- 中国人民銀行のデジタル通貨に続報
- 中国の「中国人民銀行」がデジタル通貨発行に向けた準備を加速させている理由に、米フェイスブック主導の仮想通貨リブラが背景にあるという。CoinDeskが報じた。
中国人民銀行のデジタル通貨
中国の中央銀行である「中国人民銀行」が、デジタル通貨発行に向けて準備を加速している。中国人民銀行に近い情報筋が仮想通貨メディアCoinDeskに語った。
関係筋によれば、専門研究チームは今夏初めから、本社のある北京から離れた環境で秘密裏に開発していた。リブラのホワイトペーパー(事業計画書)が発表された今年6月から、デジタル通貨の開発のスピードが増したとのエピソードを明かした。
8月中旬、中国人民銀行の支払い決済部の副長官を務めるChangchun Mu氏がローンチ時期に言及。「人民銀行のデジタル通貨は、すでに発行・導入の準備が完了している」と明かしている。
また、8月末には米フォーブス誌が、「デジタル通貨発行の準備が整った。アリババとテンセントの巨大IT企業2社や、中国の電子決済システムを運営するUnion Payなど計7社がそのデジタル通貨を利用する」と報じた。
中国の国営メディアChina Dailyによると、順調にプロジェクトが進行すれば、人民銀行のデジタル通貨はリブラより早く準備が整い、2020年前半のローンチを目指している。しかし、先月フォーブス誌がローンチ時期を11月と報じた直後に事実ではないという情報が公表されるなど、事実は不明確で、公式な発表はされていないことには注意したい。
CoinDeskが別の情報筋に確認をとったところ、フォーブスが報じた企業についても、名前が挙がった全企業がローンチ後にデジタル通貨を利用するかは不明確だという。CoinDeskが独自に各企業に確認したが、回答は得られていない。
また、デジタル通貨のローンチに関して、最初は地域を限定するという報道がある。現地国営メディアGlobal Timesによれば、最初は深セン市に利用を限定する。深セン市は国営の金融機関がデジタル通貨に関する研究を行なっている場所だ。8月には、深セン市特別経済区が、デジタル通貨の研究を支援する方針を発表している。
参考資料 : CoinDesk