「Lore」ポイント取得方法を探る
日本人起業家、渡辺創太氏が率いるAstar Network(ASTR)は3月初旬、イーサリアム経済圏における新たな拡張として、レイヤー2「Astar zkEVM」をローンチ。この新しいステップを祝し、プロダクトの体験を推奨しようと、「Yoki Origins」キャンペーンが開催されています。参加者はこのキャンペーンを通じて特別なNFTを獲得し、独自のNFTへと昇華させることができます。
参加者は専用ポータルを通じて「カプセルトイマシン」を回し、日本の妖怪をモチーフにした「Yoki」が入ったカプセルを手に入れます。これらのYokiを孵化させ、進化させる過程で必要となる「OMA(お守りモチーフのアイテム)」は、Astar zkEVM上で特定のタスクを完了することで獲得できます。
このキャンペーンは、Astar zkEVMの革新的な技術と卓越したユーザーエクスペリエンスを背景に展開されており、日本を代表する企業、プロジェクト、そして様々なクリエイター40社以上が参加しています。
また、「Yoki Origins」のアートディレクションは、ファイナルファンタジーやバイオハザードなどの有名作品のアートディレクションを務めた人物が担当。懐かしさを感じさせる日本の原風景をテーマに統一された美しいビジュアルで構成されています。
集めたYokiを成長させ、進化させたYoki(Upgraded Yoki)は、「Lore(ロア)」と呼ばれるポイント獲得の指標にも影響するとされます。具体的な用途は定かではありませんが、YokiやOMA、そしてLoreを無料で、できるだけ多く獲得できる状態に持っていくことが今回の目標です。
この記事では、”Yoki Origins”キャンペーンの準備、NFTやロアの獲得状況、体験して1週間の感想、および今後の展望についてお届けします。このキャンペーンを通じて、Astar zkEVMの世界を一緒に探索しましょう。
体験した主なプロセス
ステップ1:仮想通貨ウォレット(メタマスク)を用意
今回の挑戦に備えて、メタマスク(MetaMask)をセットアップしました。これは主にイーサリアム系(EVM)チェーンをサポートするウォレットで、トークンの保管、送付、交換が可能です。また、dAppsへのアクセス時にログインツールとしても使用します。Chromeブラウザ用の拡張機能として、またはモバイルアプリとしてダウンロードできます。
メタマスクの詳細な設定方法や注意点については、専門記事で詳しく説明されています。
関連:初心者でもわかる、仮想通貨ウォレット「MetaMask」の使い方
Astar ZK EVMに接続する方法
Astar ZK EVMに接続する方法は主に2つあります。一つ目は、専用エクスプローラーや関連プロダクトにある、Connectボタンを通じて、ウォレットを直接接続する方法です。
表示されたウォレットから、Metamaskを選択。
接続プロセスは、表示されたウォレットから「Metamask」を選択し、接続を許可することで、おおよそ3タップで完了します。直感的な操作でスムーズに進行できる設計となっています。
もう一つの方法は以下の手順に従うことです:
ネットワーク設定手順
これらのステップを完了することで、あなたのウォレットはAstar ZK EVMチェーンに接続され、準備完了です!
