- 提携4分野にRWAトークン化とステーブルコイン決済が含まれる
- ソラナ財団も別途覚書を締結し、イノベーション・ゾーン構築を支援
Web3エコシステムの構築へ
米ナスダック上場のデジタル資産トレジャリー(DAT)企業ソラナ・カンパニー(Solana Company)は6月30日、カザフスタンの新たな計画都市「アラタウ市(Alatau City)」と、デジタル資産インフラおよびブロックチェーンの普及を推進するための覚書(MoU)を締結したと発表した。
覚書は、2026年6月に中国・深圳および香港で開催されたアラタウ市投資誘致ロードショー期間中に締結された。このイベントにはカザフスタン政府機関をはじめ、国際投資ファンド、金融機関、テクノロジー企業などが参加。製造業、エネルギー、物流、ハイテク、デジタル経済分野などで複数の協力協定が締結され、アラタウ市の開発プロジェクト全体に対する投資規模は約60億ドル(約9,765億円)に上る見込みだ。
今回の提携は、アラタウ市がデジタル資産、フィンテックおよびブロックチェーン分野における中央アジアの国際的拠点へと発展することを支援するもので、以下の4つの分野に重点を置く。
- デジタル資産の財務管理
- ブロックチェーン・インフラの構築
- 機関投資家へのブロックチェーン導入加速
- プラットフォームの開発
これらの分野で、機関向けブロックチェーンインフラ、デジタル資産教育プログラム、ステーブルコイン決済、および現実資産(RWA)のトークン化に関する取り組みを共同で進めていく。
ソラナ・カンパニーは、デジタル資産財務管理における専門知見、高性能ブロックチェーン・インフラネットワーク、デジタル資産アドバイザリー能力、コンプライアンスに準拠した運用プラットフォームを提供する。
アラタウ市は、デジタル経済と実物経済が共存するWeb3経済圏の構築を目指し、「Tokenization by Default(デフォルトでのトークン化)」を戦略的原則に掲げている。行政当局の最高経営責任者(CEO)であるアリシャー・アブディカディロフ(Alisher Abdykadyrov)氏は、ソラナ・カンパニーの参画により、同ビジョンの実現を推進できるとの期待を示した。
ソラナとのつながり
アラタウ市はソラナ財団とも覚書を締結した。ソラナ財団は、同市のイノベーション・ゾーン構築の戦略的パートナーとなり、デジタルインフラの整備、アーリーステージのテクノロジー企業の育成、ブロックチェーン開発を担う現地人材の教育という3分野で都市開発を支援する。
近年、ソラナとカザフスタンの連携が深まっている。2025年6月、ソラナ財団は同国のデジタル開発・イノベーション・航空宇宙産業省(MDAI)と覚書を締結し、中央アジア初となる「ソラナ経済特区カザフスタン(SEZ KZ)」の設立を発表した。
同年9月には、カザフスタン国立銀行がソラナブロックチェーン上で、同国初となるテンゲ(法定通貨:KZT)連動ステーブルコイン「KZTE」の発行を開始した。このプロジェクトは、規制サンドボックスの枠組みを活用した実証事業として進められている。
また同月、アスタナ国際取引所(AIX)でフォンテ・キャピタル(Fonte Capital)が、世界初のステーキング機能を備えたソラナ現物ETFを上場した。
2025年12月には、ソラナ財団とカザフスタン証券取引所(KASE)がデジタル資産分野での協力に関する覚書を締結。この提携は、KASEがカザフスタン初のデジタル資産プラットフォーム運営事業者として登録される後押しとなり、同登録は2026年半ばに発効した。
そして2026年6月19日、KASEが中央アジアで初めて、米ボラティリティ・シェアーズ(Volatility Shares)のソラナETF(SOLZ_KZ)と、ブラックロックのiSharesイーサリアム・トラストETF(ETHA_KZ)の取扱いを開始した。
関連記事:カザフ中銀、ソラナで自国通貨連動ステーブルコイン発行
カザフスタン中央銀行がマスターカードやユーラシアン銀行と連携し、ソラナブロックチェーン上で法定通貨「テンゲ」連動ステーブルコインKZTEのパイロット事業を開始した。
アラタウ市とカザフスタン
アラタウ市は、カザフスタンのトカエフ大統領が推進する国家戦略プロジェクトとして開発が進む次世代都市で、中央アジアにおける国際的なテクノロジー、イノベーション、デジタル金融のハブを目指している。
同市の行政運営と開発を担う「アラタウ市行政当局」は、カザフスタン共和国憲法法に基づいて設立された特別行政機関で、都市開発を一元的に推進する権限を有している。
地理的には、欧州と中国を結ぶ「西欧―西中国」輸送回廊へと接続するアルマトイ―コナエフ高速道路沿いに位置する。総面積は約8万8,000ヘクタールと、シンガポールやソウルに匹敵する規模を誇り、4つの専門地区(ゾーン)で構成される。将来的には、約200万人の居住人口の受け入れと、100万人の雇用創出を目標に掲げている。
カザフスタンは、2021年の中国によるマイニング禁止を機に、世界有数のビットコインマイニングハブとして台頭し、ピーク時(2021年10月)には世界のビットコインマイニングハッシュレートの18%を占めた。こうした経緯もあり、同国は仮想通貨に対しては比較的友好的な環境を維持している。
カザフスタン国立銀行(NBK:中央銀行)のティムール・スレイメノフ総裁は2025年6月末、国営銀行の関連機関を通じて国家仮想通貨準備金を創設すると発表した。トカエフ大統領も同年9月の演説で、仮想通貨準備金創設の必要性を訴えた。
昨年11月末にはスレイメノフ総裁が最大3億ドル(約488億円)規模の投資を検討していると報じられた。今年1月には、NBKの投資部門が、犯罪捜査で押収した仮想通貨を活用した国家仮想通貨準備金の構築計画を正式に発表した。
関連記事:カザフスタン中銀、仮想通貨投資を計画 最大約470億円規模
カザフスタン国立銀行(中銀)のティムール・スレイメノフ総裁は、金・外貨準備ポートフォリオの一部として、仮想通貨へ最大3億ドルの投資を検討していると発表した。



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