CoinPostで今最も読まれています

OpenAIアルトマンCEO、米上院公聴会でAIに対する規制整備を要請 新たな監督機関の設置を提唱

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

高度なAIシステムのリスクに警鐘

ChatGPTの開発企業OpenAIの共同創業者でCEOのサム・アルトマン氏は16日、米上院司法委員会が開催したAIの監督と規制に関する公聴会で証言し、AI技術の潜在的な危険性に対する懸念を表明。政府による規制の必要性を強調した。

アルトマン氏は、AI産業が「世界に大きな害をもたらす可能性がある」と警鐘をならしており、政府と協力し、そのような状況を回避することに努めたいと述べた。

もし、この技術が誤った方向に向かった場合、かなり誤った方向に向かってしまうと考えており、その点については声を大にして言いたい。我々は、そのような事態が起きるのを防ぐためにも、政府と協力したい。

関連:イーロン・マスクやAI研究者、次世代AIモデル開発の一時停止を要請

「ますます強力になるモデル」のリスクを軽減するためには、政府による規制介入が重要になると主張。高度な能力を持つAIシステムの開発に対して、ライセンスの発行と取り消しの権限を持つ、新たな監督機関の設立を提唱した。また、新たなAIシステムが一般にリリースされる前には、明記された安全基準値を満たしているかどうか専門家による独立した監査が行われるべきだと述べた。

アルトマン氏は、ChatGPTなどの生成AIによって作成されたコンテンツが、来年の大統領選挙に影響することも懸念しており、何らかの規制を設けることが大事だと付け加えた。さらに、作品がAIの学習訓練に使用された場合のクリエーターに対する補償や、消費者がAI製品で損害を被った場合に開発企業を訴える権利について、同氏は認める意向を示した。

AIモデルの能力に応じた規制

一方、アルトマン氏はOpenAIモデルに及ばないレベルのAIの開発や研究に対しては、負担の重い規制要件を課すべきではないとの考えだ。

同氏は「能力の閾値」を定義することによって、特定の機能を実行するAIモデルを厳格な規制の対象とするよう提案。ライセンスの対象となる可能性のあるAIモデルとして、以下のような例を示した。

  • 説得、巧みな操作、人の行動や信念に影響を与えることができるAIモデル
  • 新しい生物学的薬剤の作成を助けるAIモデル

IBMの規制に対する考え

 

公聴会にはIBMのプライバシー・信頼部門役員のクリスティーナ・ モンゴメリー氏も証言した。プライバシー保護や政府による監視強化、第三者監査、AI規制導入の必要性についての議論の大半で証人の意見は一致したが、モンゴメリー氏は、新たな連邦機関の設置については、反対の立場を表明。IBMとしては、AIに関して「より精密な規制のアプローチの採用」を強く議会に求めるとして、次のように述べた。

これは、技術そのものを規制するのではなく、特定のユースケースにおけるAIの展開を監督するためのルールを確立することを意味する。

モンゴメリー氏はまず、議会がAIのリスクを明確に定義した上で、「異なるリスクには異なるルール」を適用することを求めている。そして、最も厳格なルールは「人や社会に対するリスクが最も大きいユースケース」に適用するべきだと主張。「選挙等に関する誤情報を流すAI」を展開している企業については、速やかにその責任を問うべきだと述べた。

AI開発は止められない

公聴会を開催したプライバシー・テクノロジー・法律小委員会のリチャード・ブルメンタール議長は、AIの発展を止めようとすることは不可能であるため、AIに対する規制が不可欠であることを強調した。

