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DeFiを代表するプロダクト|Uniswap、Kyber Network、MakerDAOを解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DeFi(分散型金融)エコシステムは、多種多様なプロジェクトによって構成されている。従来の金融サービスに似た形のものもあれば、DeFiに独特なセクターも存在する。この記事では、DeFiエコシステムにとって要となる「流動性」と「価値の安定性」を提供する、主要なプロダクトを紹介する。

流動性を提供する分散型取引所

流動性とは、トークンの価値が急に変化したり、取引するのに非常に時間がかかったりといった不自由を感じることなく、シームレスにトークン売買ができるかどうかを示すときに使われる用語だ。

DeFi分野に流動性を提供しているDEX(分散型取引所)は、トークンの交換ができるという面では、中央集権型取引所と類似したサービスである。しかし、DEXにはトレードを扱う仲介者が存在せず、スマートコントラクトを利用してP2Pでトレードが行われる点で異なっている。多くのDEXではトレードの際に、中央集権型取引所が課すような売買手数料ではなく、プロトコル収益や流動性提供者への報酬が徴収される。また、中央集権型取引所と異なり、DEXを利用するための身分証や本人確認は不要だ。

DEXの有名なプロジェクトとして、UniswapとKyber Networkがある。

Uniswap

DEX分野のトレードの半数以上を占めているのがUniswapだ。8月30日にはUniswapの取引高が中央集権型取引所のCoinbaseの取引高を超え、Uniswap、ひいてはDEX全体の規模が拡大していることが読み取れる。

参考:「Uniswapの出来高、米コインベース超えに驚きの声」DeFi需要と価格高騰が後押し

Uniswapは、Hayden Adams氏という一人の開発者によって2018年に開発が開始された。Uniswapにはスワップおよびプールという機能があり、スワップではトークンの交換を、プールでは流動性提供が行える。スワップでトークンを交換した場合、トランザクション毎に0.3%の取引手数料が徴収され、その手数料は提供した資産の額に応じて流動性提供者へ分配される。

UniswapはAMM(Automated Market Maker)というコンセプトをDEXで浸透させたことで知られている。AMMとは自動マーケットメーカーを意味する。AMM以前の取引所では、オーダーブックを使ってトークンが売買されていた。しかしAMMの開発によって、スマートコントラクトを利用して流動性提供者が流動性プールにトークンを提供することでトレードすることが可能になった。

Uniswapでは、誰でも流動性を提供することができる。2020年5月のV2ローンチ以降は、ERC20規格トークン同士のトレードが可能になり、間にETHを挟む必要がなくなった。また、トレードを行いたいトークンのペアがなかった場合には、誰でもトークンプールの追加が可能だ。これらに加え、トークンの上場基準がなく、独自トークンも存在しないので「最も分散化が進んだDeFiプロジェクト」とも呼ぶ人もいる。

Kyber Network

Uniswapと同様に、DeFi領域全体にDEXサービスおよび流動性を提供しているのがKyber Networkだ。Kyber Networkは、「Any token Anywhere=あらゆるトークンをどこででも」を目標に掲げ、エコシステム内のシームレスなトークン利用を目指している流動性プロトコルだ。

Kyberには、トークン保有者やマーケットメーカーなどから流動性が提供される「リザーブ」と呼ばれる流動性プールがあり、トークンを交換したいユーザーやdApps(分散型アプリケーション)などはこのプールに集まった流動性を利用してトークンを交換する。リザーブは現在70以上のERC20トークンをサポートし、このシステムにより様々なユースケースが可能になる。

その一例として、商品の売買が挙げられる。販売者が受け取りたい通貨と購入者が使いたい通貨が異なった場合、通常であれば販売者が購入者の通貨を受け取ってから交換する、または購入者が販売者の好む通貨に交換してから使用する必要がある。

しかしKyber Networkのシステムを組み込むことで、販売者と購入者の利用したい通貨が違ったとしても、シームレスな支払いが可能になる。購入者は自身の好きな通貨で支払い、販売者は好みの通貨に交換された形で支払いを受け取ることができる。

同様に、使いたいdAppsが自身が保有しているトークンに対応していない場合でも、Kyberのリザーブを利用することで、即座にトークン交換が行われ、余計な手間をかけずにdAppsを利用できる。

Kyberはこのリザーブシステムを活用して、Kyber SwapというDEXも運営している。Kyber SwapではERC20トークン同士の交換やトークンの送付が可能だ。またKyberのDEXでは、ユーザーが自身の資産の管理権を失わない分散的な方法で指値注文が可能なことも、特徴のひとつである。

Uniswapと異なり、Kyberには独自のガバナンストークンKNC(Kyber Network Crystal)が存在する。7月にプロトコルのアップグレード「Katalyst」が行われ、自律分散型組織のプラットフォーム「KyberDAO」がローンチされた。これ以降、KNC所有者はKNCトークンをステークし投票することでガバナンスに参加できるようになった。これにより、さらに分散化されたガバナンスが可能になる。

価格が上下しない仮想通貨、ステーブルコイン

デジタル資産分野に特有な領域にステーブルコインがある。ステーブルコインとは価格が安定した通貨のことだ。ビットコインやイーサリアムは価格変動が激しく、日々の支出や貯蓄には向かないといった問題点を改善するために生まれた分野だ。

ステーブルコインプロジェクトの代表格として、MakerDAOを解説する。

MakerDAO

DeFi分野で最も利用されているステーブルコインが、MakerDAOのDaiだ。USDCやUSDTのようなステーブルコインとは異なり発行組織が存在せず、Maker Vaultというスマートコントラクトに担保資産を預け入れることで、誰でもDaiを発行できる。

1Daiの価値は1ドルになるように設計されている。この特徴が、ステーブルコインの名前の由来になっている。

2019年11月のMCD(複数担保型Dai)ローンチ以前は、担保資産として利用できたのはETHのみだったが、現在は分散型ガバナンスでコミュニティの承認を得た資産ならどれでも担保として利用できる。執筆時点では、ETH、BAT、USDCなどを含む8つの資産を担保にしてDaiが発行されている。

Daiは分散型のステーブルコインであるため、ユーザーは自身の資産の完全な管理権を握ることができるというブロックチェーン技術のメリットを有しながら、仮想通貨によく見られるボラティリティが排除されている。そのため、貯蓄や送金、商品およびサービスの売買といった様々な場面での利用が見込まれている。

Makerは、DSRおよび安定化手数料の数値を変更し需要と供給を調整することで、Dai価格を1ドル付近で維持している。DSRとは、DaiをMaker Vaultにロックすることで得られる、いわゆる金利のようなもので、他のステーブルコインには見られない機能だ。Daiの需要が増えた時にはDSRを引き下げ、反対に需要が減った時には引き上げることで、価格維持に貢献している。

一方、安定化手数料とは、Dai発行時に預け入れた担保資産を引き出す際に支払わなければいけない利息のようなものだ。預けた担保資産はいつでも引き出すことができるが、その時にはこの安定化手数料を支払い、発行したDaiを返済しなければならない。Daiの需要が高い時には、Vault作成を促進し供給を増やすために安定化手数料は低く設定され、反対に需要が低い時には高く設定される。

DSRも安定化手数料もMakerの分散型のガバナンスで変更および決定される。MakerガバナンスではガバナンストークンMKRをステークすることで誰でも投票に参加でき、投票が可決した場合はプロトコルに変更を加えることができる。

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