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アルトコイン不振で取り沙汰される3つの理由について、大手VC「Dragonfly Capital」がデータ検証

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

三つの理論を検証

暗号資産(仮想通貨)投資企業Dragonfly CapitalのパートナーであるHaseeb Qureshi氏は20日、過去数週間に渡りアルトコイン市場が不振な理由について検証する記事を発表した。

「なぜ供給量が少なく、FDV(完全希薄化評価額)の高いコインがそれほど下落しているのか」と題した記事で、 Qureshi氏は最もよく知られている以下の三つの理論について、データを使って誤りがあることを反証した。

  1. VC/インフルエンサーが個人投資家に投げ売りしている
  2. 個人投資家はこの動きに反発して、代わりにミームコインを購入している
  3. 意味ある価格発見のためには、供給量が少なすぎる

まず、個人投資家が、機関投資家やインフルエンサーによる大量売りの犠牲になっているという理論については、十分なデータに裏付けられていないと指摘した。

この理論を正とするとロックアップ期間が短いトークンほど、より大きな投げ売りが発生すると予想されるが、問題となっているアルトコインのパフォーマンスは4月初旬まで比較的安定しており、一部は上場直後の初値を上回っていた。

その後、さまざまなトークンで、ロックアップ期間に関係なく、均一的に価格の下落が発生した。

次に個人投資家が、アルトコインを見限ってミームコインを支持しているという理論については、ミームコイン取引のピークは3月に発生したのに対し、アルトコインの価値の下落は4月に始まったとQureshi氏は指摘。個人投資家がミームコインへ乗り換えたという理論は、そのタイミングから正しいとは言えないと述べた。

関連:バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析

トークンの供給量について

Qureshi氏はトークンの流通供給が少ないため、意味ある価格発見の妨げになっているとの理論は、最も常識的な見方だとしている。

しかし、対象となるアルトコインの供給量の平均は約13%だが、前回のサイクルの平均も13%であったことが判明したため、データからこの理論は成り立たないと同氏は述べた。

さらに、この理論が正しければ、供給量が低いトークンの価格は低下し、供給量の多いトークンは問題ないはずだが、いずれの価格も低迷しているため、相関関係は見られないと付け加えた。

Qureshi氏はアルトコインの低迷は、これらの理論では説明できないと結論づける一方で、実際の要因は、むしろ緊迫する中東情勢などマクロ経済情勢が暗号資産(仮想通貨)市場のセンチメントにも大きく影響したとの考えを示した。

解決策は

Qureshi氏は、「誤った」市場価格は時間とともに自然に修正されるとして、特段の解決策は「ない」と主張する。そして、アルトコインの今後については楽観的な見方を示した。

また、同氏は市場を健全にするために市場参加者がそれぞれの立場でできることを提案した。

例えば、VCの場合は、市場の声に耳を傾け、価格規律を示し、プロジェクト創設者に対しては、評価についてより現実的になるように奨励するよう呼びかけた。

取引所には、公開オークションを活用して、より低い初期価格でトークンを上場するようにアドバイスした。

さらにQureshi氏は、トークン開発チームに対し、トークン公開初日により多くのトークンを供給し、健全なエアドロップを用意すること。また、短期的なトークン価格の下落を心配するのではなく、チームが「誇りに思える優れた設計の構築をすることに集中し、発表し続けること」が重要だと述べた。

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