Web3でクリエイターを支援
株式会社ビジュアルボイスとデロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング合同会社は25日、Web3時代のクリエイター支援プラットフォームを今春提供開始すると発表した。
2023年6月の「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA 2023)」のオープニングにあわせて提供を開始する計画だ。β版については、これに先行して4月27日に公開される予定である。
このプラットフォーム「Visual Voice Asset Platform(VVAP・仮)」は、イーサリアム(ETH)系暗号資産(仮想通貨)ウォレットなどの開発で知られるConsenSysが提供する、Web3サービス環境「InfuraNFT API」を日本国内で初めて導入するものだ。
Visual Voice Asset Platformは、クリエイターが、コンテンツを資産として永続的に保管可能な分散型ストレージを中心とするもので、主に以下の機能でクリエイターをサポートする。
- クリエイターが制作した作品を掲載できるポートフォリオ
- 作品の上映権などの売買を可能にするNFT(非代替性トークン)マーケットプレイス
- 映画祭エントリー機能
- クリエイターと企業のマッチング
- オンライン・メタバースによる常設映画館
- クリエイターとファンを繋ぐコミュニティやDAO(自律分散型組織)の支援
こうした機能を利用することで、クリエイターが、動画配信プラットフォームなどと契約することなく、自分自身でコンテンツをプロモーション・収益化していくことを可能にするものだ。
メタバースとは
インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。
▶️仮想通貨用語集
デロイトが法務などサポート
クリエイターエコノミー(クリエイター経済圏)の構築に際しては、収益化していく際の法務や税務について、会計・法務・税務分野の幅広い知見を有するデロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティングが支援していく。
デロイト トーマツ コンサルティング代表執行役社長の佐瀬真人氏は「新たな技術や価値観に基づきクリエイターの未来を拓く」新プラットフォームの開発は、同社のスローガン「Lead the way」とも重なると述べた。
また、ビジュアルボイス代表で俳優の別所哲也氏は、次のようにコメントしている。
2022年の映画祭で発表したNFTグローバルシネママーケットの構想が今やっと実現するとき。
映画祭に集まる世界のクリエイターの「やりたいこと」を叶えるプラットフォームの誕生に、Web3.0時代の映画の未来像が見えてきました。
「NFTグローバルシネママーケット」とは、ビジュアルボイスが2022年に立ち上げたプロジェクト。世界のクリエイターと、企業や個人をNFTマーケットにより結び付けて、「クリエイターに利益が還元され続ける仕組み」と「誰もが映画の所有者、ユーザーとなれる仕組み」の構築を目指している。
例えば、資金提供者をNFTで可視化することで、個人が映画制作へ参加することを可能にし、ファンと共に作るコンテンツ制作の形を実現していく姿勢だ。
「NFTと映画」めぐるディスカッション
株式会社ビジュアルボイスは、2006年に設立。ショートフィルムのブランドSHORTSHORTSを展開しており、国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」(SSFF&ASIA)を中心に、上映イベント、作品配給、作品製作などをプロデュースしている。
昨年のSSFF&ASIAの際には、「NFTと映画」をテーマにしたセミナーが開催されていた。別所哲也氏、国際映画製作チームのNOMA(ノマ)所属でEDLEAD代表の映画監督 太一氏、株式会社CoinPostの各務貴仁代表取締役が登壇。NFTを用いた新しい映画インフラサービスについてディスカッションした。
【SSFF&ASIA2022オンラインクロージングイベント】
— レトリックスター /THE RHETORIC STAR (@THERHETORICSTAR) July 27, 2022
オンライン視聴 & 現地参加の皆様、ありがとうございました。多方面から様々なご意見とお声がけ頂きました。
イベントについて取り上げていただきました。
yahoo:https://t.co/85G5WrqDxD
oricon:https://t.co/kBKbEg31Zt
関連:NFT活用による映画業界の未来|SSFF & ASIA 2022イベントレポート