ステップ2:bitbankでETHを購入しメタマスクに出庫
イーサリアムはAstar zkEVMでの手数料(ガス代)支払いに必要です。ETHの送金にかかるガス代をできるだけ低く抑えるため、私はETHを移すネットワークに「レイヤー2(L2)」を利用しました。国内の仮想通貨取引所Bitbankでは、ETHを自己管理ウォレット(メタマスク)に送金する際、L2の一つ「Arbitrum One」を選択できます。出金手数料は0.00042 ETH(約240.38円:執筆時点)で、Ethereumメインネット(0.005 ETH)よりも格段に安価です。
Arbitrum Oneを利用することで、Ethereumメインネットと比較してETHの送金が安く、かつ速く完了します。欧米のトレーダーが活発な時間帯を避けることで、スムーズにブリッジが完了できます。
Arbitrum Oneを利用したETHの出金方法は次のような手順です。
①出金ページ「アドレス一覧」より、MetamaskのETHアドレスを追加。
②「ネットワーク」はArbitrumを選択し、「ラベル」には自身がわかるラベル名を入力。
③②で入力したラベル名の「アドレスを選択」し「引出数量」を入力して出金。
ステップ3:メタマスクでETHをAstar zkEVMへ移動する
現在、メタマスクにはETHがArbitrum Oneにありますが、これをAstar zkEVMに移動させる必要があります。このブリッジ作業には「Relay Link」という専用プロダクトを使用しました。
3月14日からは、「Layer Zero」技術を使用する著名なブリッジ「STARGATE」がAstar zkEVMをサポートし始めました。マルチチェーンに対応しており、海外の仮想通貨取引所からAstar zkEVMへの送金も可能で、非常に便利です。
これで準備は完了です。次は、「Yoki Origins」の世界を探索する旅に出かけます。
ステップ4:Astar zkEVMを探索してYokiを集める
「Yoki Origins」の冒険はここから始まります。プレイヤーは街中、都会の景観、または駅を巡りながら、「Yo Port」を見つけてカプセルを獲得し、「進化の泉」でカプセルを孵化させ、さらに、複数のYokiを融合させて彼らを成長させていくのが主な流れです。
Yokiとは
日本の「妖怪」にインスパイアされたAstarのオリジナルキャラクターです。グローバルのユーザーに日本文化を魅力的に伝えることができるようになっております。ユーザーはYokiのNFTを獲得していくことで、それぞれのキャラクターの生い立ちや背景を知ることができます。
Yokiにはカプセルから孵化した直後の「Base Yoki」と、複数体を融合した後に得られる「Upgraded Yoki」の2つのレベルが存在します。Base Yokiは合計で12種類存在し、1種類に付き3つのUpgraded Yokiに成長する可能性があります。すなわち、合計36種類のUpgraded Yokiが存在します。
Yo Portとは
「Yo Port」は、Yoki Originsに参加するプロジェクトがオリジナルNFTを提供するもので。ユーザーは自身が興味のあるプロジェクトのYoPortをウェブサイト上で見つけることができます。
ONIGIRIMANなど、人気のNFTアーティストも多数参加しており、各サイトにはそれぞれ独自のYo Portが設置されています。これらのYo Portを訪れ、タスクをこなすことで、無料でNFTをミント(発行)することが可能です。このタスクはプロジェクトのSNSアカウントフォローからオンチェーン上のタスクまで、プロジェクトごとによって多岐にわたります。
Yoki獲得・進化の手順
Yokiを孵化させたり、進化させるために必要な「OMA」は、指定のサイトにアクセスし、ウォレットを接続して「OMAアイコン」をクリックすることで、毎日最大5つまで取得できます。獲得したYokiはYoki帳で確認でき、また、NFTマーケットでも取り扱われています。OMAの消費には以下のルールがあります
OMAの消費ルール
ステップ5:参加プロジェクトのカプセルトイマシンをチェック
Yoki Originsキャンペーンには、JAL(日本航空)、JR九州、IPプロデュース企業のツインプラネット、カシオ計算機(4月中旬予定)など、国内大手企業がNFTを提供しています。Web3プロダクトからは、Quickswap(分散型取引所)、Rarible(NFTマーケット)などが参加しています。
一部のNFTは有料で提供されており、支払いは仮想通貨だけでなくクレジットカードにも対応しています。
例えば人気イラストレーターSashimi氏やOnigiriman氏のNFTは0.015ETHでミントでき、リワードとして3omaを獲得できます。
またXで21万人のフォロワーを持つ大人気のクリエイターUZNo氏のShark Collectionは0.002ETH (リワード1oma)、JR九州の有料NFTは0.003ETH(リワード1oma)でミント可能で、多様な人気クリエイターのNFTがランダムにフリーミントできるカプセルトイマシンも設置されています。
