- 原資産は規制保管、1対1で保有
- 米国株をDeFiで担保活用も
株式トークン化始動
米国の大手上場企業の株式をブロックチェーン上で保有する動きが新たな段階に入った。米仮想通貨取引所大手のコインベースは25日の公式声明で、同社が手がけるブロックチェーン「ベースチェーン」上でトークン化株式サービスを稼働させたと明らかにし、発行株式は独自規格「B20」に基づき規制対象カストディアンが原資産を1対1で保管すると説明した。
また、株式トークンの発行体制も明らかになった。株式の購入主体は機関投資家型マーケットメーカーである「指定参加者」で、取得した株式は規制対象のブローカー兼カストディアンであるアルパカが、アブダビの金融規制当局であるアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の監督下で、破産隔離構造により保管するとしている。
トークン化された株式は、DeFi(分散型金融)分野でも活用できる設計となっている。ユーザーはアップルやエヌビディアなど米国株の端株をセルフカストディ型ウォレットで保有できるほか、分散型取引所「エアロドローム」で流動性を確保し、レンディングプロトコル「アーベ」を通じて借り入れの担保として利用できるようになった。
配当や株式分割への対応も設計に組み込まれている。採用された「B20」規格はイーサリアムの「ERC-20」規格を拡張したトークン仕様で、配当や株式分割はオンチェーンの倍率調整によって反映されるため、保有残高自体は変動しない設計とした。
普及への布石
サービス開始に伴い、周辺エコシステムの構築も進んでいる。ベースチェーン上ではAIエージェント同士が取引を行う「エージェント経済圏」の構築が進んでおり、AIエージェント関連の新興企業であるバーチュアルズやトレジャーズはトークン化株式をエージェント取引に組み込んでいるという。
また、コインベースは2018年9月にステーブルコイン発行企業のサークルと共同でステーブルコイン「USDC」を発行した際も同様の反応があったと振り返った。ステーブルコイン全体の時価総額はその後数千億ドル規模に拡大したことから、トークン化株式についても同様の成長を見込んでいるとの考えを示した。
今後については、コインベースが数週間以内に追加のトークン化銘柄を投入する方針だと説明した。他の実物資産(RWA)についても、近くベースチェーンへの導入を進めるとしている。
関連記事:コインベース決算発表、予測市場収益倍増も577億円純損失を計上
コインベースが2026年4-6月期決算を発表した。純損失は3億5,950万ドルとなり、市場予想を上回る規模となった。一方でステーブルコイン事業や予測市場は伸びを示した。
他社動向
株式のトークン化を巡っては、米国のオンライン証券大手ロビンフッドが手がける「ロビンフッドチェーン」などが先行して同様の取り組みを進めており、コインベースの参入はこれに続く動きとみられる。
解説記事:RWA(リアルワールドアセット)とは?【2026年版】仕組みと市場規模を完全解説
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