はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン大暴落で数億ドルの「マージンコール」発生、大手仮想通貨ローン企業で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BTCローン:マージンコール大量発生

12〜13日に確認されたビットコインの歴史的な急落に伴い、仮想通貨(暗号資産)を担保とするローンでは、貸し手が借り手に追加の担保を要求すること(マージンコール)が発生。仮想通貨融資を行うジェネシス・キャピタルは、約40の顧客の資金プールから、1億ドルの担保を請求したことが、同社CEOの証言で明らかになった。

また、ジェネシスのライバル企業であるセルシアスやNexo、Blockfiでも、マージンコールが発生するなど、暴落の影響が多方で見られている。

セルシアスのCEOによると、同社は225機関に貸し付けており、常に4億ドルから6億ドルの融資額を保持している。

融資プラットフォームNexoでは、一部の顧客はローンを返済しているものの、Nexoがその担保を清算した顧客もいると、公式が明かした。

仮想通貨レンディングのBlockFiでは、ドル建ての貸出金の一部を清算してマージンコールを行ったという。

過去1年間で、仮想通貨の貸付は活発になっていた。保有する仮想通貨資産を貸し付けることで利回りを獲得しようとする投資家、手元の仮想通貨を売らずに現金を調達しようとするユーザーが利用。またマーケットメーカーも注文を迅速に処理するために仮想通貨を借りていた。

レンディングによって、仮想通貨の流動性や価格発見効果を改善し得るものの、現在のような金融危機の状況下ではシステム的なリスクを持つことも浮き彫りになった。

担保要件を変更する会社も

ジェネシス・キャピタルは、市場が落ち着くまで100%未満の担保付ローンを行わない予定と発表。

米最大手ブロックチェーンVCのDigital Currency Groupは、ビットコインで裏付けられたローンの担保要件を約105%から、110~120%に引き上げている。

もし相場のボラティリティが収まらない場合は、さらに引受基準が厳しくなり、担保要件は130〜150%の範囲まで上昇する可能性もあるとした。

MakerDAO、緊急シャットダウンも

さらに、分散型金融プロジェクトでもっとも利用されるMakerDAOは、イーサリアム価格の暴落によりシステムの対応が追い付かず、システム側は総額400万ドルの損失を被ったことが分かった。

MakerではユーザーはETHなどを担保として預け入れ、その代わりにステーブルコインのDaiを発行することができる。これはCDP(Collateral Debt Positions)と呼ばれるスマートコントラクトで行われる。

また、Daiの発行はデポジット資産がDaiの価値の150%以上になるように制限されており、下の図式が保たれるようになっている。

発行されたDai < 預けられたETHなどの資産

イーサリアムが急落して、担保資産による担保率(150%)を下回った場合には、システムの維持を行う「キーパー」が担保資産のETHを自動的にオークションで売却して清算する仕組みがある。

オークションの入札はDaiで支払われるため、システム側は代金として受け取ったDaiをバーン(焼却)することで、十分な担保(ETH)がある状態を維持することができる。また、オークションに出されるETHは割引価格になっているため、オークションに参加するインセンティブが生まれる。

今回の急落でも多くのCDPが担保率を下回り清算される状態になり、大量のETHがオークションに出された。

しかし、ETHのネットワークが混雑し、Gas代(手数料)が高騰、ETH自体の価格も異常なペースで下落していたため、高い手数料を払って、オークションで落札したETHも、受け取るころには更に価格が下落している可能性があり、オークションの参加者が少ない状態が生まれてしまった。

その結果、オークションに出されたETHは、手数料をケチらずにオークションに参加した人(MakerDAOのスレッドによると1人)により、0Dai、つまり無料で競り落とされた。

その結果として、400万ドル近くのETHが引き出され、MakerDAOにとっての損失が生じていた。グラフを見ると、Daiの発行額に対しての担保資産の比率が400%付近から250%前後へと急落していることが分かる。

出典:mkr.tools

参考:Coindesk

参考:MakerDAO

CoinPostの注目記事

ビットコイン大幅下落で一時停止したBitMEX、過去最大級19万BTCのロスカット発生
海外大手仮想通貨取引所GeminiとBitMEXは13日午前、ボラティリティ急増に伴うシステムの負荷上昇により、取引サービスが一時停止する事態に。過去最大級19万BTCのロスカット発生した。
仮想通貨ビットコイン過去4回の割安水準=CoinMetricsデータ
仮想通貨データ分析のCoin Metrics社が新レポート公表。独自指標「MVRV」で現在のビットコイン価格は割安と指摘している。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/18 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、企業のETH大量購入やアーサー・ヘイズのBTC100万ドル到達予測など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:49
UPCXが2025 Tokyo E-Prixスポンサーに 次世代決済とFanlinkの可能性を解説
UPCXが「2025 Tokyo E-Prix」のスポンサー契約を発表。世界標準決済を目指すブロックチェーンプラットフォーム「UPCX」と、ファン支援サービス「Fanlink」の特徴をCEO中野誠氏が解説した。秒間10万件の処理能力やグローバル展開の展望とは?
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネット株価1340円到達の可能性に高い関心
今週は、仮想通貨ビットコインの専門家アダム・バック氏によるメタプラネットの株価試算、資産運用会社によるイーサリアム価格急騰の要因分析、空売り投資家ジム・チェイノス氏の投資戦略に関するニュースが最も関心を集めた。
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
12:43
史上最高値を試すのは時間の問題か、米中貿易緩和も上値トライ失敗|bitbankアナリスト寄稿
米中関税115%引き下げ合意やインフレ指標下振れもビットコイン上値を抑える展開。アリゾナ州知事の暗号資産準備金法案への拒否権行使も影響。短期筋による損切り送金増加で売りをこなした可能性。史上最高値トライは時間の問題か。bitbank長谷川アナリストが週次相場分析を解説。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