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フランス中銀副総裁「ユーロ圏へのブロックチェーン導入で市場要求に回答可能」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンベースの清算システム導入を提唱

仏中央銀行にあたるフランス銀行のDenis Beau第一副総裁は21日、欧州金融市場協会(AFME)の年次会議におけるスピーチで、「欧州資本市場の革新と成長のためには、中央銀行と規制当局がイノベーションによってもたらされる課題を明らかにすると同時に、その促進を図るため必要な政策の枠組みを市場に提供するべきだ」と述べた。

スピーチの中でBeau氏は、技術革新には金融市場の構造を改革する力があり、現在「ビッグテック」と呼ばれる巨大ハイテク企業がその力を活用し、金融の様々な分野へ進出することで、金融システムへ大きな影響を与え始めていることに言及。

さらに、これらの企業が消費者の巨大なデータベース利用によって金融システムの安定性への脅威となる可能性にも触れ、中央銀行が金融の安定を維持するためには当局は現在の規制の枠組みに安住すべきではなく、逆にイノベーションをサポートし促進するため必要な新しい規制の枠組みを市場に提供することで貢献すべきだと主張した。

そのためにはイノベーションに対するオープンな姿勢と理解が必要だが、フランスでは2016年にフィンテック・イノベーションハブを監督当局であるACPR(金融健全性・監督・破綻処理機構)内に設置し、オープンイノベーションの研究に携わってきたという。 そしてそこでの取り組みは欧州市場における金融サービス改革を促進する参考になるだろうと述べた。

さらにBeau氏は、イノベーションと成長はオープンエコシステムからの恩恵を受ける一方、デジタル化された世界におけるリスクに国境はないため、セクターや国をまたいだ協力が必要になる、と国際的な取り組みの重要性を強調した。

金融市場インフラ改革とブロックチェーン技術

では、実際にどのようなアプローチが考えられるのだろうか。

Beau氏は中央銀行が果たしてきた清算機関・「金融サービスプロバイダー」としての役割、に焦点を当て、国境をまたいだ決済と支払ソリューションへのブロックチェーン技術の導入を提唱している。

ブロックチェーンベースのソリューション、より広範には分散台帳技術を利用した資産のトークン化は、市場の要求に答えることが可能だ。

しかしこのようなテクノロジーの実装を民間のイニシアチブに任せることは、金融市場インフラにとって「無秩序なアプローチと不均一な適応」をもたらしかねないため、中央銀行こそ主導するべきだと、Beau氏は次のようにまとめている。

ユーロの重要なホールセール清算業務および決済サービスの主要プロバイダーとしてのユーロシステムは、中央銀行の資金を決済資産として利用できる条件を再検討し、場合によっては改善するため、このようなイノベーション実験を進んで取り入れる必要があるだろう。

中央銀行発行のデジタル通貨

さらにBeau氏はフランスが検討しているソリューションの一つとして、中央銀行発行のデジタル通貨に言及した。

よく言及される可能性の1つは、分散台帳技術を使用して分散型のホールセール清算および決済サービスをサポートするため、中央銀行がデジタル通貨を発行することだ。フランス銀行は、特にホールセールの中央銀行デジタル通貨に関して、欧州中央銀行(ECB)およびユーロシステムの他の中央銀行と共同で試してみることを喜んで受け入れる用意がある。

またクロスボーダー送金の分野においても中央銀行が民間のシステムを相互接続させることで貢献できる可能性が考えられるが、特にユーロ圏に限定した場合は技術的および法的に実現が可能だろうと述べている。

参考:What policy framework to help building innovation and growth into Europe’s Capital Market?

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