ビットコインETFの純流入傾向
8月8日、米国市場におけるビットコイン現物ETF(上場投資信託)への純資金流入額が、差し引きで1億9,256万ドル(約280億円)に達した。5日までの相場の大幅下落を一部の投資家が「買い場」と捉えた可能性がある。
特に、ブラックロックの「IBIT」への純資金流入が顕著で、1億5,760万ドルを占めている。IBITは7月29日に+2億ドルの純資金流入を記録した後、+7,400万ドル以下にとどまっていたが、ここにきて再び大きな流入となった。現在、IBITの運用資産額は200億ドル(約3兆円)に達し、最大のビットコインETFとなっている。
続いて、ウィズダムツリーの「BTCW」への資金流入額は+1億1,852万ドル、フィデリティの「FBTC」は+6,525万ドルを記録している。
一方、手数料が割高なグレイスケールの「GBTC」では、8月8日の資金流出が-1億8,294万ドル(約280億円)に上り、2024年4月4日以来の規模となった。ビットコインETFの取引が開始された1月11日以降、GBTCの累積流出額は-190億ドルに達し、8月8日時点での残高は193億ドル(約2.8兆円)となっている。
5日時点で49,050ドルまで急落したビットコイン(BTC)は、その後大幅に反発し、9日時点で6万ドル台を回復している。
CryptoQuantのリサーチディレクターであるJulio Moreno氏は、Xを通じて「9日のBTC価格が62,700ドル台まで反発したのは、ショートカバーの結果である可能性が高い」と指摘している。ショートカバーは、空売りしたポジションを値上がりにより買い戻す行為で、これが連鎖的に続くことがある。Moreno氏はさらに、「9日の反発でBTC永久先物の未決済建玉(オープンインタレスト)が前日比で大幅に減少した」と付け加えた。
一方、オンチェーンデータによると、ビットコインが1BTC=49,000ドル台まで急落した際、長期保有者が184,500BTC相当を押し目買いしていたことが確認されている。