USDCについて最新状況を報告
米ドル連動型ステーブルコインUSDCを発行する米サークル社(Circle)のジェレミー・アレールCEOは13日、USDCをめぐる最新状況を報告。USDCの準備金は100%安全であり、現在シリコンバレー銀行(SVB)に預けている現金については、BNYメロン銀行へ移管をする予定だと説明した。
Update thread on USDC
— Jeremy Allaire (@jerallaire) March 12, 2023
We were heartened to see the US government and financial regulators take crucial steps to mitigate risks extending from the fractional banking system.
100% of deposits from SVB are secure and will be available at banking open tomorrow.
この報告は、米国政府がSVBのすべての預金者が、その資金にアクセスできるようにする臨時介入を行うと発表したことを受けたものだ。アレールCEOは、SVBへの預金は100%安全で、13日の銀行営業開始時より利用できる予定だとしている。
サークル社によれば、SVBは、USDC準備金のうち現金保有分の約25%を管理する6つの銀行パートナーのうちの1つだ。サークル社は、9日に行った出金のための電信送金が未処理のままで、約4,400億円(33億ドル)がSVBに残されているとしていた。
この影響により、USDCは一時0.88ドル前後に下落し、米ドルとのディペッグを起こしていた。USDC価格は13日に急激に回復しており、記事執筆時現在は、0.99ドルまで戻している。
アレールCEOは、SVB経営破綻の影響で事業停止となったシグネチャーバンクの影響についても言及した。サークル社は、シグネチャーバンクのネットワークを通じたUSDCの発行と償還の処理はできなくなるため、BNYメロン銀行を通じた決済に依存することになるとしている。
また、早ければ数日中にも、自動でUSDC発行と償還を行う、新しいトランザクション・バンキング・パートナーと提携する予定だとも続けた。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
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USDC準備金の状況
サークル社は11日、公式ブログでUSDC準備金の状況を改めて報告している。
USDCは引き続き米ドルとの1対1の交換が可能であり、サークル社は堅牢な流動性と準備資産を構築していることから、大きな取引高を処理することができると説明した。
USDCは、現金と米国債による100%担保されており、具体的には77%の約4.3兆円(324億ドル)が償還期間3か月以内の米国債で、23%の約1.3兆円(97億ドル)が、SVBを含め様々な金融機関で保有する現金で担保されているとする。
米国債については、BNYメロンが保管し、流動性と資産運用はブラックロックが管理しているとした。現金については、BNYメロンに約7,200億円(54億ドル)を預け入れており、現在SVBに預けている約4,400億円(33億ドル)については、他の銀行パートナーに移管する手続きを開始したとしている。
また、清算されることが決まったシルバーゲート銀行へのエクスポージャーはゼロだとも付け加えた。
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識者の意見
ブロックチェーン専門家のアンディ・リャン氏は11日時点で、USDCの状況については安心材料があるとの見解を示していた。
具体的には、サークル社が準備金の約8割を流動性の高い商品で保有していることや、サークル社の内部留保や利息収入の存在、総資金から見るとSVBに対するエクスポージャーの割合が比較的小さいこと、コインベースとのパートナーシップなどを挙げて、リスクを乗り切れるだろうと分析していた。