ビットコインへの新たなアクセス方法
米スタートアップ企業レシーツ・デポジタリー・コーポレーション(RDC)は4日、初のビットコイン預託証券(BTC DR)を提供開始すると発表した。
今後数週間以内に、適格機関投資家向けて、最初のBTC DRを発行する予定だ。この預託証券は、証券法により、機関バイヤーとしての米証券取引委員会(SEC)への登録義務が免除されている。
米国預託証券(ADR)とは、米国市場で外国企業の株式を取引するための証券だ。証券の所有権を示すもので、米国の銀行が外国企業の株式を預かりADRを発行する。
ビットコイン預託証券(BTC DR)は、ADRと同様に、米国規制の市場インフラ内で運用され、中央預託期間の一つであるDTCを通じて清算されるものとなる。
RDCのアンキット・メータCEOは、次のようにコメントした。
適格な機関投資家に、BTC DRを介して、デジタル資産への規制された安全なアクセス手段を提供できて嬉しい。こうした商品は待ち望まれていたものだ。
預託証券には、実証済みの構造、原資産の直接所有権の提供、機関投資家向け商品への組み込みの容易さなど、多くの利点がある。
RDCは、金融大手シティグループの元幹部らが立ち上げた企業だ。米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンも出資している。
ビットコイン現物ETFを様々な企業が申請する中、今回のBTC DRも投資家に間接的なビットコインへのアクセスを提供できる新たな商品になる。
ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
▶️仮想通貨用語集
ビットコイン預託証券(BTC DR)の仕組み
BTC DRでは、投資サービス企業Broadridge Corporate Issuer Solutionsが預託手続きの代理人となり、連邦公認の暗号資産(仮想通貨)銀行Anchorage Digitalがカストディ(保管)を提供する仕組みだ。
BTC DRは保管されているビットコインによって100%裏付けられる。
適格投資家は、従来の証券と同様のテクノロジー、ワークフロー、カウンターパーティ関係によって支えられる仕組みの中で、ビットコインを所有できる形だ。
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