TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

Web3とは|次世代を担う非中央集権的インターネット環境のメリットを解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
※このページには広告・PRが含まれます

私たちの生活と切っても切り離せないツールであるインターネットが今、大きな転換期を迎えていることをご存じでしょうか。特定の企業が提供するプラットフォームに依存している現状から、管理者不在の分散型インターネットへと移行していくことで、あらゆる可能性が生まれています。

仮想通貨などの投資を考えていく上で、また将来の世界を予測するうえでも、Web3.0に関連する知識を得ることは非常に有益です。そこで本記事では、Web3.0という概念の解説から注目されているプロダクトなど、今後スタンダードになり得る基礎知識について紹介いたします。

目次
  1. 管理者不在の非中央集権型インターネット「Web3.0」
  2. 従来のインターネット「Web2.0」との違い|中央集権型から分散型へ
  3. Web3.0とブロックチェーン技術
  4. Web3.0に関する主要なプロダクトやユースケース

1. 管理者不在の非中央集権型インターネット「Web3.0」

まずはWeb3.0とは何か、概要から解説します。

1-1. Web3.0とは

Web3.0とは「ブロックチェーン技術を利用した次世代のインターネット環境、あるいは時代のことです。国や企業など特定の組織や機関が管理する「中央集権型」とは異なり、「非中央集権型(分散型)」であることが特徴です。

出典:経済産業省

ブロックチェーン、あるいは分散型台帳という技術革新により、個人情報などのデータを特定の管理者に依存することなく、ユーザー全員による共有記録で管理することが可能になりました。米国の“GAFA”などの巨大なプラットフォーマーが圧倒的なシェアを握るWeb2(ウェブツー)時代から脱却した、次世代インターネットとして注目を集めています。

この発明をきっかけにたくさんの技術やプロダクトが生まれ、そうした次世代のインターネット環境を総称してWeb3.0と呼称しています。

関連:岸田総理「Web3は日本の経済成長につながると確信」

1-2. 「Web3化」でインターネットはどう変わるのか

現在のインターネット環境は、特定の企業や個人が運営管理する、中央集権的な構造を持っています。たとえば、Facebook、Instagram、YouTubeなどのソーシャルメディアプラットフォームは、世界中で広く利用されており、多くの人々にとって便利なツールとなっています。

しかし、Web3化により現在の中央集権的な構造は大きく変わり、分散型のインターネット時代へと移行します。運営管理の構造が大きく変わることで、データやサービスはユーザー間で分散され、集中化によるリスクの回避が可能です。この変化により、ユーザーはコントロールと所有権を持つことができ、データのプライバシーとセキュリティ強化が実現されると考えられています。

2. 従来のインターネット「Web2.0」との違い|中央集権型から分散型へ

インターネットが世間一般に普及し始めたのが1990年代半ば頃。Web3.0を理解するためには、これまでのインターネットの進化を振り返ることが重要です。

2-1. 「Read」「Write」の時代から「Own」の時代へ

インターネットが普及し始めた当初は、特定の発信者からユーザーへ、情報が一方通行に流れる、Readの時代と呼ばれています。

この一方通行で行われていた情報通信を、双方向からの発信へと変化させたのが、Writeの時代とも呼ばれる、Web2.0の現在のインターネット環境です。

GAFAMに代表される巨大IT企業がプラットフォームを運営し、ブログ作成、動画のアップロード、ライブ配信など、今では誰もが手軽に情報を発信できるようになりました。

そして2023年時点では、Web2.0からWeb3.0への移行が進んでいます。2.0から大きく変化するのは「データや情報の管理方法」です。Web2.0までは、プラットフォームを運営する特定の管理者が存在しました。「X」であればX社、「YouTube」であればGoogle社などです。

後述する「ブロックチェーン技術」を駆使することで、特定の管理者を置かずに情報を管理し、契約の履行やデータの改ざん防止が可能になりました。Web3.0では、これまでに実現された「Read/Write」に加え、自分自身で情報や価値を所有する「ownの時代」へと変化していくのです。

2-2. 分散型インターネットが求められる理由

Web2.0までの中央集権型の管理体制では、情報や利益の寡占という問題がありました。事実、プラットフォームを提供しているGAFAMに代表されるIT企業は、広告費や手数料などで莫大な利益を上げています。

また管理者による情報発信の抑制についても、物議を醸す事件が過去に発生しています。例えば、2021年に当時のアメリカ大統領、ドナルド・トランプ氏のXアカウントが凍結されたことは世界中で大きなニュースになりました。

出典:BBCニュースJAPAN

2021年当時のニュースサイト。ツイッター社(現在のX社)が発表した凍結の理由は「暴力行為を扇動する恐れがある」というもの。企業が個人の言論の自由を奪うことについて、世界中で物議を醸す事件となりました。

