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「未だ金融分野でブロックチェーンの実用例を見出せない」関連特許数トップの米大手銀

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バンカメCTOはブロックチェーン採用に慎重な姿勢
大手銀バンカメのCTOは、同銀がまだ金融サービスにおけるブロックチェーンのユースケースを見つけていないことを語った。取得ブロックチェーン関連特許は80と、金融業界でも最多となるが、その活用については慎重な姿勢を保っている。

バンカメCTOはブロックチェーン採用に慎重な姿勢

大手銀行バンク・オブ・アメリカのCTO、Catherine Bessant氏(以下、Bessant氏)は、ブルームバーグのインタビューで、金融サービス分野におけるブロックチェーンのユースケースをまだ同銀が見つけていないことを語った。金融機関の中でも最多となる80のブロックチェーン関連特許を取得している同銀であるが、その有効な用途はなかなか見つからない模様だ。

Bessant氏は、ブロックチェーンは様々な可能性を秘める技術であるとしながらも、次のように発言している。

私は理にかなったユースケースがあると信じているが、今のところは金融サービス分野においてそれを見つけるに至っていない。

我々は、実験を繰り返し、どの金融機関よりも多くの特許を取得してきたが、まだクライアントや顧客へ変化を与えるような用途は見出せない。

バンク・オブ・アメリカは、2016年1月の時点で15のブロックチェーン関連特許の取得が報じられるなど、同技術に対して積極的な姿勢を示してきた金融機関の1つだ。しかし、今年3月のCNBCの取材でも、Bessant氏はブロックチェーンの利用に弱気であると自身で語っており、非常に慎重な様子がうかがえる。

JPモルガンが発行を発表した独自のステーブルコイン「JPMコイン」についても、同氏は「1年間のJPMコインの使用量が実際にどのようになるのか知りたい」と、懐疑的な姿勢を示した。

現在のところは、同銀が提供するサービスにおいてブロックチェーンの活用の見通しは立っていない。しかし、911億ドル(約10兆円)の推定収入を持ち、約5100万人の消費者と中小企業との関係にサービスを提供する同銀の影響力は強いとされている。仮にブロックチェーンの活用に本格的に乗り出した場合は、その技術の普及において大きく前進することが考えられる。

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