はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨のボラティリティ要因は情報の格差か|著名イギリス大が最新の研究調査

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Warwick大学が仮想通貨のボラティリティ要因の研究結果を発表
著名イギリス大学による最新の調査では、トレーダーが情報格差を利用してタイミングをとって相場の大幅なスイングを促していると主張がされている。

ボラティリティに関する大学の研究

著名イギリス大学Warwick大学のDaniele Bianchi准教授と博士課程在籍のAlexander Dickerson氏は最新の調査で、情報が豊富なトレーダーが情報格差を利用してタイミングをとって相場の大幅なスイングを促し、その他大勢がそれを追っていることを説明した。

この結論は彼らによる「仮想通貨市場の取引高 」という最新論文で明らかになった。

同論文では2017年1月1日から2018年5月10日に渡り、CryptoCompareから150の取引所の26種類の仮想通貨を通して市場に関する情報を収集し、2017年の強気相場期間の乱高下=激しいボラティリティをカバーしている。

同論文の要点は以下の様になる。

  • 情報豊富なトレーダーの動きによって価格のボラティリティが起こる。
  • 情報豊富なトレーダーが相場のタイミングを決定し、残りはそれを追う形となっている。
  • 不透明な市場は情報の不均衡を利用する最適な環境である。
  • ビットコインはFX市場での米ドルのように基軸通貨のような働きをしている。

仮想通貨市場の価格変動を左右する要因とは

Bianchi准教授は、「仮想通貨市場は不透明な性質から、情報を多く有するトレーダーがタイミングを計り価格を変動させて利益を得ることが出来でき、その情報の不均衡さを悪用できる完璧な環境である」としている。

そして准教授は現在の仮想通貨市場の状況を論文のプレスリリースにて下記の様に述べた。

株式などのより成熟した中央集権的市場とは異なり、仮想通貨の取引の傾向は不透明な情報のフローによって起きているだろう。

仮想通貨市場は非常に断片化されており、ウェブ上のブローカーや大手取引所、OTCのようなマルチプラットフォームの構造で形成されている。これはトレーダーが取引高と価格の乖離の相互効果を利用し取引する動機となる。また仮想通貨市場が年中無休なこともこれを裏付けていると考えられる。

他の資産クラスとのパターンとの相関関係

Bianchi准教授は、以前発表された「アセットクラスとしての仮想通貨」という論文の中では、将来の仮想通貨の価格が以前のリターンや投資家の感情 や気分の影響をどのように受けてるか考察し、 「仮想通貨は投資家が他の商品取引の意思決定を行う時の経済指標との間に相関関係はない」と説明した。

しかし今回の論文では、ビットコインを中心とした仮想通貨市場はFX市場の米ドルのような基軸通貨の役割を果たして来ていると述べ、成長し続ける仮想通貨が従来のマーケットと全く異なるわけではないと論じた。

また仮想通貨の市場構造はFXマーケットと若干の類似性を見せていると指摘し、FXのような従来のマーケットを比較対象とすることで、仮想通貨マーケットに関するより深い洞察を得るのに役立つだろうともしている。

仮想通貨市場は1日で20%下落する事もある様にボラティリティが高い市場であり、一部のグループの言動によって市場全体が左右されやすい傾向がある。

直近の仮想通貨市場ではビットコインキャッシュの分裂騒動やハッシュ戦争、その他の複数要因が合わさって全体的に暴落相場となっており、さらなる下落を予測するアナリストもいるが、技術的な進展も見られたりしているため、引き続き先行き不透明な状況が続くと考えて良いだろう。

なお本稿執筆時点で、仮想通貨市場の50%を超えるドミナンス(市場占有率)を保つビットコインは重要ラインと呼ばれていた5000ドルのラインを切り、4800ドルを推移している。

