その仮想通貨取引所選び、損しているかも
暗号資産(仮想通貨)市場が進化する中で、各交換業者も競い合うようにサービスを充実させています。
例えば、その取引所で売買可能な取扱銘柄の種類や多様性、手数料の違いは投資のリターンにも影響を及ぼし得るため、選ぶ方のユーザーもより賢い選択が求められます。
しかしながら、条件が有利だったり自分に合った取引所を選ぶためには予備知識が必要なため、多くの初・中級者の個人投資家が結果的に損をしているとの指摘もあります。
- 価格の違い:同じ暗号資産でも、取引所によって提供される価格表示や数量が異なる可能性があります。最も有利なレートで取引するために価格比較は必須です。
- 手数料の違い:株式の証券取引所同様、暗号資産取引所によって売買手数料や送金手数料、日本円の出金手数料が異なります。取引コストを抑えるためには各取引所の手数料構造を理解し、比較することが重要です。
- 銘柄の違い:取引所ごとに取り扱っている暗号資産の種類は異なります。また、特定の銘柄を取り扱っている取引所を選ぶ際には、手数料の低さや価格設定の公正さを考慮すると良いでしょう。
暗号資産(仮想通貨)取引所の主な違い
すでに何らかの取引所に登録している方々も、今一度、ご自身が利用しているサービスに本当に満足しているか再評価してみましょう。もしかしたら、もっと良い条件を提供する取引所があるかもしれません。
この記事では、各交換業者の異なるサービス内容や、取引所選びの際のポイントと注意点を分かりやすく解説します。より賢く、より効果的な投資戦略を立てるために、この情報をぜひ活用ください。誰もが知るべき取引所の選び方を、ここでお教えします。
記事の見どころ
暗号資産(仮想通貨)取引所でよくある失敗例
仮想通貨取引市場の複雑さとユニークさのために、株式やFX(外国為替証拠金取引)などの経験豊富な投資家であっても、時として予期せぬ損失を引き起こす場合があります。以下では、特に注意が必要な3つの一般的なミスを詳しく解説し、これらを避けるための戦略を提供します。
仮想通貨取引の過程をしっかりと理解し、賢明な投資判断を下すことで、損失を最小化するための知識が深まります。
1. 販売所で売買を繰り返す失敗
仮想通貨の売買には「取引所」と「販売所」の二つの方法があります。特に注意すべき点は「手数料」です。
販売所での手数料は無料のように見えますが、売値と買値の間に通常3〜6%の価格差(スプレッド)が設定されているケースが多いです。これはユーザーが取引の詳細を確認する間に交換業者が価格を一時的に固定しておくための仕組みで、実質的にユーザーが負担するコストとなります。
例えば、あるユーザーが1BTCを1000万円で購入し、0.1BTCを取得します。すぐに別の資産を購入したくなり、0.5BTCを売りたい場合でも、5%のスプレッドがあれば、売却レートは950万円になります。
このように、販売所は長期的な視野での資産購入や売却に適しており、短期間での頻繁な売買には向いていません。市場状況によるスプレッドの変動もあり、注文は必要最低限に抑え、冷静な取引を心がけることが重要です。
2. 取引所でスリッページを考慮しない失敗
取引所は株式市場と似たメカニズムを有し、オーダーブックを利用してユーザーが市場価格で直接取引を行う場です。ここでは多様な注文形式を用いた戦略的な取引が可能で、販売所に比べて低い手数料で運用されるため、コストを重視するユーザーに適しています。
ただし、取引所での取引においても注意が必要です。特に流動性の低い市場では、売買価格の差(スプレッド)が拡大する傾向があります。また、まとまった金額の注文を無計画に出すと、市場への影響が大きくなり、予期せぬ価格変動を引き起こすことがあります。
これを「スリッページ」と言い、注文実行中に市場価格が変動して、期待した価格と実際の取引価格の間に差が生じる現象です。この現象は、流動性の低い市場や取引量の少ない資産で特に顕著です。
スリッページを避けるためには、オーダーブックの買い注文と売り注文の価格と数量を慎重に確認し、指値注文*を使用するなど、適切な注文量を決定することが重要です。同じ銘柄でも、流動性が高い市場を選ぶことで、より安全な取引環境を実現できます。
指値注文
指値注文は、トレーダーが希望する価格を事前に設定する取引方法です。買い注文の場合、購入する最高価格を設定し、売り注文の場合は売却する最低価格を設定します。例えば、「ビットコインを9000万円で0.1BTC購入する」といった注文が可能です。