3月14日のホワイトデーには、著名画家でキャラクターデザイナーの天野喜孝氏が発信するファインアート「Candy Girl」1周年記念のNFTがフリーミントできました。
獲得したNFTは、Rarible・Dew・BluezなどのAstar zkEVMに対応しているNFTマーケットプレイス上で確認できます。
ステップ6:ポイント「Lore」獲得条件をクリア
最後に、Yoki Originsのもう一つの達成物である、使途不明のポイント「Lore」について、現時点で把握している獲得条件をまとめます。以下のアクションに対して、Loreが付与されます。
1. カプセル/Yokiの保有に対するLore付与。
2. ボーナスLore:主な対象条件
*実際のLore獲得状況は、執筆時点で公開されていません。
Loreに関する考察
Loreについては謎が多い。公式サイトでは「キャンペーン中に複数回とキャンペーン終了時に、リーダーボードの上位ランクのユーザーには限定リワードが提供されるかもしれない!」と示唆しています。
ポイントと聞いて、Web3に慣れたユーザーが連想するのは、エアドロップに代表される、追加のトークンインセンティブです。
Web3における「ポイント」制度とは
Web3におけるポイント制度は、プロダクト初期段階でのユーザーインタラクションを促進し、ユーザー獲得のインセンティブとして機能するマーケティング施策です。将来的なトークン生成イベント(TGE)へのエアドロップが期待されますが、報酬は保証されていません。この制度は、NFTトレーダーに取引量に応じたポイントでトークンを付与する仕組みを導入したBlurやそのL2「Blast」、Manta Networkなどによって広まりました。
2月21日、AstarとBitgetのコラボAMAにて、Astar Network側はYoki Originsについて「MantaであったりBlastクラスを目指して取り組んでいる」と発言
3月11日には、Astar NetworkのCOOであるShunP氏が、以下のようにXへ投稿しました。
Blast User エアドロップの仕組みは、Astar zkEVMがローンチキャンペーンとして実施するYoki Originsと極めて近い。
— ShunP / Astar Network (@shunp_w3) March 1, 2024
そこにクリエイティブや世界観があるかないか、くらいの違いで、本当に近い。(何がどう近いかは言及できないが) https://t.co/gUeEkQEyrR
そしてAstar Networkの創設者である渡辺創太氏も、Yoki Originsが単なるNFT取得イベントではないこと。さらなる展開が続くことを示唆しています。
Yoki Origin is not a simple NFT minting campaign. Some of activities follow.
— Sota Watanabe (@WatanabeSota) March 11, 2024
Yoki Originは単純なNFT mintキャンペーンではありません。アクティビティが続きます。
今後さらに、Astar zkEVM上で多くの企業やプロジェクトが展開予定。Yoki Origiは5月半ばあたりまで開催しています。
補足:Dappsへのウォレット接続の仕組みについて:
DApps(分散型アプリケーション)にメタマスクウォレットを接続する際、ウォレットはDAppsに対して主に以下のような許可を与えています:
1. アドレス情報の共有:DAppsは、ウォレットの公開アドレスを知ることができます。これにより、アプリケーションはユーザーのアカウントを識別し、トランザクション履歴や保有トークンのバランスなどを表示できるようになります。
2. トランザクションの発行:ウォレットはDAppsからのトランザクションリクエストを受け取り、それをブロックチェーンに送信することを許可します。ただし、実際にトランザクションが実行される前には、ユーザーがそれを承認する必要があります。
3. トークンの送受信:特定のDAppsでは、ユーザーのトークンを管理(送受信を含む)する機能があります。しかし、これらの操作もユーザーの承認が必要です。
4. スマートコントラクトとのインタラクション:DAppsは、スマートコントラクトと通信するためにウォレットを使用します。ユーザーはスマートコントラクトの機能を実行するためのトランザクションを承認することができます。
これらの許可により、DAppsはユーザーのウォレットと連携して様々なブロックチェーンベースの機能を実行できますが、重要なのはユーザーが各トランザクションや操作に対して最終的な承認権を持っていることです。
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