香港でWeb3スタートアップを支援
香港を拠点とするスタートアップ・起業サポート団体「G-Rocket」は、今後3年間で1,000社のWeb3スタートアップを支援していく見込みだ。South China Morning Postが報じた。
G-Rocketは、2016年に香港の立法会議員Johnny Ng Kit-chong氏が共同設立したスタートアップのアクセラレーター(促進団体)である。
G-RocketのCasper Wong CEOは21日のインタビューで、Web3企業を対象とした新たな促進プログラム「Hong Kong Web3.0 Hub」が11月に発足し、すでに150以上のスタートアップが登録している、と明かした。
Wong氏によれば、こうした企業の創業者のほとんどは、現在シンガポールや北米、アラブ首長国連邦のドバイなどに拠点を置いている中国人起業家であり、香港に戻ってくることを検討しているところだ。
Wong氏は、2023年の第2四半期(4~6月)までに、100社のWeb3スタートアップが香港で事業を開始すること、今後3年間で1,000社を支援することが目標だと話している。
G-Rocketは、香港での起業を目指す企業に対して、オフィススペース、銀行、政府リソースなどの分野で支援していく見込みだ。その上では、香港のバーチャルバンクやZA Bank、不動産コングロマリットのNew World Development、政府が運営するインキュベーターCyberportと提携している。
Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
▶️仮想通貨用語集
仮想通貨を推進する香港政府
G-RocketのWeb3スタートアップ促進プログラムは、香港当局が暗号資産(仮想通貨)を推進する政策を打ち出していることも背景にある。
香港政府は10月、仮想通貨業界の発展を視野に入れた新たな政策スタンスを打ち出した。国際的な金融拠点として、仮想通貨関連企業を誘致していく方針である。
具体的には、個人投資家の仮想通貨投資を一部認める方向でパブリックコメントを募集しており、トークン化した資産の財産権やスマートコントラクトを法律面でも検討していく。
また、独自のNFT(非代替性トークン)やデジタル通貨e-HKDの実証実験プログラムも開始した。
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香港の立法会(議会)は今月、仮想通貨サービスプロバイダー(VASP)のライセンス制度を導入する法律を可決したところだ。また、2022年のマネーロンダリングおよびテロ資金対策法は、VASPに顧客デューデリジェンス(リスク確認)や記録保持の要件を課す。他に、仮想通貨などデジタル資産関連製品の不正販売に対する罰則の成文化を金融機関に求める内容も盛り込んだ。
香港のChristopher Hui財経事務庫務局長は、この法律は、国際金融センターとしての香港の地位を強化するものであり、「包括的でバランスの取れた規制の枠組みは、投資家を保護し、責任ある形で持続可能な産業の発展を促進することができる」と話した。
ETF上場
他に、最新の仮想通貨をめぐる動きとしては、香港証券取引所が16日、中国の大手資産管理会社「南方基金」の子会社CSOP Asset Managementが提供するビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)ETFを上場させている。
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