Uniswapがコインベースを上回る取引高記録
分散型取引所Uniswapの出来高が過去最高値を記録、大手取引所コインベースのプロトレーダー向けプラットフォーム「Coinbase Pro」をも追い越すことになった。
🤯 Wow, @UniswapProtocol 24hr trading volume is higher than @coinbase for the first time ever
— Hayden Adams 🦄 (@haydenzadams) August 30, 2020
🦄 Uniswap: $426M
🏦 Coinbase: $348M
Hard to express with how crazy this is. pic.twitter.com/48o0xRkiUo
イーサリアム開発者でUniswapプロトコルを設計したHayden AdamsもUniswapの24時間取引高が、コインベースのそれを初めて追い越したことについて驚きを隠せなかったようだ。
Uniswapの24時間取引量は4.4億ドル(約464億円)を超え、3.7億ドルのコインベースよりも約20%上回った。
最大手取引所バイナンスの約65億ドルと比較すると劣るものの、分散型取引所の取引がメジャーな中央集権型取引所に匹敵する状況は、現在のところ加速しているようだ。
7月時点でもUniswapは取引規模の拡大が確認されており、24時間出来高が4500万ドル(約48億円)の規模に到達。7月時点で国内大手取引所bitFlyerや、米国版バイナンスUSなど著名取引所と肩を並べるものになっていたが、わずか一カ月ほどで、10倍近く成長したことになる。
「Sushiswap」トークン
Uniswapの取引量の急増は、イーサリアムERC20トークンへの関心の急増と、DeFiまたは分散型ファイナンスの拡大が背景にあると考えられる。
特に今回のボリューム急増の理由としては、DeFiガバナンストークンの価格高騰があり、その中でも数日前にローンチされたばかりの「Sushiswap」のトークンなどが注目されている。
8月末現在、Sushiswapにはすでに1600万ドルの流動性があり、価格は2.45ドル、出来高3000万ドル(約32億円)に達している。
Sushiswapとは、スマートコントラクトに流動性を預けた人に、取引手数料の一部を報酬として与える流動性プロバイダーで、流動性プールに貢献するためのインセンティブとしてSUSHIトークンを提供、このトークンは二次市場で売ることも可能となっている。
Uniswapにも、すでに流動性提供機能が備わっているものの、SushiswapはUniswapと収益分配の点で差別化できる点がある。
Uniswapでユーザーは、流動性を積極的に提供している時にのみプールの取引手数料を獲得できる。また、ベンチャーファンド、取引所、マイニングプールなどの、個人よりも大きな提供者が莫大な資金を持ってプロトコルに参加すると、リターンが希薄になるリスクもある。
一方、SushiSwapのユーザーは流動性を提供することを止めても、プロトコル料金の一部を収益として受け取り続ける資格を与えられる。
ただし、ステーキングから得られる収益は、あるユーザーがステークしたトークン量と、プラットフォーム全体でステークされたトークン総量の比率で決まるため、流動性提供を止めた場合は、トークン数に対応する報酬収益は次第に低下していくことになるという。
一方、Sushiswapは監査を受けるために動いているものの現在はまだ未監査であり、プロジェクトの先行きによってはリスクの高い投資になる可能性も指摘されている。