CoinPostで今最も読まれています

米民主党議員、PayPalのステーブルコイン「PYUSD」に懸念の声

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

規制枠組みがない中でのローンチに懸念

米下院金融サービス委員会の民主党幹部であるマキシン・ウォーターズ議員は9日、PayPalが米ドル建てステーブルコインをローンチしたことを受けて懸念の声を上げた。

ウォーターズ議員は、次のように述べている。

ステーブルコインに対する規制、監視、執行のための連邦枠組みがまだ存在しない中で、PayPalが独自のステーブルコインを立ち上げることを選択したことを非常に懸念している。

PayPalは世界中で4億3,500万人の顧客を抱えており、これは、すべてのメガバンクのオンラインアカウントの合計を超える数だ。

PayPalの事業規模を考慮すると、消費者保護を保証し、金融安定性の懸念を軽減するには、ステーブルコインに対する連邦政府の監視と執行が不可欠である。

関連PayPalの新ステーブルコイン発行、業界の評価と今後の影響を分析

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

FRBに権限を付与する必要性を強調

ウォーターズ議員は、州政府などのレベルではなく連邦政府レベルでの規制が必要だと強調した。

「ステーブルコインは新しい形式の通貨の発行を意味する」ために、金融政策と通貨供給を管理している連邦準備制度が、中央銀行として役割を果たさなければならないとの認識を示した格好だ。

また、大統領の金融市場作業部会が、議会にステーブルコインの監視と規制のための法案を求めた際、取り付け騒ぎのリスク、機能不全があった場合に金融システムに波及するリスク、経済的な力がある場所に集中してしまうリスクを「連邦レベルで」監督する必要性を強調していたことにも言及した。

この部分は、現在審議されているステーブルコイン法案で民主党と共和党の意見が対立しているところでもある。

共和党のパトリック・マクヘンリー議員が提出したステーブルコイン法案では、州レベルの当局に委ねられる権限が大きすぎるとしてウォーターズ議員は異議を唱えている。

7月末に法案が金融委員会で審議された際にも、ウォーターズ議員は、州などの規制当局に「適格なステーブルコイン裏付け資産」とみなせる資産の範囲を広げる権限を与えてしまうと指摘していた。ステーブルコインの準備金要件を損なうと論じた形だ。

一方で、共和党からは「連邦準備制度理事会(FRB)はすでに手一杯」であり、ステーブルコインについての完全な権限を付与するべきではないとの意見が上がっている。

関連米下院議員、ステーブルコイン法案の重要性を強調 PayPal USDを受けて

今回、ウォーターズ議員は改めて次のように述べた。

共和党のステーブルコイン法案は、州政府のもとで発行されるPayPal USDのようなステーブルコインに承認を与えるものの、連邦準備制度が監督したり執行したりすることを妨げるものだ。

さらに、共和党の法案は中央銀行としてのFRBの役割を損ない、ステーブルコインが社会で広く採用された場合、インフレから経済を保護したり雇用最大化を支えたりすることが困難になる。

ウォーターズ議員は、現状では共和党によるステーブルコイン法案が実際に成立する可能性はなく、超党派での交渉を早く再開するべきだと続けた。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア