ビットコインマイナー向け融資
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは29日、運営しているマイニングプール「Binance Pool」でビットコインマイナー向けに約740億円(5億ドル)規模の融資プロジェクトを開設した。
マイナーは、物理資産(採掘マシン等)や仮想通貨を担保に18ヶ月~最大24ヶ月の融資を受けることができる。借入金利は5~10%となる。バイナンスはマイナー向け融資プロジェクトについて、以下のように述べている。
世界中のブルーチップ(優良)ビットコインマイニング、およびデジタル資産インフラストラクチャーの公的・私的企業の両方に、安全な債務融資サービスを提供するように設計されている。
ビットコインは昨年のピーク値である約716万円から約60%下落して284万円で取引されているが、採掘コストは上昇し続けており、マイナーの収益を圧迫している(BTC価格はbitFlyer参照)。
10月10日にはビットコインのディフィカルティー(採掘難易度)調整が、前回比+13.55%の上昇を記録。35.6T(テラハッシュ)は21年7月に次ぐ過去最高水準である。
一方、平均ハッシュレート(採掘速度)254.80 EH/sという数値は、22年1月の190.71 EH/s、20年1月の100 EH/s前後を大きく上回る水準だ。
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マイナーの事業再構築
これらはいずれもマイニングに注ぎ込まれる計算量(電力)の増加を意味し、ビットコイン価格低迷も組み合わさり、収益率の低下につながっている。
そのため、過去1〜2年の間に事業を拡大していた多くのマイニング企業が事業の再構築を迫られている。採掘したBTCを売却して、ASICサーバーやデータセンターの維持費、及び債務の支払いに充てている状況だ。
ナスダック上場の米仮想通貨マイニング企業Core Scientificは、22年6月に7,202BTCを241億円(約1億6,700万ドル)で売却。9月にも1,576BTCを売却して約42.6億円(約2950万ドル)を得た。
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しかし、Core Scientificの9月30日時点のBTC保有量は1,051BTC(前月比-358)、バランスシート上の現金残高は約42億円(約2,950万ドル)と逼迫。7月には投資ファンドから約137億円(1億ドル)の条件付き資金枠を得ていた。
9月に米マイニング企業Compute Northは、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用を申請。債権者はおよそ200社で負債総額は5億ドル(約700億円)に上る。
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また、仮想通貨マイニングプールのPoolinは9月5日以前に採掘されたビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の出金を一時停止することを発表。同社は「直近の出金需要の増加」による流動性問題を指摘する一方で、流動性と運用の安定化を目的としたキャンペーンを開始した。
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収益性の乏しいマイナーからハードウェアを買い上げる動きも活発化している。9月には、大手ビットコインマイニングマシンメーカーBitmainの共同創業者Jihan Wu氏が、約361億円(2億5,000万ドル)のファンドを立ち上げる計画が報じられた。マイニング事業者から不良資産を購入する方針で、採掘マシンを安価で購入し、既存の施設で稼働させるねらいがあるという。
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