前提
今回は、イラン攻撃後のビットコインの価格動向はなぜ底堅いのか論考します。アメリカとイスラエルが、イランへの攻撃を開始した2/28を起点に主要資産の騰落率は以下のようになっております。
| 資産 | 騰落率(2/28起点) |
|---|---|
| WTI原油 | +39.3% |
| ビットコイン | +6.7% |
| 金(スポット) | -5.9% |
| S&P 500 | -1.54% |
| ドル円 | +1.46%(ドル高・円安) |
| 米10年債利回り | +24.5bp |
ホルムズ海峡が実質的に封鎖されており、原油が上昇していることは言うまでも無いですが、特筆すべきはゴールドが買われていないこと、対照的にビットコインが底堅く、下げないどころか物色の対象になっている点です。昨年10月に高値をつけて以降、約半年間売られ続けた暗号資産がようやく買われる局面がやってきて、しかもそれが主要なアセットクラスのほとんどが下げている中で訪れているということになります。
イラン攻撃後のビットコインの価格動向はなぜ底堅いのか
はじめに断っておきますが、この暗号資産のマーケットの切り返しは筆者にとっても意外でした。そういった意味で後付け的なマーケット解釈になりますが、イラン攻撃後のビットコインの価格動向はなぜ底堅いのかについて述べます。
まず株式マーケットが売られている理由については、原油高による景気後退懸念でわかりやすいです。特に中東の石油依存度が高い日本・韓国・ヨーロッパの株式市場の下げがきつく、アメリカのマーケットは相対的に下げが限定的です。また日本・韓国・ヨーロッパの市場は、昨年からアメリカ市場をアウトパフォームし続けており、格好の利益確定材料にされた側面もあります。
ゴールドの下落については、原油高によるインフレ再燃懸念から金利を下げることができないというマーケット心理が働いているのが主要な見方です。また、公式の発表はないものの、一部の国は外貨準備や中央銀行の準備通貨にしているゴールドを売却するのではないか?という憶測も出回っています。売却をして軍事費や原油購入に充当するためや、自国通貨安に対応するためです。これは現時点でSNSで出回っている憶測ではありますが、論理的にはあり得る話です。ゴールドはすでに外貨準備に組み込まれており、それは各国が必要な局面に応じて売却されるタイミングはありえることと同義だからです。
今回の攻撃後に下げ幅が大きい資産は特にこれまで買われてきた資産クラスです。日本株・韓国株・新興国株、ゴールドも含まれます。対照的に、ビットコインはすでに高値から30%以上も売られていて、ポジションが混み合っていない資金の逃げ先と見做された可能性があります。
加えて、投資家は株式のポジションを落としたいものの、スタグフレーション懸念から現金も価値保存には適さない、先述した理由からゴールドも需給環境に懸念がある憶測ができていた、そういった局面でビットコインが消去法的に買われている側面もあるのではないかと推察できます。
このようにビットコインが強含み、ゴールドが弱含みするマーケット局面は、最近だと2024年のトランプ大統領が再選したあと2-3ヶ月の局面にもありました。そのときはビットコインのラリーが3ヶ月続き、ゴールドは逆相関で売却されました。結局、ゴールドは大きく下値をブレイクすることはなく、長期強気トレンドを維持し、結果的にこの局面はゴールドにとっての下値固め時期となり、長期投資家にとっては良い買い場であったと振り返られます。
一方、ビットコインはこのまま昨年後半の下げを取り戻す期待もしたいですが、今年のビットコインの下落を主導していた要因は取り除かれていないので、注意したいです。特に優先株による配当支払いなどがあり、実質的に借金に近い形で暗号資産を購入しているトレジャリー企業は、原油高で利下げ観測が後退することは向かい風ですし、昨今問題にされるプライベートクレジットが直接暗号資産関連に投資されていることは少ないでしょうが信用収縮のあおりを受ける可能性はありえます。
総括
いずれにしてもこのようなゴールドと異なる値動きをする局面が場面によって訪れることは、ビットコインをポートフォリオに組み込む一定の有用性を示しているとも言えるでしょう。筆者は無国籍資産としてゴールドとビットコインいずれも組み入れするべきであるという立場を長くとっていますが、まさにそれが機能している局面であると言えます。
またマーケットではほとんど全資産が売られている今のような局面で、ビットコインが独自の動きをしている今のような事象が積み重なることは、金融商品として世界の銀行や証券会社が暗号資産を取り扱いしはじめているなかで、ファイナンシャルアドバイザーは顧客に暗号資産商品を提案しやすくなるとも言えます。
以前に筆者は世界の原資産のおおよそ1パーセントが暗号資産であるので、その程度はポートフォリオに組むことは妥当性があると述べましたが、まさにそのようなロジックにも正当性が出てくると言えるでしょう。
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