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国際通貨基金(IMF)がステーブルコインに焦点、一貫した規制と監督の必要性強調 

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米銀行破綻がステーブルコインに波及

国際通貨基金(IMF)は11日に発表した世界金融安定報告書で、昨年来相次いだ複数の事業体の破綻に言及し、暗号資産(仮想通貨)分野における「包括的で一貫した規制と適切な監督」の必要性を強調した。

報告書では、米国のシリコンバレー銀行(SVB)の破綻が、ステーブルコインに及ぼした影響について取り上げている。

時価総額第2位のステーブルコインUSDCを運営するサークル社は3月、準備金総額の約8%に当たる33億ドルを、SVBに預金していたことを公表。流動性の欠如から、信用不安が広まり、USDCは基準値の1ドルを大幅に下回った。デペッグの発生により、USDCは取り付け騒ぎの様相を呈する事態に発展した。

関連:米サークル、シリコンバレー銀行で33億ドルのUSDC準備金の送金が保留状態に

この影響は、USDCを一部裏付けとするステーブルコインDAIにも波及。さらに投資家心理の悪化から、仮想通貨に関係の深いシグネチャー銀行の破綻にもつながった。

また、仮想通貨市場に特化していたシルバーゲート銀行の破綻にも言及。これらの相次ぐ銀行破綻は、昨年11月の大手取引所FTXの経営破綻ですでに痛手を受けていた仮想通貨市場の信頼性に、さらなる打撃を加える一因となったと、報告書は指摘した。

IMFはこの一連の出来事は、仮想通貨の実現性に疑問を深めるものであり、適切な規制の必要性を再確認させるものだと主張している。

規制の枠組み

IMFは、「準備金の保有、移転、交換、保管に関連する活動を含む、すべての重要な活動及び事業体」を規制の対象とすべきだと主張。複数の機能を提供する事業者は、さらなる健全性要件が課されるべきであり、またステーブルコインの発行者は、厳格な健全性要件に見合うことが求められると強調した。

また、仮想通貨はセクターや国境を超える性質を持っていることから、波及リスクを食い止めるためには、「堅牢で分かりやすく、世界的に一貫した仮想通貨規制」に支えられた強力な国際協力が不可欠であると述べた。

金融安定化リスクとステーブルコイン

IMFは3月、「暗号資産のマクロ金融への影響」と題したG20への報告書で、「裏付けのない暗号資産や信頼できる裏付けのないステーブルコイン」は金融安定化のリスクをもたらす可能性があると指摘していた。

また、特に銀行システムが脆弱な国においては、仮想通貨の普及(主にステーブルコイン)は銀行預金の仲介機能を排除する可能性があり、貯蓄が流用され信用仲介が弱体化するとことも考えられると主張している。

この報告書に先立ち、IMFの理事会は2月に、「通貨主権と安定性を守るため、仮想通貨に公式通貨や法定通貨としての地位を与えるべきではない」という見解を示している。

一方、理事会のメンバーは、仮想通貨の全面的な禁止は「第一の選択肢ではない」という点で合意しているとした。

関連:IMF、銀行に対する仮想通貨の影響を警告=G20報告書

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