マルチシグ依存は焦点
ソラナの共同創業者アナトリー・ヤコヴェンコ(Anatoly Yakovenko)氏は27日、X(旧Twitter)上で「L2の約束と現実は一致していない」と主張した。
同氏は、完全なL2に必要なコードベースの複雑性と攻撃面が非常に大きいため、バグフリー、高性能、機能完全性を同時に保証することは不可能だと指摘。その結果、現在L2はアップグレード用のマルチシグ(複数署名)を保持しており、「これによりセキュリティ保証が無効化されている」と述べた。ヤコヴェンコ氏は、L2はクロスチェーンブリッジのWormholeとまったく同じ高いリスクを抱えていると結論づけた。
Wormholeは、複数のブロックチェーン間で資産を転送できるクロスチェーンブリッジプロトコルで、マルチシグメカニズムで資産を管理している。2022年2月、Wormholeはスマートコントラクトの脆弱性を突かれ、約3億2,000万ドル相当が窃取される事件が発生した。ヤコヴェンコ氏が指摘するのは、まさにこのような中央集権的な管理構造に内在するリスクである。
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その前、イーサリアム(ETH)の共同創業者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は26日、「51%攻撃であっても無効なブロックを有効にすることはできず、ユーザーの資産を盗むことはできない」と主張。L2はイーサリアムのレイヤー1からファイナリティ保証を継承しており、堅牢なセキュリティを維持できるとの見解を示していた。
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また、一部では、イーサリアムは100万以上のバリデーターをサポートしており、ソラナの約2,000を大きく上回るため、複雑なガバナンス構造が安全性を高めているとの見方もある。
しかし、ヤコヴェンコ氏は、L2のマルチシグ構造に内在するリスクを指摘した。
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論争の背景
レイヤー2(L2)とは、イーサリアムのメインネット(L1)の外部でトランザクションを処理し、その結果をメインネットに記録することで、取引速度を向上させコストを削減するスケーリングソリューションである。
この論争が注目を集める理由は、L2エコシステムに巨額の資産が集中しているためだ。データによると、10月時点でイーサリアムレイヤー2の総ロック価値(TVL)は現在478億8000万ドル(約7兆1,820億円)に達している。
ヤコヴェンコ氏は、数百億ドル規模の資産を抱えるL2のセキュリティに関する根本的な問題を提起しており、この議論は今後のブロックチェーン業界の発展に大きな影響を与える重要な論点とされる。
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