分散型インターネットは、このような懸念点を解決するために発明されたといっても過言ではありません。

情報やデータのソースは参加する全員に共有され、特定の一部が掌握するということはありません。特定の企業への依存性もなくなるため、それぞれが自由に価値の交換をしたり個別に契約を結ぶことが可能です。

3.Web3.0とブロックチェーン技術

「ブロックチェーン」という技術なしにWeb3.0を語ることはできません。仮想通貨投資を始めるのならば、「スマートコントラクト」についても知っておきましょう。

3-1. ブロックチェーンとのシナジー

ブロックチェーンとは、情報を鎖のように繋いでいき、分散して記録・管理する技術です。

この技術はWeb3.0のインターネット構造では必須であり、分散された情報を記録する「台帳」の役割を果たします。

今までの情報管理は、特定の企業や政府など、運営元がまとめて扱っているのが主流でした。そうした体制下では、個々の情報はクローズドで管理され、運営元への依存度が高まるリスクがあります。

一方でブロックチェーンには、管理する運営元が必要ありません。参加しているユーザー全体に情報やデータが共有され、その情報は個々が分散して保存可能です。

分散型の情報管理は、複数の場所で同様のデータが共有されていることから、取引データの透明性が担保でき、改ざんや漏えいリスクに対するソリューションとしての一面もあります。

3-2. スマートコントラクト

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で自動的に契約が履行される仕組みのことを言います。この機能を実装する利点は、人的コストや手数料の削減が期待できる部分にあります。

従来の契約や取引では、仲介者である第三者が必要でした。この人的コストを解消するため、契約等に必要な段階をプログラム化し、事前に定められた定義に基づいた契約を自動的に実行することができます。

4. Web3.0に関する主要なプロダクトやユースケース

これまで紹介してきた通り、Web3.0とは「新時代のインターネット環境の概念」です。

実際にどのようなプロダクトやユースケースがあるのかについて、ご紹介しましょう。

4-1. DApps  

DApps(Decentralized Applicatoin:分散型アプリケーション)とは、分散型で運営されるアプリケーションのことを言います。必要な情報を分散的に管理するので、特定のプラットフォームに依存しません。

DeFiやDEX、GameFiなどがユースケースとして挙げられます。 

4-2. DAO

DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは、特定の管理者を置かずに組織された分散型の自立組織です。DAOには、以下のような特徴があります。

  • 中央管理者が不在でユーザー同士が管理し合う
  • 民主的な投票で意思決定をする
  • ブロックチェーン技術でソースを誰もが確認できるため、データの透明性が高い

投資を目的とした投資DAOや、暗号資産の運営を目的とするDAO、地域課題の解決を目指すDAOなど、目的や活動はその組織により様々です。

4-3. NFT

NFT(Non Fungible Token)とは“代替不可能なトークン”のことで、以下のような特徴を持ちます。

  • 所有権の履歴がブロックチェーンで管理される
  • ブロックチェーン技術を利用しているため、偽造が不可能
  • トークンとして売買が可能

Web2.0までの時代では、デジタルデータの所有権を証明することや、価値を保存することが困難でした。しかし、ブロックチェーンを活用したNFT技術によって「デジタルアート」や「SNSの投稿データ」「ゲーム内アイテム」といった電子データの「唯一性の証明」が可能になりました。

出典 OpenSea

NFTを売買できるマーケットプレイスとしては、「OpenSea」が有名です。NFTの中には、多くの著名人の間で売買されたものもあり、NFTの大衆化に大きく貢献しました。

4-4. DeFi

DeFi(Decentralized Finance:分散型金融) とは、ブロックチェーンを活用した金融サービスを指します。従来の銀行のように、中央集権的に管理する金融サービスをCeFi(セントラライズド)と言いますが、比較するとDeFiには以下のようなメリットがあります。

  • 中央管理者に依存しない
  • 従来型の金融サービスに比べて、手数料が比較的安い

DeFiの活用にも多くの種類があり、ユーザー同士のオーダーをマッチングしてくれる中央集権型取引所(CEX)や、流動性のあるトークンが預けられているプールから交換する分散型取引所(DEX)などがあります。

DEX(デックス)とは|時価総額230億ドル突破の分散型取引所について詳しく解説
ブロックチェーン技術により、中央集権型取引所の欠点を補う存在として期待されている仮想通貨DEX(分散型取引所)の特徴や注意点などを詳述する。

本記事は企業の出資による記事広告やアフィリエイト広告を含みます。CoinPostは掲載内容や製品の品質や性能を保証するものではありません。サービス利用やお問い合わせは、直接サービス提供会社へご連絡ください。CoinPostは、本記事の内容やそれを参考にした行動による損害や損失について、直接的・間接的な責任を負いません。ユーザーの皆さまが本稿に関連した行動をとる際には、ご自身で調査し、自己責任で行ってください。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