この方法は成行注文と異なり、指定した価格に市場価格が一致するか、適切な流動性がある場合にのみ約定します。そのため、指定価格より不利な価格で約定するリスクがなく、予期せぬ価格での約定を防げるのが利点です。
3. 出庫手数料のコストが積み上がる失敗
仮想通貨取引所を選ぶ際には、「仮想通貨の出庫手数料」も見逃せない重要なポイントです。この手数料は、仮想通貨を取引所から自分のウォレットへ移動する際に発生します。
特にビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨では、市場の需要が高まると手数料が急激に上昇することがあります。
たとえば、ビットコインが1,000万円の場合、取引所が設定する出庫手数料が0.0005BTCであれば約5,000円となります。このため、頻繁に送金を行うと、その都度5,000円が手数料としてかかってしまいます。
最初のテスト送金は必要コストと言えますが、2回目以降は登録したアドレスリストから送るようにすると良いでしょう。
出庫手数料の内訳は、ブロックチェーンの運営を支えるマイナー(ビットコインの場合)やバリデーター(イーサリアムやソラナの場合)への報酬として支払われるネットワーク手数料を含みます。いくつかの仮想通貨取引所では、ネットワーク手数料を(上限付きで)負担し、ユーザーに対して出庫手数料を無料で提供している場合がありますが、この制度がいつまで続くかは保証されていません。
老舗の取引所では、透明性を持って一定の出庫手数料を設定しています。このような状況を理解し、取引所の使い分けも視野に入れて、自身の取引スタイルに合った取引所の口座を複数用意することも賢明な選択と言えるでしょう。
4. その他:よくある失敗例
仮想通貨取引所選びで起こり得る失敗は、初心者だけでなく経験豊富なトレーダーにとっても、時間や労力の面で負担となることがあります。効率よく投資を行い、不必要なコストを避けるためには、いくつかの一般的な問題に注意することが重要です。
- 口座開設した希望の銘柄を取り扱っていない:口座開設後に希望の通貨ペアが取引所で取り扱われていないことが判明。
- アプリで使用できる機能が限られている:特定の取引機能や分析ツールがアプリに含まれていない。
- 出庫処理時の確認に極端に日数がかかる:資金の出金が遅れ、数日から数週間かかる場合がある。
- 販売所のスプレッドが他社より広い :取引コストが高くなるため、利益が圧迫される。
- カスタマーサポートの対応が遅いまたは不十分 : 問題が発生した時に適切なサポートを受けられない。
これらの点を踏まえて取引所を選ぶ際は、事前に詳細な調査と比較を行うことが重要です。
おすすめの暗号資産(仮想通貨)取引所
スプレッドの狭さとアルトコインの取り揃えが売りの国内取引所
bitbank(ビットバンク)は、2014年から暗号資産事業を運営している比較的古参の取引所です。取引所で38銘柄を取り扱っており、シンプルで簡単な操作が可能。流動性・スプレッドの面でも初心者でも利用しやすい。
メイカー取引(オーダーブックに流動性を追加する指値注文)の手数料は一律-0.02%。出庫においてはイーサリアム、ポリゴン、アービトラムなどのマルチチェーン対応。など、中・上級者にとって重宝する取引所です。
ソラナやシバイヌなど注目銘柄多数、個人投資家から人気急上昇中
SBIグループの「SBI証券」といえば、国内No.1のネット証券として知られる。 SBIVCトレードは、これまで築き上げてきた金融ノウハウを活かした安心感に定評のある取引所。手数料の安さなど、”カスタマーファースト”のグループ理念を踏襲する。
ソラナ、ドージ、シバイヌなど注目度の高い銘柄を早期に取り扱ってきた実績もある中、貸暗号資産、ステーキングなど銘柄の特性に合わせた運用サービスも充実。個人投資家からの支持が高まっている。
金融ノウハウに裏打ちされた信頼
GMOグループは暗号資産事業以外にも、オンライン証券やネット銀行、FX事業と幅広い金融サービスを提供しているため、金融やITに関するノウハウはいたるところに感じられるでしょう。取引所(現物)は23種類、取引所(レバレッジ)は11種類という豊富な取扱いは国内屈指。
手数料はメイカー取引にマイナス手数料を設定しており、BTC、ETHはMaker:-0.01%、SOLやATOMなどはMaker:-0.03%です。スマホアプリは多機能で、現物取引(販売所・板取引)、暗号資産FXを操作可能です。関連サービスも積み立て、貸仮想通貨、ステーキング等、充実しています。
よくある質問
最後に交換業者選びに関する「よくある質問」と回答を掲載します。
- ―複数の交換業者に登録した方が良いですか?
