好だ。
マラソンのフレッド・ティール会長兼CEOは次のようにコメントした。
グランベリーとカーニーの拠点を自社で運営することで、これらの資産を所有することによる運営上・経済上の利点が明確になる。
テキサス州とネブラスカ州の新しい拠点での能力を強化し、運営上の専門知識を活用して、買収のメリットを最大限に実現させることが楽しみだ。
現在、今年4月から5月に予定されるビットコイン半減期を見越して、ビットコインマイニング企業は、運用コスト削減などの準備を進めている。このことが、マラソンの今回の動きの背景の一つとなっているとみられる。
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半減期とは
ビットコインなど仮想通貨のマイニング報酬(=新規発行量)が半分に減るタイミングを指す。仮想通貨にはインフレを防ぐために「発行上限」が定められているものが多く、一定周期で訪れる半減期の度に、新規発行量が半分に減る仕組みになっている。供給量が減ることで希少価値が大幅に上昇し、価格が高騰しやすくなるため、仮想通貨特有の注目イベントでもある。
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