CoinPostで今最も読まれています

香港金融管理局、現実資産(RWA)トークン化のCBDCプロジェクト開始

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

香港が「Project Ensemble」立ち上げ

香港金融管理局(HKMA)は7日、香港のトークン化市場の発展を支援するための新しい中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトを開始したと発表した。

Project Ensemble(プロジェクト・アンサンブル)と名付けられており、ホールセール型CBDC(wCBDC)を通じて、トークン化されたマネーの円滑な銀行間決済を促進する金融市場インフラの探索を目指す。

一般的にホールセール型CBDCは銀行など金融機関の間での決済に用いられるタイプのCBDCである。

まず、商業銀行が発行し、一般の人々が利用できるようなトークン化預金に焦点を当てるとしている。wCBDCを基盤として、トークン化預金をトークン化資産の取引に使用できるようになる見込みだ。

さらにプロジェクトでは、特にトークン化された現実資産(RWA)の決済などのユースケースをさらに研究・テストする予定である。

RWAの例としては、グリーンボンド(環境問題の解決に取り組む事業の資金調達で発行される債権)、炭素クレジット、航空機、電気自動車の充電、電子船荷証券などを挙げた。

今回のwCBDCサンドボックスが業界から十分な関心を集めた場合、HKMAは適切な時期にwCBDCを「ライブ」で発行するとも述べた。CBDCを実運用で稼働させる可能性があると示唆した格好だ。

関連現実資産トークン化に投資家の関心が集まる理由、リアルワールドアセット(RWA)とは

RWAとは

「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。

▶️仮想通貨用語集

デジタル資産企業などとも連携

HKMAのエディ・ユエ総裁は、次のようにコメントした。

プロジェクト・アンサンブルでは、活気に満ちた金融業界に新たな刺激を与え、トークン化マネーやトークン化資産で最前線にある香港の地位をさらに強化する。

世界の人材や業界関係者が香港に来て、この非常にエキサイティングなトークン化の旅に参加することを歓迎する。

HKMAは、wCBDCについての業界標準や将来性のある戦略の設定を行うために、香港の地元銀行、多国籍銀行、デジタル資産業界の主要企業、テクノロジー企業、およびCBDCの専門家グループで構成されるコミュニティを立ち上げるとしている。

HKMAは2023年8月に、DLT(分散型台帳技術)を活用した資産トークン化に関する報告書を発表。債券市場の効率や透明性を高める可能性があると述べていた。

HKMAはすでに債権トークン化を実施している。2022年時点で立ち上げた「プロジェクト・エバーグリーン」で、2023年前半に8億香港ドル(約150億円)のトークン化されたグリーンボンドを発行した。

関連: 香港金融管理局、債券トークン化の利点を報告

関連: 香港初のビットコインETF上場申請、中国の老舗大手ファンド「HFM」

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/10 木曜日
15:00
ステーブルコイン需要、ラテンアメリカで急増=Chainalysis
チェイナリシスの最新レポートによると、ラテンアメリカでステーブルコインの需要が急増している。同地域においてステーブルコインは、自国通貨の価値下落への対策として、重要な金融ツールとなっている。
14:05
イーサリアム創設者ヴィタリック氏、ノーベル経済学賞候補に値する? 著名経済学者が評価
著名経済学者コーエン氏とタバロック氏が対談。イーサリアム共同創設者ヴィタリック氏がノーベル経済学賞に値すると評価。ビットコイン創設者サトシ・ナカモトについても言及。
13:15
Bitlayer Labs、13億円追加調達 ビットコイン基盤のレイヤー2ネットワーク開発を加速
ビットコインのレイヤー2ネットワークを開発するBitlayer LabsがシリーズAの延長ラウンドで900万ドルの資金調達に成功した。
10:45
ポリマーケット、8割以上のウォレットが利益を得られず
分散型予測市場ポリマーケットで約87%のウォレットが利益を得られなかったことが、LayerHubのデータで示されている。また、多くの利益を獲得できることが珍しいこともわかった。
10:10
ビットコイン下落幅緩和、需要の影響で市場は安定か=Glassnode
Glassnodeの最新レポートによるビットコイン市場分析。需要層により下落幅が緩和される一方、先物建玉の影響で価格変動のリスクも。
07:40
BTCが8万ドルに到達するための条件、Bitwiseが分析
仮想通貨ビットコインが2024年に8万ドルに到達するための条件をBitwise幹部が分析。今回、合計4つの条件を挙げている。
06:58
米VanEck新設の44億円ファンド、仮想通貨やAIセクター投資へ
ビットコインETFの発行企業である米投資企業VanEck傘下のVanEck Venturesは、フィンテック、デジタル資産、AI(人工知能)分野の革新的なスタートアップ企業に投資する3,000万ドル(44億円)の初期段階ファンドとして新たに立ち上げられた。
06:30
米当局、仮想通貨相場操縦で14人と企業を告発 ミームコイン市場にも関係か
米国ボストンの連邦検察は9日、仮想通貨における市場操作と見せかけの取引で金融サービス会社を刑事告発した初の事例として、4社と個人14人を起訴した。
06:10
アイルランド当局、5年前に押収した約600億円のビットコインにアクセスできず
アイルランドの犯罪資産局は未だ2019年に麻薬密売人から押収した仮想通貨ビットコインにアクセスできないことが明らかとなった。
10/09 水曜日
16:43
博報堂、OpenAI創設者関与のTools for Humanityと提携
博報堂がOpenAI創設者関与のWorldcoinの中核企業Tools for Humanityと提携。AI時代の個人認証システム「World ID」の日本展開を加速。虹彩スキャンによる認証技術で、AIと人間の共存社会実現を目指す。
15:00
HBOのサトシ・ナカモト推測に批判の声 証拠・調査不足を指摘
ビットコイン発明者サトシ・ナカモトの正体に迫るドキュメンタリーが公開。ある人物をサトシだと推定したが、本人は否定している。
12:59
ブラックロック「仮想通貨の普及速度はインターネットや携帯電話を凌駕している」
ブラックロックのテーマ別投資幹部が仮想通貨の普及は過去の主要技術より迅速に進んでいると指摘。経済のデジタル化、公的機関への不信、人口動態の変化、インフラの成熟を要因として挙げた。
12:15
Crypto.com、米SECを提訴 ルール策定が非合法だと批判
仮想通貨取引所Crypto.comがSECを提訴した。トークンの証券性判断における恣意性と越権行為を批判し、明確なルール策定を要求している。
10:55
金融庁、アンホステッド・ウォレット向けサービス事業者を暗号資産交換業から除外
金融庁がアンホステッド・ウォレット関連サービスを暗号資産交換業から除外した。グレーゾーン解消制度の初適用事例としても注目される。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア