BittrexがSECと和解
米証券取引委員会(SEC)は10日、暗号資産(仮想通貨)取引所BittrexがSECと和解したと発表した。
Bittrex、およびその共同創設者で前CEOのウィリアム・シハラ氏は、SECの主張を肯定も否定もしていないが、民事の罰金や不正利益の放棄など合計約35億円(2,400万ドル)を支払うことに同意した形だ。
SECは4月、Bittrexが事業登録せずに米国投資家に有価証券取引などを提供していたとして同取引所を提訴していた。この際、Bittrexに上場していたアルゴランド(ALGO)など6銘柄を有価証券とみなしている。
これに対してBittrexは、有価証券は提供していないと主張。SECが過去5年超の間、証券法違反について何も通知をしてこなかったと批判していたところだ。
SECは、Bittexが未登録のブローカー、取引所、清算機関として運営されていたと主張していた。
それに加えて、Bittrexと、2014年から2019年まで同社のCEOを務めていたシハラ氏が、仮想通貨の発行者に対して、Bittex上場前に「問題のある文言」をプロジェクトの公開文書などから削除するよう指示したと申し立てている。
SEC執行部のグルビル・グレワル ディレクターは次のようにコメントした。
Bittrexは何年もの間、トークン発行会社と結託して、投資契約であることを示すオンラインの文言を「消去」してきたが、これはすべて連邦証券法を回避するためだった。しかし、その試みは失敗した。
重要なのは、それらの商品の経済的な現実であるため、単にラベルを変更したり、説明を変更したりするだけでは責任を逃れることはできない。そのことが、本日の和解によって明らかになった。
米Bittrexは破産申請済
米国版Bittrexは5月、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)により破産申請した。なお、グローバル版Bittexは事業を続けている。
米国事業の閉鎖にあたってBittrexは、「現在の米国の規制環境と経済環境では、当社が事業を継続することは経済的に不可能」だと述べていた。
「規制要件は多くの場合不明確」で、適切な議論がないままに法的執行措置が取られるため、競争環境が公平ではなくなっているとも続けている。なお、Bittrexはすべての顧客資産は安全で引き出し可能だとも説明していた。
米国の破産裁判所は、必要な規制要件を満たす顧客が、米国版Bittrexの自分の口座にアクセスして、残っている資産を引き出すことを許可している。期限は8月31日までだ。
米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは
日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。
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