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米議員、ステーブルコインを証券と分類する法案を提出 仮想通貨市場の重要法案に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ステーブルコインを証券とする法案を提出

米国連邦議会下院に、ステーブルコインを1933年制定の米国証券法の下で規制するよう求める起草原案が提出された。

民主党のSylvia Garcia議員により下院金融サービス委員会に提出され、現地時間22日に公開された法案は、ステーブルコインを明確に定義し、証券として分類することを求めている。法案には次のように記されている。

(1)管理されたステーブルコインとして知られるデジタル資産は投資契約であり、したがって1933年証券法のセクション2(a)で定義された意義の範囲内で、証券である。

(2)管理されたステーブルコインの発行者は、管理されたステーブルコインが証券ではないと主張しているため、議会が管理されたステーブルコインの法定定義を修正することをもって、明確化することが適切である。

また、「管理されたステーブルコイン」とは、その市場価値が「全体またはその大部分が、直接または間接的に、1人または複数の人により保有、指定、または管理されたデジタル資産を含む、資産のプールまたはバスケットの価値を参照して決定される」という条件を満たすものだとしている。

上記の文言から読み取るに、この法案がフェイスブックの仮想通貨リブラを念頭において起草されたことは想像に難くない。

この法案が可決成立した場合、全てのステーブルコインとその発行者が、証券取引委員会(SEC)の管轄下に置かれ、規制されることになる。

ステーブルコインの規制を取り巻く状況

今年に入り、米ドルと連動したステーブルコインの種類と規模は拡大しており、先行したUSDTをはじめ、CircleやPaxos、Gemini、またBinanceなど主要仮想通貨企業がそれぞれのステーブルコインを発行している。

これまでのところ、これらのステーブルコインは、SECや商品先物取引委員会(CFTC)などの規制対象になっていないため、仮想通貨業界でも、特に考察や議論の対象とはなってこなかった。しかし、今後もこの状況が続く確証はない。

フェイスブックの仮想通貨リブラが火付け役となり、G20をはじめ、金融安定理事会(FSB)や金融活動作業部会(FATF)などの国際機関が、ステーブルコインが世界の経済システムと金融の安定性に与える影響の大きさに危機感を抱き、警鐘を鳴らし始めている。

FSB : 「リブラのような『グローバルステーブルコイン』は、一般的な仮想通貨よりも金融安定に対する脅威になり得る」

G7・国際決済銀行(BIS) : ステーブルコインを精査するワーキンググループ設立 「グローバルなステーブルコインは、競争政策、金融の安定、金融政策、そして極端な場合には国際通貨制度にも課題をもたらす可能性がある。」

G20 : 「リブラなどのグローバルなステーブルコインには厳格な規制を設け、国際的なリスクに対する懸念が払拭されるまでは発行を許可すべきではない。」

FATF : 「いわゆるグローバル『ステーブルコイン』などの新興資産や、そのグローバルなネットワークとプラットフォームは、仮想資産エコシステムに変化をもたらす可能性があり、資金洗浄とテロリストへの資金供与のリスクに影響を及ぼしかねない」

リブラプロジェクトを主導するフェイスブック社のCEO、マーク・ザッカーバーグ氏が、現地時間23日、米下院金融サービス委員会の公聴会に出席するが、多くの議員のフェイスブック社に対する不信感が拭いきれない上、まるで世界の金融体制を全て敵に回したようなリブラプロジェクトの弁明は非常に厳しいものとなることが予想される。

リブラから飛び火した、ステーブルコイン全体に対する世界の金融当局が抱く懸念を、どのようにして取り除いていくのか、仮想通貨業界にとっても対岸の火事では済まされない状況になってきたように感じるのは、思い過ごしだろうか。

参考資料 : 金融サービス委員会

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