CoinPostで今最も読まれています

半減期控える仮想通貨が急騰 ビットコインキャッシュ・SVの高騰理由に2つのポイント

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BCH・BSV急騰、半減期意識

仮想通貨(暗号資産)市場で、半減期を控えるビットコインキャッシュ(BCH)とビットコインSV(BSV)が急騰。一時、前日比でBCHが9%高、BSVは15%高を記録した。

出典:CoinMarketCap

米国株式やゴールド市場を意識し、金融市場の戻り待ちや利益確定の売りに押された展開で小反落していたビットコインも、2銘柄の高騰を受け連れ高したが、BCHとBSVの騰落率は際立って高い数値を記録している。

高騰の理由は、主に以下の2点だ。

  • 半減期前の注目上げ
  • マイナーのハッシュレート移行期待

当該2銘柄は、半減期を2日に控える仮想通貨で、ビットコインキャッシュは日本時間本日(8日)22時〜23時頃。ビットコインSVは4月10日前後(推定予定日)に半減期を予定する。

半減期では、12.5のコインから6.25に減少することで、需給関係が目前に変わることを中長期で市場が意識するファンダメンタルズ材料だ。仮想通貨市場特有の指標で、注目度も高いことから、半減期前後の値動きには過去の再現性も意識される。

半減期前後の値動き

主な、半減期の流れとして投資家が注目するのは、①半減期に向けた期待上げフェーズと、それに伴う事実売りフェーズ。また、②半減期後の需給変化を伴う上昇のフェーズの2パターン。これを2016年のビットコイン半減期に落とし込むと以下のようになる。

出典:TradingView

半減期前の上昇が顕著に現れたケースでは(今回はこのパターンではない)、半減期前に利確売りが発生しており、半減期前2週間ほど、下落する傾向がある。

一方、今回の半減期の注目上げは、2016年のビットコインや2019年のライトコインでも確認されたパターンで、半減期直前に再び買いが先行する。

ライトコインの半減期時は特に顕著で、半減期前24時間で最大15%ほどの単独上げが確認された。今回のBCH、BSVと同様の値動きだ(以下のチャート参照)

マイナーのハッシュレート移行期待

今回の半減期は、初めてビットコインとビットコインキャッシュ、ビットコインSVが同一ブロック数で半減期を迎える。

SHA-256アルゴリズムを採用するBTC、BCH、BSVについては、マイナーは同一マシンを用いて任意にマイニングする通貨を選択することができるが、先に半減期を迎える通貨は、マイナー報酬で劣勢に立たされるため、経済的合理性に基づき事業を進めるマイナーが他のチェーンに移る可能性が指摘されている。

これが、ビットコインSVが特に顕著な高騰を記録した理由と読むことができる。

マイニング機器商社BlockwareのCEO、Matt D’Souzaが、現ハッシュレートと価格から半減期後の1マシンあたりの日平均売り上げを試算した内容は以下の通り。(S17+、67T)

  • ビットコイン:8.72ドル
  • ビットコインキャッシュ:8.67ドル
  • ビットコインSV(BSV):9.02ドル

D’Souzaは、現時点で収益性がある程度均衡している状況で、先に半減期を迎える通貨からハッシュレートの一部が、他のネットワークに移る可能性があると見ている。

具体的には、本日行われるビットコインキャッシュの半減期後は、BTCとBSVチェーンに。BSV半減期後はBTCチェーンに移る『プロトコルアービトラージ』が可能になると指摘する。

また、仮に全てのハッシュレートがビットコインマイニングに移行された場合は、ビットコインネットワークの採掘難易度が約5.2%上昇する試算になるという。

一方、実際BCHとBSVはコミュニティ基礎が大きく固いことから、経済的合理性だけで動くマイナーだけではないと指摘。大幅なハッシュレート移転は予想されず、約1%〜2.5%に留まるのではないか、D’Souzaは説明する。

この試算状況から、ビットコインキャッシュの半減期が、短期的なビットコインSVの材料になっている可能性が見て取れる。

BCH・BSVの相関性

仮想通貨取引所バイナンスのリサーチ部門が報告した内容によると、ビットコインSVとビットコインキャッシュの相関係数は0.73。

相互に値動きが相関する状況も、今回の連れ高につながった可能性もある。

出典:バイナンスリサーチ

CoinPostの注目記事

一度も動かされていないビットコインキャッシュの数量は「600万BCH」 半減期後も重要ポイントに
仮想通貨データサイトCoinmetricsによると、流通するビットコインキャッシュの3分の1=約600万BCHは2017年8月のハードフォーク以来、動かされておらず眠ったままであることがわかった。
ビットコインなど仮想通貨市場に大きな影響を及ぼす「半減期」とは、過去の事例から独自考察
仮想通貨市場に大きな影響を及ぼすビットコイン(BTC)などの半減期が、相場に意外な影響を与えることも明らかに。ライトコイン半減期など、過去の値動きから可能性とリスクについて詳しく解説。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア