はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン履歴を捜査活用、国際連携で大規模詐欺サイト解体へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

英史上最大の詐欺作戦

英ロンドン警視庁は24日、同庁主導の「英国史上最大の詐欺掃討作戦」により、なりすまし詐欺サイト「iSpoof」の解体に成功したと発表した。

欧州刑事警察機構(ユーロポール)をはじめ、米連邦捜査局(FBI)など10カ国の法執行機関と連携し、サイトの主要管理者を含む142人が逮捕された。そのうち、英国内での逮捕者は100人以上に上るという。

ロンドン警視庁のサイバー犯罪課は、2021年6月にiSpoofの捜査を開始。同庁の経済犯罪課とともに、英国家犯罪対策庁(NCA)、ユーロポール、欧州司法機構(ユーロジャスト)、オランダ当局、FBIと共同で世界規模の秘密作戦を展開してきた。

オランダ警察のサイバー犯罪課が、銀行のヘルプデスク詐欺の捜査中に、アムステルダム近郊でiSpoofをホストしているサーバーを発見。これをきっかけに、ロンドンにiSpoofの運営者がいることが発覚し、ロンドン警視庁は徹底的な捜査を開始した。

さらに、サーバーに盗聴器を仕掛けたオランダ警察が、iSpoofの仕組みや利用者についての知見を深め、犯罪ネットワークの解明に結びついたようだ。

11月6日、ロンドン警視庁はiSpoofの運営者とみられる容疑者を逮捕。11月8日に米及びウクライナ当局によって、iSpoofのウェブサイトとサーバーが差し押さえられ、オフラインとなった。その後、英国内での逮捕が相次ぎ、オランダ、オーストラリア、フランス、アイルランドの法執行機関に他の容疑者の詳細が伝えられたという。

iSpoofとは

iSpoofは、サイトに登録し利用料を払うことで、ユーザーの電話番号を銀行や公的機関など信頼できる組織に偽装可能な「Spoofing(スプーフィング)サービス」を提供していた。

ユーロポールによると、なりすまし電話をかけるだけではなく、録音メッセージの送信やワンタイムパスワードの傍受も可能だったという。詐欺師はバークレイズやHSBC、ロイズなど主要銀行の代表者を装っていたと、ロンドン警視庁は指摘。英国内だけでも20万人が詐欺のターゲットにされたとみられる。

2022年8月までの12ヶ月間で、英国内では約350万件、世界では約1,000万件の詐欺電話がかけられたという。英当局によると、現時点での被害額は英国内で約72億円(4,300万ポンド)、世界規模の被害額は約168億円(1億ポンド)を超えると推定されている。

ビットコイン払いの履歴追跡

捜査の一助となったのは、iSpoofのサービスに対する支払いがビットコインで行われていたことだろう。英当局によると、サイトのサーバーに残された「情報の宝庫」である7,000万行のデータからビットコインを利用した記録を発見、追跡したという。

この事件の容疑者とみられる人数は5万9,000人と非常に多いため、ロンドン警視庁は差し当たって、英国在住で最低16,800円(100ポンド)相当のビットコインを支払ったユーザーに的を絞って捜査しているという。

ロンドン警視庁サイバー犯罪課のヘレン・ランス氏は、ウェブサイトを閉鎖し管理者を逮捕する代わりに、iSpoofのユーザーの追跡に力を入れていると述べ、iSpoofを犯罪に利用したユーザーに対し、以下のように警告した。

我々は君たちの詳細を入手しており、どこにいようとも、君たちを見つけるために、全力を尽くしている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
13:25
金融庁、仮想通貨ETFの導入に向けた税制改正──暗号資産取引の課税見直しと新たな可能性
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開した。暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられた。
11:10
KLab、ビットコインとゴールドを購入開始 「岐路に立つBTC」と分析
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールドの購入を開始。AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊も開始した。
10:05
ミームコイン市場は2025年に60%下落、「TRUMP」発行から始まった一年を振り返る
ミームコイン市場は2025年に60%下落した。トランプ氏による独自仮想通貨「TRUMP」発行や、ドージコインETF誕生など変化の激しかった一年を解説する。
09:10
イーサリアム、2026年の主要アップグレードで並列処理とプライバシー機能強化へ
仮想通貨イーサリアムが2026年に2つの大型アップグレードを計画している。Glamsterdamは並列処理とガスリミット拡大で性能向上を、Hegotaはプライバシー保護と検閲耐性の強化を目指す。
07:45
BNBチェーン、Fermiハードフォークを1月14日実施へ 
BNBチェーンが2026年1月14日にFermiハードフォークを実施する。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定だ。
07:00
プーチン大統領「米政府はザポリージャ原発でのマイニングに関心」
プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で仮想通貨のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べたことがわかった。今後の和平交渉に注目が集まる。
06:35
米政府、1月末に再び閉鎖の可能性浮上 仮想通貨市場構造法案の審議に影響も
米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上した。再び発生すれば1月に審議入りが予定されている最重要な仮想通貨市場構造法案の議決がさらに延期されてしまう。
06:05
アーサー・ヘイズ氏がDeFiトークン買い増し、3億円以上のLDOとPENDLE
著名投資家アーサー・ヘイズ氏が185万ドルのLDOトークンと97.3万ドル相当PENDLEトークンを追加購入した。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速。
05:50
バイナンス傘下トラストウォレットの10億円不正流出、CZ氏が全額補償を表明
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレットのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明した。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われている。
12/26 金曜日
18:02
Aave、ブランド資産移管案を否決 DAOガバナンスの課題浮き彫りに
Aaveのブランド資産移管提案が26日のSnapshot投票で否決。反対55%、棄権41%、賛成わずか3.5%。CoW Swap手数料問題が発端となった所有権紛争は、DeFiガバナンスの構造的課題を浮き彫りに。
18:00
仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家が徹底解説|Gtax寄稿
税制改正大綱で、暗号資産(仮想通貨)税制の大幅見直しが示されました。分離課税・3年間の繰越控除が導入される一方、対象となる「特定暗号資産」や取引形態には制限も。現物取引とデリバティブ取引の損益通算、ステーキング報酬の扱い、NFTの課税方式など、今後の制度設計を見据えて準備すべきことを公認会計士・税理士が詳しく解説します。
16:00
リトアニア、仮想通貨ライセンス義務化へ 申請低迷
リトアニア中央銀行が仮想通貨事業者にMiCAライセンス取得を義務化。2025年12月31日以降、無許可運営には罰金や最長4年の禁錮刑。370社以上が登録するも申請はわずか30社で全体の1割未満。同国はEU内でMiCAゲートウェイとしての地位確立を目指す。
15:05
仮想通貨投資への期待高まる、税制改正で約5割が投資拡大を検討=ビットバンク調査
ビットバンクが発表した2025年仮想通貨投資実態調査によると、2026年の市場期待として「税制改正」が34.3%で最多。税制が20%の申告分離課税に変更された場合、約5割が投資拡大意向を示した。知識不足が投資の障壁だが心理的ハードルは低下傾向。
14:01
ユニスワップ重大提案が圧倒的に可決 1億UNIバーンと手数料スイッチ起動へ
ユニスワップのUNIfication提案が賛成票1億2500万票超で可決。国庫から1億UNIをバーンし、プロトコル手数料を起動。取引量増加が供給減少に直結するデフレ型モデルへ転換。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