
DeFiやRWAなどを支援
米リップル社は9日、日本国内のWeb3スタートアップ支援を目的に、起業家支援プログラム「Web3 Salon」との提携を発表した。Web3 Salonは、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)の支援を受け、Asia Web3 Alliance Japanが主導する取り組みである。
今回の連携を通じて、リップルは今後1年間で、XRP Ledger(XRPL)上に構築される日本発のWeb3プロジェクトに対し、1件あたり最大20万ドル(約3,100万円)の助成金を提供する予定だ。
助成の対象となるのは、分散型金融(DeFi)、現実資産のトークン化(RWA)、デジタル決済などの分野に取り組む初期段階のスタートアップである。選考は、技術的完成度、成長性、リップルの戦略との整合性などをもとにリップルが実施する。
資金提供に加え、選出されたスタートアップはリップルのグローバルパートナーや専門家ネットワークへのアクセスも可能となる。詳細や応募条件については、XRPL Grantsの公式ページで案内されている。
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2026年3月まで計4回のイベントを予定
Web3 Salonとリップル社の提携は、日本におけるブロックチェーン技術とデジタル資産の普及を後押しすることを目的としている。日本は、規制の明確性と技術力に優れる一方で、新興スタートアップにとっては制度的な参入障壁が存在することも事実だ。
リップルが資金支援および国際的なネットワーク接続を担う一方で、Web3 Salonは事業戦略の洗練や規制対応支援、投資家とのマッチングなど、起業家支援に特化した活動を担う。両者は連携を通じて、日本市場におけるWeb3起業のハードルを引き下げ、国内外のスタートアップがより円滑に活動できる環境の構築を目指す。
RippleXのディベロッパーグロース部門シニアディレクター、クリスティーナ・チャン氏は次のように述べている。
日本のスタートアップ・エコシステムは非常に活発で、成長余地も大きい。今回の連携により、リップルとしてもイノベーションを後押しし、次世代のリーダー育成に貢献していきたい。
今回の支援は、XRPL日本・韓国基金(XRPL Japan and Korea Fund)の一環で、リップルが展開する総額10億XRP規模のエコシステム支援プログラムに含まれるという。
リップルとWeb3 Salonは、今回の取り組みを通じて2026年3月までに合計4回の主要イベントを共催する。これらのイベントでは、有望なスタートアップのピッチ、国内外の有識者によるパネルディスカッション、投資家とのネットワーキング、トークン化や規制、越境展開に関するワークショップなどが予定されている。