仮想通貨詐欺に悪用
暗号資産(仮想通貨)や株などの投資アプリを提供する米大手ロビンフッド(Robinhood)は25日、ツイッターアカウントがハッキングされて乗っ取られた。
ハッカーは、「RBH」というトークンがローンチされるという偽のプロモーション内容を投稿。ツイート内のリンクをクリックさせ、分散型取引所(DEX)の「PancakeSwap」に誘導して1RBH=0.0005ドルで購入させるという手口だったが、現在はすでに対象のツイートは削除されている。
Looks like Robinhood's social media was hacked
— Conor (@jconorgrogan) January 25, 2023
They only got ~10 people to bite on the scam token before the link was taken down.
So far the token has only seen <$1000 in purchases. I imagine people crowding in now saw the volume spike and are looking for a thrill. pic.twitter.com/qladVaSzrI
米コインベースのディレクターによると、最大で10名の人がリンクをクリックし、RBHを購入。このトークンは購入後、売却や送金ができない設計になっていたという。コインベースのディレクターは被害額は1,000ドル(約12万円)よりも少ないと報告しているが、ハッカーは26.95BNB(106万円相当)を不当に得たというデータもある。
今回のトークンが「バイナンス・スマート・チェーンでローンチされる」と書かれていたこともあり、バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOもコメント。CZ氏は、ツイッターアカウントが本物のように見えたとしても、常に批判的に確認するよう呼びかけた。
Looks like Robinhood account got hacked and was promoting a coin on BNB Chain. Always have critical thinking even is the account looks or is real. https://t.co/XSwHIVdEdw
— CZ 🔶 Binance (@cz_binance) January 25, 2023
その後のツイートでCZ氏は、ハッカーがバイナンスを使用していることをセキュリティチームが発見したとコメント。対象のアカウントをロックし、調査を行っていると説明した。なお、詐欺のツイートに書かれていたバイナンス・スマート・チェーンは現在、「BNBスマートチェーン」という名称に変わっている。
BNBスマートチェーンとは
BNBビーコンチェーンとともに、BNBチェーンを構成するブロックチェーン。コンセンサスレイヤーとして機能し、イーサリアム(ETH)の仮想マシン(EVM)と互換性を持つ。
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アカウントの乗っ取り事例
CZ氏が注意を呼びかけているように、ツイッターアカウントが乗っ取られる事例は長期に渡って続いている。2020年7月には、イーロン・マスク氏やビル・ゲイツ氏、バイナンスやコインベースらの著名なツイッターアカウントが次々と乗っ取られる事例が発生した。
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この時のハッカーは、「CryptoForHealthと提携した。5,000BTCをコミュニティに返還する」などと投稿。そして、CryptoForHealthのホームページに誘導するリンクを貼っていた。同年8月には、当時17歳の少年が首謀者として逮捕されたことが判明している。
ロビンフッドは仮想通貨メディア「Decrypt」に対し、インスタグラムやフェイスブックのアカウントからも偽の投稿が行われたと説明。そして、現時点では、問題の原因はサードパーティのベンダーにあるとみていると述べた。