-
回答
必ず利益が出る投資手段というものはありませんが、複数の交換業者にあらかじめ口座開設しておくことで、万が一ハッキング被害など起きた時のリスクヘッジになるほか、投資できる銘柄やIEO(Initial Exchange Offering)の抽選に参加できる選択肢が増えたり、レンディング(貸し手増やす)など利用できる運用手段が増えたりとさまざまなメリットがあります。
また、交換業者はメンテナンスやトラブルで利用できないタイミングもあるので、複数の交換業者に口座を開設しておけば、投資のチャンスを逃すことを防げる可能性もあります。
口座開設や資産の管理に費やす手間は増えますが新規登録は無料でできますので、自身の資金や投資スタイルなどを考慮して、複数企業への登録を検討してみてください。
- ―事業者毎に取扱銘柄が異なる理由は?
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回答
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の会員である暗号資産取引業者は、新規に取扱う銘柄について事実調査と自社評価を実施します。その後、これらの情報を協会に提出し、順に審査が行われます。
一度審査された銘柄は、他の会員による審査結果が共有されるため、新規会員は既存の情報に基づき、異なる観点から補足や修正を加えることで自社の調査・評価を進めることができます。このようにしてリストに登録された銘柄は、新規会員が自社での調査・評価を完了さえすれば、追加の協会審査なしに上場可能です。
JVCEAでは、2024年3月時点で既に29銘柄が「グリーンリスト」に登録されており、取扱銘柄のばらつきは以前より減少傾向にあります。今後、新たな銘柄の追加ペースも加速すると期待されます。
- ―未成年ですが注意点はありますか?
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回答
未成年でも条件付きで口座開設できる場合もありますが、多くの交換業者が利用条件に「18歳以上であること」あるいは「20歳以上であること」を挙げています。登録を希望する交換業者が未成年の登録を受け付けているか確認しましょう。
仮想通貨取引所選びのチェックリスト
仮想通貨取引所を選定する際には、以下のポイントを事前に確認し、資産を守りつつ効率的に投資活動を行いましょう。
- ☑ 取扱通貨の確認: 取引を始める前に、取引所が希望の銘柄、または通貨ペアを取り扱っているかを必ず確認しましょう。
- ☑ 取引ツールと機能: 使用する取引プラットフォームが必要な取引機能や分析ツールを提供しているかを確認します。
- ☑ 出庫処理の速度: 資金の出金手続きのスピードを確認し、出庫処理にかかる日数が極端に遅いと評されていないかチェックしましょう。
- ☑ 取引コストの比較: スプレッドやその他の取引関連コストが競争力のある水準かどうかを比較検討します。
- ☑ カスタマーサポート: 万が一の問題発生時に迅速かつ適切なサポートが得られるかどうか、サポートの質を確認しましょう。
このチェックリストが、予期せぬトラブルを避け、より安心して取引を進めることに役立つと期待しています。
また、複数の取引所に口座を開設することで、柔軟な取引選択肢、リスクの分散、市場アクセスの向上が期待できます。仮想通貨投資を始める方や、複数の取引所への登録を検討している方は、本記事で紹介した内容を参考にして自身で確認してみてください。
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