CoinPostで今最も読まれています

三役好転のビットコイン、テクニカル的には強い地合いへ|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週10/14(土)〜10/20(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

10/14(土)〜10/20(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は確りとした推移で、20日正午時点では440万円を窺う展開となっている。

グレイスケールのビットコイン投資信託(GBTC)の上場投資信託(ETF)化を否認した米証券取引委員会(SEC)の判断を無効とした裁判の控訴期限を過ぎ、今週は現物型ビットコインETFの承認期待が週明けの相場の支援となり、BTCは410万円に乗せた。すると、SECがブラックロックのビットコインETFを承認したとの報道が流れ、相場は一時430万円を超えるも、これが誤報だと伝わると上げ幅を縮小した。

一方、この日は米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、米連邦準備理事会(FRB)はこれ以上経済にプレッシャーを与えるべきではないと発言した他、企業決算を楽観した米株の上昇に支えられ、結果的にBTC相場は420万円台に乗せた。

その後は概ね420万円台での揉み合いが続いたが、フィデリティやブラックロックがビットコインETF申請の修正をSECに提出する中、グレイスケールがGBTCのETF化を再度SECに申請すると、相場は430万円に乗せた。

しかし、19日にはパウエルFRB議長がニューヨークのエコノミック・クラブでの講演で追加利上げの可能性について発言し、市場の利上げ停止観測を牽制。長期金利の上昇が景気圧迫に寄与しているとも発言したが、BTC相場は430万円周辺で失速した。ところが、20日東京時間のBTC相場は上値を追う展開となっており、440万円乗せをトライしている。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

現物型ビットコインETFの審査を巡る誤報があったにも関わらず、BTCは上昇した。FRB高官らが長期金利の上昇が追加利上げの必要性を低下させていると先週から相次いで発言していたこともあるが、直近ではアーク、フィデリティ、ブラックロックがETFの申請に修正を加えており、市場では「承認に向けたSECとのコミュニケーションが活発になっている」との期待感も伺える。

ゲンスラーSEC委員長も18日、ブルームバーグとのインタビューで、現在申請されている複数のビットコインETFについて、「スタッフが審査を進めている」と発言したことも市場では好感されたか。

こうした中、BTCドルのテクニカル的な状況は先週から一変している。先週は200日移動平均線から反落し、一目均衡表の三役好転を解消し、今月1日にブレイクした下降トレンドラインまで相場が押し、テクニカル的な強さが薄れていた。しかし、今週は週明けの相場上昇に伴い三役好転を示現すると共に、これまで相場の強いレジスタンスとなってきた200日線の上抜けにも成功しており、テクニカル的には強い地合いが示されている(第2図)。

第2図:BTC対ドルの一目均衡表と200日移動平均線(日足)出所:Glassnodeより作成

ただ、BTCは3万ドル乗せも視野に入ってきた一方で、短期的な過熱感もそろそろ出てくる頃合いと指摘され、年初来高値を更新するにはETFの承認期待だけでは力不足と見ている。無事に持ち直したBTC相場だが、あと一段落上昇できたとしても調整が入る可能性には注意しておきたい。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:仮想通貨市場自体に関心の薄れ、目先ではビットコインの底堅い推移に期待

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/17 火曜日
17:47
エルサルバドル、2025年予算で対外債務ゼロへ ビットコイン戦略も奏功か
エルサルバドルが2025年予算で対外債務なしを発表した。仮想通貨ビットコインへの投資戦略が奏功か。
15:25
国際決済銀行、クロスボーダー決済強化へ向けたトークン化プロジェクト始動 
国際決済銀行が主導する「プロジェクト・アゴラ」に世界41の民間金融機関が参加することが発表された。トークン化によって、ホールセールのクロスボーダー決済をどのように強化できるかを検証する。
14:44
ブータン王国、5年間のマイニング事業運営でビットコイン1000億円超を保有か 
ブータン王国が政府主導のマイニングで1,060億円相当のビットコインを保有している可能性がある。豊富な水力資源を活用した取り組みを展開している。
14:31
仮想通貨NEIRO(ねいろ)価格急上昇 バイナンス上場で
バイナンスに上場したミームコインNEIROが前日比870%高騰。ドージコイン(DOGE )のモチーフかぼすちゃんの後輩柴犬「ねいろちゃん」をモチーフにしたNEIROの特徴と価格急騰の背景について解説します。
12:33
FOMC前のビットコインは軟調推移、イーサリアム財団と思しき売り圧力も
暗号資産(仮想通貨)相場では、利下げ局面で特に重要度の高いFOMCを控え、日経平均株価やビットコインは軟調に推移している。イーサリアム財団関連ウォレットから断続的なETH売却も観測されている。
10:45
ソニーの「ソニューム」でUSDCが利用可能に
仮想通貨イーサリアムのL2ソニュームでステーブルコインUSDCを利用可能にするために、サークル社とSony Block Solutions Labsが連携。イノベーションや創造性を促進する。
10:34
マイクロストラテジー、BTC追加購入を計画
仮想通貨ビットコインの追加購入などを行うため、マイクロストラテジーが資金調達を計画。700億円調達して一部の金額をビットコインの買い増しに使う予定だとした。
09/16 月曜日
15:00
テザーなどステーブルコイン発行企業4社、北朝鮮ハッカー集団保有の7億円相当を凍結
ステーブルコイン発行企業4社が北朝鮮ハッカー集団ラザルスの資金と思しき7億円相当の暗号資産(仮想通貨)を凍結した。3年間で280億円のマネーロンダリングも明らかに.。
14:45
コインベースCEO、ブラックロックへのビットコインIOU発行疑惑を全面否定
米大手仮想通貨取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、ブラックロックに対しビットコインの借用証明書(IOU)を発行し、相場操縦しているとの噂を全面否定。ETF運用について説明した。
14:23
イーサリアム次期アップグレード「Pectra」、2段階の実施案が浮上
イーサリアムの次期アップグレード「Pectra」を2段階で実施する可能性を開発者会議が検討中。Pectraの内容も解説。
11:00
仮想通貨ウォレット「BOSS Wallet」でのステーブルコインUSDTの保管方法を解説
ステーブルコインUSDTは、BOSS Walletのような仮想通貨ウォレットでチェーンに関係なく保管できます。この記事はBOSS WalletでのUSDTの保管の仕方についてご紹介します。
10:00
ユーザーファーストの分散型仮想通貨ウェアウォレットBOSS Walletとは
BOSS Walletは、ユーザー中心の分散型仮想通貨ソフトウェアウォレットであり、単一の秘密の復元フレーズで複数のウォレットを作成可能にしています。本記事は特徴や使い方を解説します。
09/15 日曜日
11:30
米CPI・FOMC影響でビットコイン相場が820万円に推移|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション懸念が高まる中、今週の暗号資産市場でビットコイン(BTC)は上下動。FOMCの動向が注目されている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米CPIとXRP投資信託に高い関心
今週は、米CPI、グレースケールのXRP投資信託の販売再開、米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長によるビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
09/14 土曜日
15:00
英高等裁「USDT含むステーブルコインは法律に基づく財産」と判決
英国の高等裁判所がUSDTを法的財産と認定。仮想通貨の法的保護を強化する判決に。背景となった訴訟の詳細を解説。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア