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アニモカ・ブランズYat Siuが語る「Web4」の世界、何百億ものAIエージェントが動くインターネットの未来|Tech For Impact Summit 2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2026年4月26日、東京・紀尾井カンファレンスで国際カンファレンス「Tech For Impact Summit 2026(T4IS)」が開催された。AIエージェントが社会に浸透しつつあるいま、次世代インターネット「Web4」はどこへ向かうのか。

プログラムの一つ「Web4 Fireside Chat」は、ブロックチェーン・AI業界のキーパーソンが対談形式でざっくばらんに本音を語り合うセッションだ。本稿では、アニモカ・ブランズ共同創業者のYat Siuと新興技術を専門とするインタータンジブルのCSO及びCoinPost戦略アドバイザーのUna Softageによる対談内容をレポートする。

自律エージェントが変えるインターネットの未来

アニモカ・ブランズ共同創業者のYat Siu CEOが登壇し、AIエージェントが牽引する次世代インターネット「Web4」の概念と、それが社会にもたらす変化について語った。

Siuはまず、ブロックチェーンの本質を「機械のための分散型台帳」と位置づけた。文明の起源においてシュメール人が土地の所有権を証明するために楔形文字を発明したように、ブロックチェーンはAIエージェントが所有権・信頼・真正性を証明するためのインフラだという。Web3が「デジタル所有権の時代」だったとすれば、Web4はその基盤の上にエージェントが自律的に動き回る「エージェントの時代」と定義する。

この勢いで企業や個人がAIおよびAIエージェントの業務への導入を指数関数的に加速させていけば、将来的には何百億ものAIエージェントが世界中で日常タスクをこなすようになり、今日のウェブ構造そのものが根底から変わる可能性がある。

すでに大手メディアサイトのトラフィックが平均80%減少しているという現状は、その変化の序章にすぎないという。無数のエージェントが取引・活動を行う世界では、「誰が生成したか」「本物かどうか」を証明することが極めて重要になる。個々に割り当てられたソウルバウンドNFTをはじめとするオンチェーンの真正性証明こそが、Web4時代の信頼インフラになるとSiuは強調した。

ソフトウェアはインスタグラムと同じ道を歩む

しかしそれでも、AIによる雇用消失への懸念に対し、Siuは楽観的な見方を崩さなかった。プログラミングはかつての写真撮影と同様に、一部の専門家だけのものからすべての人のものへと変わる。AIのサポートにより誰もがコードを書けるようになれば、アイデアと創造性こそが競争優位の源泉になる。

一方でMetaやMicrosoftの大規模レイオフにも言及し、産業革命後の一時的な混乱と重ねながらも、その先には機会の爆発があるとも語った。解雇された人々は次世代の起業家・SMEの担い手となり、以前は一社が担っていた大規模ソフトウェアは、個人がカスタマイズした小規模なものに取って代わられていく。

世の中にAIが生成したコンテンツが溢れるほど、人間から発信された「本物であること」の価値は高まり、それを証明するブロックチェーンの役割はさらに増すという。

日本への期待

日本の強みについて、Siuは意外な切り口から論じた。ChatGPTやClaudeに代表されるLLM(大規模言語モデル)の開発競争は、AnthropicなどのAI企業に任せておけばいい。日本が注目すべきは、複数のAIエージェントを束ねて動かす「オーケストレーション(指揮・統括)層」の設計だという。

この点で、日本企業が長年培ってきたカイゼン文化や緻密な工程管理のノウハウは、そのままエージェント管理に応用できると指摘した。カイゼンとは、現場の作業者を中心に、日常業務のなかからムダ・ムリ・ムラを排除し、生産性と品質を継続的に高めていく考え方だ。「人間をロボットのように精緻に動かすことを前提としてきたカイゼンの発想は、本物のロボットであるエージェントにこそ本領を発揮する」──そう言えるかもしれない。

コンテンツ面でも、アニメ・漫画・ゲームを通じて世界中にファンを持つ日本の強力なIP(知的財産権)や、仮想キャラクターを自然に受け入れる文化的な土壌は、AIエージェントが人格を持って活動するWeb4時代に大きなアドバンテージになると語った。

最後に、個人が今すぐできる準備としてSiuが勧めたのは、AIエージェントに「名前と人格を与えること」だ。

カレンダーやアシスタントといったツール名で呼ぶのではなく、同僚のように接することで、この技術が単なる便利ツールを超えた存在であることが実感できるという。「インターネットが登場した30年前、誰もがそれをただの取引ツールだと思っていた。いまがあの時と同じ転換点だ」。Siuはそう言葉を結んだ。

Tech For Impact Summitとは

「Tech For Impact Summit(T4IS)」は、ソーシャス株式会社が主催する「テクノロジー×社会課題解決」をテーマにしたアジア有数の国際カンファレンス。投資家・起業家・政策立案者・研究者・メディアなど多様なセクターの国際リーダー約3,000名が一堂に会する、ダボス会議型のハイレベルな対話型サミットと位置づけられている。

2025年・2026年と継続開催され、「Tech x SDGs」「Tech for Good」を掲げたアジア最大級規模のテック&インパクトイベントとして定着しつつある。気候変動・格差・持続可能な社会といった地球規模の課題に対し、AI・ブロックチェーン・核融合・量子コンピューティングなど先端技術をどう社会実装するかを議論する場である。

従来型のCSRを超えた「持続可能な資本主義」を掲げ、ビジネス・政策・テクノロジーの境界を越えた協働を促進することを狙いとしている。2026年の開催はオフライン会場とオンライン配信のハイブリッド形式で実施された。

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