初のビットコイン脱税判決
米テキサス州オースティン在住のフランク・リチャード・アールグレン3世が、仮想通貨ビットコイン(BTC)の売却益に関する脱税で2年の懲役刑を受けた。アールグレン氏は2011年から早期投資家としてビットコインに関わり、2015年にはコインベースを通じて約1,366BTCを購入していた。
米司法省の声明によると、2017年10月、アールグレン氏は約640ビットコインを売却し、その利益でユタ州パークシティに家を購入した。しかし、税務申告において、会計士に虚偽の損益報告を提出し、実際の購入価格よりも高い価格で購入したと主張したという。
2018年と2019年には、65万ドル以上のビットコイン売却を一切申告せず、さらに複雑な隠蔽工作を行ったと司法省が指摘。具体的には、複数のウォレットを使用し、対面での現金交換、そして取引を匿名化するミキサーの利用などの手法を駆使した。
アールグレン氏は2014年5月のブログ投稿で、ビットコイン取引の匿名性を高めるミキサーについて言及しており、取引隠蔽に関する知識が豊富であったことが明らかになっている。司法省によれば、同氏の脱税による税金の損失は100万ドル以上に達した。
米国司法省の税務部門副長官スチュアート・M・ゴールドバーグ氏は、アールグレン氏の行為を「数百万ドルを稼ぎながら、本来支払うべき税金を支払わず、取引をブロックチェーン上で隠蔽しようとした」と批判した。
最終的に、連邦地方裁判所判事ロバート・ピットマン氏は、2年の懲役刑に加えて、1年間の1年間の監督下釈放と109万5,031ドル(1.6億円)の返済を命じた。この判決は、仮想通貨に関する初の完全な脱税刑事訴追として注目を集めている。アールグレン氏の事例は、仮想通貨取引における税務コンプライアンスの重要性を強く示す重要な事例となった。
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