世界は待ってくれないし、世界の科学界は一時停止するつもりはない。前進している対戦相手がいるのに、砂の中に頭を突っ込んでいるのは答えではない。

関連:英国政府が安全なAIの開発を目指し、170億円を拠出

記事提供:THE BLOCK
THE BLOCKとは

Cryptoにおける”最初で最後の言葉”であること。
The BlockはCryptoにおける最高クオリティで最重要のシグナルをお届けします。日々、Website、Newsletter、Podcast、イベントを通じて、業界で最も影響力のある人々にリーチしています。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06/03 土曜日
17:00
サンドウィッチ攻撃とMEVとは?
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム基盤の分散型取引所ユニスワップなどで猛威を振るい手数料高騰の要因となっているMEV。サンドウィッチ攻撃など、分散型取引市場の脅威について詳しく解説する
14:00
Uniswapの手数料分配案、合意に至らず
分散型取引所(DEX)Uniswapで、一定以上の取引量を処理する流動性プールに対し、手数料収益の分配先を変更し、コミュニティ全体に還元するという提案についての投票が終了した。
13:00
米Marathon、採掘ビットコイン量が前月比77%増加
ナスダック上場の米仮想通貨マイニング企業マラソン・デジタル・ホールディングスは最新の事業報告を発表。5月のビットコイン生産量はOrdinalsの台頭も背景に増加した。
12:00
米下院議員ら、仮想通貨規制を明確化する法案を発表
米下院の共和党幹部らは、ビットコインなど仮想通貨の規制に関する法律草案を発表した。証券とコモディティの区別など、仮想通貨規制の明確化を図る法案となる。
10:50
米コインベースデリバティブ、機関投資家向けにビットコイン等の先物取引を提供
米国のコインベースデリバティブエクスチェンジは、仮想通貨ビットコインとイーサリアムの先物取引を機関投資家向けに提供する計画を発表した。CMEによれば、22年は仮想通貨の先物・オプション取引の約33%が米国外で行われていたが、2023年には35%に上昇する傾向にある。
10:05
イーサリアム仮想マシン「Kakarot」、資金調達を完了
仮想通貨イーサリアムの仮想マシンKakarotを開発するプロジェクトは、プレシードラウンドの資金調達を完了。ヴィタリック・ブテリン氏や、L2プロジェクトStarkWareらが出資した。
08:40
米債務上限停止法案が大統領署名へ 米国株続伸
本日のNYダウは+701ドルと大幅に続伸。ナスダックも+139.7高で取引を終えた。米債務上限問題は法案が上院で可決されたことや強い雇用統計が好感された模様だ。
06/02 金曜日
15:59
札幌開催のWeb3カンファレンス「B Dash Crypto」、ピッチコンテストの結果は
Web3特化型カンファレンス「B Dash Crypto」が札幌で開催された。ピッチイベント「Crypto Arena」で優勝に輝いたのは、高速ブロックチェーンAptosとSuiで分散型取引所(DEX)アグリケーターとして機能する「Umi Protocol」だ。
13:13
オリーブオイル生産業者、DeFiプラットフォームでステーブルコイン建債券を発行
オリーブオイル生産業者ラマ・オリーブオイルは、分散型金融プラットフォーム「Obligate」を利用して、オンチェーン債券を発行した。この社債は、ユーロ連動のステーブルコイン「 EUROe」建で発行された。
13:02
米Circle社、USDCのアービトラムサポートを発表
ステーブルコイン「USD Coin(USDC)」を発行する米Circle社は、アービトラムのサポートを開始することを発表した。アービトラム上でUSDCが直接発行されることにより、裏付け資産の確保が約束され、いつでも1対1で米ドルと交換可能になる。
12:25
メイカーダオ、米国債への追加投資を検討
分散型金融プロジェクトの「MakerDAO」は、米国債への投資として新たに1,780億円の配分を目指す提案書の投票を開始したと発表した。0~6ヶ月間の各種満期を持つ米国短期国債の購入に充てられる目論みである。
11:45
Sui、F1チーム「オラクル・レッドブル・レーシング」と提携
Sui Networkは、F1チーム「オラクル・レッドブル・レーシング」の公式ブロックチェーンパートナーとして複数年契約を締結した。ファンとチームを結び付ける体験を支援していく。
10:25
米FRB、シルバーゲート銀行の清算に同意
米FRBは、米シルバーゲート・キャピタルとシルバーゲート銀行に対して、自主清算に同意する命令書を発表した。シルバーゲート銀行と仮想通貨業界のつながりについても指摘した。
09:35
ナイキ、米ゲーム大手EAと協業へ
Nikeとデジタルエンターテインメント企業EAは、新しいパートナーシップを締結。Web3プラットフォーム.SWOOSHのユーザーらの体験をカスタマイズできるようにしたり、向上させたりしていくという。
08:45
香港企業、米ドルステーブルコインをローンチへ
香港拠点のカストディ企業First Digitalは、仮想通貨の米ドルステーブルコインFDUSDをローンチすることを発表。FDUSDは、BNBスマートチェーンを基盤にするという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