CoinPostのLINE@

早くも登録者4,000名突破。スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれるLINE@です。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ビットコイン暴落相場が継続 3つの下落要因と相場の注目点|仮想通貨市況
BCH分裂騒動で揺れた仮想通貨市場、ビットコインやアルトも影響する形で暴落相場を形成したが、本日更なる下落へと繋がった。本記事では、現在仮想通貨市場で起きている問題と、相場の下落の要因をまとめた。
「ビットコインの底打ち時期は?」仮想通貨独自分析インジケータが示す最新予測
仮想通貨アナリストのWilly Woo氏は、独自の仮想通貨分析インジケータを用い、ビットコインの弱気相場はさらに続き、相場が底をつくのは、2019年第2四半期(Q2)になりそうだという予測をツイッター上で発表している。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/04 木曜日
17:45
2026年2月17日(火)、「Digital Space Conference 2026」開催決定
一般社団法人日本デジタル空間経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:北尾 吉孝、以下「当連盟」)は、2025 年 2 月 17 日(火)に、大規模カンファレンスイベント「 Di…
16:49
MUFGグループ、トークン化MMFの商品化へ Progmatと協業開始
2026年に機関投資家向け提供を目指す 三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行の3社は4日、Progmat(プログマ)との協業を…
16:49
FRB利下げと流動性回復、2026年の仮想通貨市場に追い風か=Delphi Digitalレポート
仮想通貨リサーチ企業Delphi Digitalは、FRBの利下げ継続とQT終了、TGA取り崩し、RRP枯渇により、2026年に仮想通貨市場にとって追い風となる流動性環境が生まれると分析。ビットコインやイーサリアムなどデジタル資産に有利との見方を示した。
15:09
ランボルギーニとレジャー、限定ウォレット発表 「いつランボ買える」ミームに呼応
仮想通貨ハードウェアウォレット大手レジャーとイタリア高級車ランボルギーニが提携し、限定版「Ledger Stax」を2026年初頭に発売。フェラーリやポルシェなど高級ブランドのWeb3参入が加速する中、24万人超の仮想通貨ミリオネア増加が背景に。
13:25
米コネチカット州がロビンフッドなど3社に停止命令、無免許でスポーツ賭博提供と主張
コネチカット州消費者保護局がロビンフッド、クリプトドットコム、カルシに無免許オンライン賭博運営の停止命令を発行した。3社は州法に違反してスポーツ賭博を提供しており、利用者の資金や情報にリスクをもたらしているという。
12:26
チャールズ・シュワブ、2026年前半に仮想通貨取引開始へ 既存取引所に手数料圧力か
米大手証券チャールズ・シュワブが2026年前半にビットコインとイーサリアムのスポット取引を開始。低手数料戦略で既存取引所に圧力か。バンガードやバンク・オブ・アメリカも参入し、ウォール街で仮想通貨の主流化が加速。
11:15
メタマスク、最大1万ドルの損失を補償する「トランザクション・シールド」開始 
仮想通貨ウォレット「メタマスク」が有料補償サービス「トランザクション・シールド」を開始。対象となる取引について月額9.99ドルで最大1万ドルの損失を補償する。
11:02
NTT Digital、仮想通貨ソラナのバリデータを運用開始
NTTドコモグループのNTT DigitalがSolanaバリデータ運用を開始。Dawn Labsが技術支援を担う。国内ではモブキャストHDもソラナ財団認定を取得するなど、企業参入が加速している。
10:45
三井物産デジタルAM、デジタル証券ファンドを早期償還
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券ファンド「日本橋・人形町」を早期償還し、当初予想3.0%を上回る年5.0%の利回りを達成。累計利益分配金は25億円を突破した。
10:30
「バイナンス・ジュニア」、キッズ向け仮想通貨口座導入 安全性に関する議論も
バイナンスが6~17歳向けの仮想通貨プログラム「バイナンス・ジュニア」を開始した。親の監督下でシンプルアーンによる資産運用などが可能となる。
10:26
イーサリアム保有企業購入量、ピークから80%急減 ビットワイズが指摘
ビットワイズの報告によると、イーサリアム保有企業の11月購入量は8月比81%減の37万ETHに急減。一方、ビットマイン社は12月に1.5億ドル相当を追加購入し、フサカアップグレードへの期待を示した。
10:00
スターテイルとソニーのソニューム、ステーブルコイン「USDSC」をローンチ
スターテイルは3日にソニーグループと共同で開発・運営するブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」において、米ドルステーブルコイン「Startale USD(USDSC)」と報酬システム「STAR Points」をローンチしたことを発表した。
09:45
ビットコインが1万ドル反発、イーサリアム「フサカアップデート」好感で10万ドル視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは反発の勢いを強めている。ETHの「フサカ・アップデート」を好材料とし、2日に付けた8万3,000ドル台から1万ドルの上昇を見せた。
08:55
米SECが仮想通貨含む高レバレッジETFを阻止、3倍・5倍商品の審査停止を通告
米SECが株式や仮想通貨の日次リターンを3倍・5倍に増幅するETFの審査を停止した。プロシェアーズは3倍レバレッジ仮想通貨商品を含む複数の申請を取り下げている。
08:02
アンソロピックが来年IPO検討か、評価額3000億ドル超目指す=報道
AI企業アンソロピックが早ければ来年にもIPOを検討している。マイクロソフトとエヌビディアから合計150億ドルの出資確約を得ており、オープンAIと上場を競う。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