WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

web3関連企業が香港に戻り始めた背景は? 税制優遇や規制面などで優位性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

多くの企業と人材が戻る

7月1日に英国から中国への返還27年を迎える中、多くのテクノロジーおよび暗号資産(仮想通貨)企業が香港に戻ってきている。香港政府の積極的な仮想通貨政策や明確な規制の導入により、香港の仮想通貨市場に対する世界の投資家の信頼が高まったことが大きいと見られている。

香港政府は2022年10月、国際的な金融拠点として、イノベーションに積極的な仮想通貨関連企業を誘致していく姿勢を示した。ポール・チャン財務長官は、香港が地域の仮想通貨の中心地(ハブ)となることを目指していると強調し、香港政府は着実に規制整備を進めてきた経緯がある。

2023年6月より個人投資家にも仮想通貨取引を認め、仮想通貨サービスプロバイダーに対する厳格なライセンス制度を導入し、投資家保護の取り組みを行っている。また、今年3月にはステーブルコイン発行を計画する企業向けに、規制サンドボックスを開始した。

仮想通貨取引所OSLは数少ない当局の認可を受けた企業だが、同社のHu Zhenbang最高財務責任者は、香港の仮想通貨政策のメリットを実感している一人だ。

同氏によると、香港政府が仮想通貨に対する姿勢を明確にし、実際に法整備を進めることで、業界の信頼を大きく強めることに繋がり、香港の仮想通貨市場の将来性に大きな自信を感じられるようになったという。一部の仮想通貨関連企業は香港からシンガポールに拠点を移転した時期もあったが、過去1年でこのような企業の多くが香港に戻ってきていると指摘した。

有利な税制

香港の仮想通貨市場の発展に大きく寄与すると考えられる利点の一つに、香港の税制がある。香港で仮想通貨に投資する場合、資産価値の上昇に対し、税金が課せられない。

投資家にとって、投資収益率は考慮すべき非常に重要な事項であることから、海外の投資家を香港に惹きつける大きな要素となることは十分に考えられる。

「香港には仮想通貨市場の発展にとって大きな利点がある」とZhenbang氏は強調した。

規制と政府の取り組み

香港における取引所への監督は厳格なもので、規制当局である香港証券先物委員会(SFC)は登録申請期限の6月1日までに申請を完了していなかった取引所3社に警告を発した。

香港でライセンスを取得せずに取引所を運営することは違法であり、SFCの要請を受けた香港警察は、違反企業のウェブサイトとソーシャルメディアをブロックした。

しかし、仮想通貨企業が香港に拠点をおく利点は規制の緩さではなく、当局が仮想通貨活動に関する規制の明確化に努めており、企業との対話プロセスを重視している点にあるようだ。

ドバイに拠点を置くTON Foundationのスティーブ・ユン社長は、「香港は開発者や起業家が安心でき、才能を惹きつけるための包括的な枠組みを作ろうとしている」と評価。その点において、香港は他の仮想通貨ハブに対しても、大きな優位性を持つ可能性があると述べた。

香港特別行政区立法会は先月、香港におけるWeb3と仮想通貨の開発を促進するため、このトピックに特化した小委員会を設立。この取り組みは、業界の洞察に基づく政策策定によって、香港におけるWeb3及び仮想通貨の成長を促進し、香港を世界のWeb3ハブとして位置付けることを目指している。

関連:香港立法会、Web3と仮想通貨開発に関する小委員会を設立

資産のトークン化

香港は昨年2月、世界初の政府発行によるトークン型の環境債(グリーンボンド)を発行。さらに今年2月に第二回目の発行も行われ、合計68億香港ドル(約1,356億円)のグリーンボンドは世界から幅広い投資家が申し込み、大成功を収めた実績がある。

SFCは今後3年間の戦略的優先事項の一つとして、「テクノロジーを通じて金融市場を変革すること」を挙げ、トークン化を奨励している。トークン化の次の段階として、規模の拡大があるが、その中心となるのが、今年3月に香港金融管理局(HKMA)によって開始されたProject Ensemble(プロジェクト・アンサンブル)だ。

このプロジェクトは、ホールセール型CBDC(wCBDC)を通じて、トークン化されたマネーの円滑な銀行間決済を促進する金融市場インフラの探索を目指している。また、トークン化された現実資産(RWA)の決済などのユースケースをさらに研究・テストする予定だ。

関連:香港金融管理局、現実資産(RWA)トークン化のCBDCプロジェクト開始

世界的イベントの開催地として

さらに今年4月には、毎年香港で開催されるWeb3フェスティバルに5万人超もの参加者が集まり、米ヘッジファンド大手ARK Investのキャシー・ウッドCEOがビデオによるスピーチを行い、イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏も登壇した。

