*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
クリプト市場マーケットレポート(1/14日AM7時執筆)
暗号資産市場はボラティリティが激しい展開となった。
ロシア政府のビットコイン売却の報道や、米長期金利が一時的に4.89%に達し、2023年11月以来の高水準を記録したことが売り圧力を強め、ビットコイン価格は一時9万ドルを割り込む場面が見られた。
しかしながら、トランプ政権が就任初日にビットコインに関する大統領令に署名する計画が報じられたことで、ビットコインは下落幅を急速に回復し、ほぼ全戻しの展開となった。
1月13〜14日相場状況
ビットコイン市場において成行売買の動向をみるとデリバティブ市場中心の動きであった。
価格が9万ドル付近までデリバティブ市場を中心に売り込まれたことが確認できる。しかし、大統領令に関する報道が市場に伝わった後、同じくデリバティブ市場を中心に買戻しが進み、価格は急速に持ち直した(下画像黄枠)。
一方で、オーダーブックの状況を確認すると、ビットコインが一時的に9万ドルを割り込んだ影響により、全体的に上値および下値のサポートラインが薄くなっていることが分かる。この状態は、短期的なボラティリティの拡大を引き起こしやすく、今後の市場動向には一層の注意が必要である。(下画像赤枠)
現状分析(1/14日AM7時)
米長期金利は依然として上昇傾向にあり、これがビットコイン市場に対する逆風として働いている。
その結果、ビットコインは直近7日間で下落基調を維持しており、この動きは2018年1月から2月にかけての調整局面と類似している。したがって、今後も金利動向には細心の注意が必要である。
一方、米国政界においては、シンシア・ルミス上院議員らが提案するビットコインの戦略的備蓄案が注目を集めている。この案がトランプ大統領政権下で迅速に実施されるかどうかが、今後の市場展開に大きな影響を与える可能性が高いと見られる。
特に、米政府によるビットコインの保有が現実のものとなれば、市場心理に好影響を与えるとともに、長期的な価格安定化にも寄与する可能性がある。
今後の重要な日程
・1/15日 米消費者物価指数(CPI) 12月
・1/16日 米小売売上高 12月
・1/20日 トランプ大統領就任式
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