はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

すべての仮想通貨を「証券」で統一規制 英オックスフォード研究者が提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ユーティリティトークンとセキュリティトークンの区別は困難

オックスフォード大学法学部の研究者グループが、EUがすべての仮想通貨を同様に規制する必要性を列挙した研究論文を発表。規制当局はEU金融市場規制のもと取引可能な証券として扱うべきだと結論づけた。

論文の執筆者達は、企業金融やビジネス法など関連分野の専門家。論文のタイトルは「ブロックチェーン・スタートアップ企業と目論見書規制(Blockchain Startups and Prospectus Regulation)」で、「トークン分類法」に関する、ユーティリティトークンとセキュリティトークンを一貫して区別することの難しさを主要トピックに挙げている。

トークンの分類に関して一貫性がないこと、EU規制当局がこれらのデジタル資産の真のユースケースを確認することができないことが指摘され、これらの要因が市場を不透明にすると論じている。

研究者達は、デジタルトークンと規制に関して、二つの主要な論点を挙げており、それらはトークン分類法と、初期コインオファリング(ICO)や初期エクスチェンジオファリング(IEO)などの資金調達モデルの両方に関係している。

トークン分類法は一般に、ユーティリティトークンとセキュリティトークンの区別を行う法律で、後者が仮想通貨を利用した資金調達方法。

米国では、トークンはセキュリティ(証券)、特に投資契約の特性を持っていると見なされる。トークンの購入は一般企業への投資であり、投資家はその会社が生み出す利益を期待する特性が適応されるケースだ。

一方のユーティリティトークンは、発行者が作成したサービスまたは製品を入手するための支払い手段であるデジタル資産として、より限定的な性質を持つものとみなされる。

今回の論文の内容は、現在の仮想通貨におけるユーティリティトークンとセキュリティトークンの違いは、一部の規制当局が主張するほど明確ではないと主張。統一した規制対象とすることの必要性を主張している。

通貨、金融資産、消費財の性質を有するトークン

(論文から抜粋)ユーティリティトークンは、小規模な通貨として、またあるプラットフォームへの投資の両方として捉えられる。あらゆるトークンが「仮想通貨」と呼ばれるのはこのためである。それらは広く流通する通貨、または、あるマーケット専門の、認知され容易に交換可能な通貨になることを目標としている

仮定として、ブロックチェーンエコシステムが巨大かつ流動的な場合、ユーティリティトークンは通貨の特性を持ち、取引によりビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要な仮想通貨へと変換することができる。また、直接的、間接的に法定通貨と交換することも可能なケースだ。

一方で、論文はセキュリティトークンとの間に明確な線引きをすることを困難にしている理由として、仮想通貨は、通貨に類似した決済メカニズム、あるプラットフォーム上でユーティリティとして存在する側面のほか、取引可能な投資資産である証券性、という様々な性質を有するものであることを指摘した。

規制上も、通貨、金融資産、消費財の間の線引きが曖昧になるという。

別の観点からは、仮想通貨トークンがICOまたはIEOを通して発行された後、それらが大規模に取引される時期が続くことが多いことは、それらのトークンが取引可能な投資手段として保有されることを示すと指摘。

投資手段としてのこの特徴は、投資家を一般的な金融リスクにさらすものであり、規制当局はこれらをEU金融市場規制に従って取引可能な証券として扱うべきだと、論文は結論した。

ヨーロッパでは現在、マネーロンダリング防止やテロ資金対策の統一的な関連規制が整備されているところだが、トークンを分類する方法については、各国で異なる。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