米仮想通貨メディアCoinDeskは、同社が主催する大型仮想通貨カンファレンス「Consensus」を、2025年2月に香港コンベンション・エキシビションセンターで開催すると発表。Web3の推進力であるアジア地域において、香港が戦略的に仮想通貨ハブとしての位置付けを行っていることを評価したという。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:49
コインベース、Coinbase Pro年末復活へ デリビット統合を完了
コインベースがデリビットの統合を完了し「Coinbase Global Exchange」を発足。米国と海外の仮想通貨デリバティブ市場を単一の流動性でつなぐ。2022年に終了した「Coinbase Pro」も年末に再始動する。
13:50
英国、初のデジタルネイティブ国債「DIGIT」を2027年Q1に発行へ
英国政府が初のデジタルネイティブ国債「DIGIT」のパイロット発行に向け、バークレイズやHSBCなど6社を共同主幹事に選定した。発行は2027年第1四半期、HSBCのOrion上で行われる。
13:50
AIエージェント時代のウォレットとは? 国内事業者3社が議論
au Coincheck Digital Assets、マイナウォレット、HashPortの3社がAI・オンチェーン金融サミットに登壇。ポイント交換や行政給付での手応え、100万円制限の課題、AIエージェント時代のウォレットの役割を語った。
12:10
ロシアのデジタル・ルーブル、導入1か月で22万件超の口座開設──予想を大幅に上回る
ロシア中銀は、9月1日に本格導入したCBDC「デジタル・ルーブル」の口座開設が1か月で22万超に達したと発表。当初見込みを大幅に上回る数字だ。
12:00
ソラナ財団、デジタル証券と代金の同時決済仕組みを公開──JPモルガン助言
ソラナ財団は6日、金融機関向けに証券と代金を同時に交換する不可分(アトミック)な決済プログラム「ソラナDvP」を公開した。JPモルガンが証券決済の要件を助言し、最終確定は数秒で済むという。
10:50
アプトスのアップグレード案「MonoMove」、最大55倍の実行速度向上を社内テストで確認
仮想通貨アプトスが新実行エンジン「MonoMove」を発表した。社内テストで担保引き出し処理が最大55倍に高速化。2027年にガバナンス投票を経てメインネット導入を計画する。
10:20
セキュリタイズ、韓国株トークン化を検討|LG CNSと覚書
トークン化プラットフォームのセキュリタイズは6日、韓国のIT企業LG CNSと覚書を通じて提携すると発表した。韓国とアジア太平洋地域で、トークン化資産、証券、ステーブルコインの機関向け活用事例を開発する。
10:01
ハイパーリキッド、本社はシンガポールでもMASは管轄外か=FT報道
シンガポール金融管理局(MAS)が分散型取引所ハイパーリキッドを規制管轄外とみなしているとFTが報じた。運営会社はシンガポールを拠点としていると認めており、FTが確認した企業書類でも登録上の本社はシンガポールとなっている。
09:45
グレースケールのHYPE現物ETF、リスク管理で保管先にビットゴー追加
グレースケールは9月30日、HYPE現物ETFの保管機関にビットゴー・バンク・アンド・トラストを追加する契約を結んだ。アンカレッジ・デジタルは主要保管機関のままで、5日時点の運用資産残高は約2.15億ドルだった。
09:32
ロビンフッドチェーン時価総額首位のPONSなど、コインベースが上場へ
コインベースは6日、ロビンフッドチェーンにあるPONSとWHUFを上場ロードマップに追加したと発表した。取引開始はマーケットメイクの支援と十分な技術インフラの整備が条件で、条件が整った段階で別途発表するとしている。
08:10
オンドが非公開企業への投資機会をトークン化、まずはAI企業の取引を提供へ
オンドは、非公開企業の経済的なパフォーマンスへのエクスポージャーをトークン化して取引できる新プラットフォームを発表。まずは、AI企業から取り扱いを開始する。
07:15
イーサリアム新構想、L1とL2のアトミック取引をメインネットで初実行
イーサリアム・エコノミック・ゾーンの貢献者が5日、レイヤー1のイーサリアムからレイヤー2への不可分な取引を初めて実行したと明らかにした。取引額は0.001ETHで、実装は初期段階にある。
06:50
ウィンクルボス、ジーキャッシュ現物ETFを申請
ウィンクルボス・アセット・サービシズは6日、仮想通貨ジーキャッシュを直接保有する現物ETFの上場に向け、米SECに登録届出書を提出した。運用コストは年0.25%で、ジェミニが保管を担う。
06:25
OKX、サークルやリップルら4社の戦略的投資が完了──投資前評価額約4兆円
仮想通貨取引所OKXが、サークルやリップルら4社による投資前評価額250億ドルの戦略的投資の完了を発表した。ICEが主導した3月のラウンドの延長で、成長と現実資産のトークン化の資本になる。
06:05
人気NFT発のイーサリアムL2『Abstract』、12月15日閉鎖へ──淘汰加速
消費者向け仮想通貨に特化したイーサリアムのレイヤー2、アブストラクト(Abstract)が12月15日にチェーンを閉鎖すると発表した。成長の停滞や流動性の薄さを理由に挙げており、ユーザーは閉鎖日までに資産を移す必要がある。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