仮想通貨取引所間でスプレッド大幅拡大
仮想通貨データ分析企業CryptoCompareが、新たなレポートを発行。市場変動が起きた3月12日には、主要な仮想通貨取引所の間で価格にギャップが生じた(価格差)ことを報告した。
上の図はOKEx、コインベース、クラーケンなど大手取引所のチャートを比較したもの。通常、大手取引所間の取引では、流動性からアービットラージ取引が価格のサヤを埋める役目を果たしている(互いに値動きが同調)が、今回の市場暴落の際は、過去の事例で類を見ないレベルまで、スプレッドが大幅に拡大したという。
また、仮想通貨デリバティブ取引と現物取引の間に大きな価格差があったことも、高いボラティリティを引き起こす要因に。大口投資家(通称クジラ)からの大量注文が、市場全体の価格に影響を及ぼし、価格の大変動に繋がったという。
市場価格が急落する中、CryptoCompareが参照する投資家データの数値は大幅に増加。平均データ使用量は200%増となり、ピーク時には1秒あたり11000件の取引、1時間あたり600万件の取引が観測。投資家の関心自体も大幅な上昇が見られたようだ。
経済危機で、ビットコインの希少性高まるか
コロナウイルスによる経済危機の発生に伴い、ビットコインがより魅力的な資産になり得ると発表した。
コロナウイルスを受け、経済危機を懸念した株式市場の混乱は、ビットコイン市場にも波及。投資家がキャッシュなどの流動性を確保する目的も影響して、ビットコイン市場も売りが加速した。
CryptoCompareはレポートで、投資家は短期的なアプローチとして、金融資産ではなく現金に資金の行き先が向いたと指摘。金融市場の今後の展開次第では、新たな資産としてのビットコインに注目が集まると説明した。
現在のビットコインは、資産クラスとしての地位を確立しつつあるフェーズであり、金融不安が進展した場合は、「価値の保存」を含めた新たな金融資産としての関心を集める可能性があると論じた。
特に、各国政府が市場に資金を投入して金融緩和政策を行う中で、ビットコインの稀少性が高まる5月の半減期はチャンスになるとしている。